皆さん、ご機嫌よう!タカミックスです。
今回は電気を機材で綺麗に変換し、お財布にも優しいパワーディストリビューターの話です。
それでは行ってみまShow!
目次
電気とは?
DTMを始めるにあたり機材を揃えるのは良いのですが、見落としがちなのが電源=電気になります。DTM初心者は電気ごときで音が変わるのか? と思いがちです。しかしタカミックスも機材を入れただけで電気が綺麗になり音質が良くなった経験があります。
そんな訳で電源=電気について説明します。
ここで電源の話はしますが電源供給のためにマイ電柱を購入しろとか、電気屋に頼んで200ボルト専用コンセントを引いて100ボルト×2のバランス転送にしてノイズキャンセリング効果で音を綺麗にしろ! と言う話ではありません。せめて壁電源の交換を… と言う話でもありません。
ここでは工事をせずに一般家庭の配線周り、と言う意味になります。
その前に電気の重要さを解説します。
『日本の』家庭用電源
日本の家庭用電気は汚いと言われています。なぜ『日本の』なのかと言うと日本の家庭用電気の電圧が100ボルトなのに対し、アメリカは120ボルト、イギリスが240ボルトとされているからです。
ボルト数が高いと電気が綺麗と言う訳でもないのですが、電圧の高い国では音楽関係の機器がパワフルに動くと同時に電源周りの機材もパワフルに動いてくれるのです。なので日本のミュージシャンが海外レコーディングをする理由に物理的な出音が良いからと言う理由もあるそうです。
そんな海外に対して日本の家庭用電気はノイズが混ざっていたり電力が一定ではないのです。
まず電圧にこだわるなら200ボルトの電源(工業用は200ボルト)を引くのもありなんですが、一般家庭の家持ちならいざ知らず、一人暮らしの賃貸住まいには無理な話です。同じく賃貸住まいで壁電源を取り替えるのも無理な話です(作業は簡単だが電気工事士の資格が必要、そして賃貸契約の中に現状維持で退去の契約がある)。
なので家庭用の100ボルト電源の電気を綺麗にすることを考えましょう。
日本の電気はなぜ100Vなのか?
日本に電気が普及した当時の日本は、木造家屋が中心で高電圧は危険でありました。なので安全性のために住居用電圧を100ボルトにしたと言われています。
しかし高電圧が危険ならば、アメリカのように120ボルトでも良かったのではないか? と言う疑問も出てきます。この疑問に対しては当時の日本での一般家庭は、電灯が100ボルトを超える電圧だと電球が切れやすいからであったと言われています。
※参考文献 民明書房「なぜ日本の電気は100ボルトなのか? 電電明神かく語りき」より。
電圧の波
日本の電圧は100ボルトですが実際に計るとピッタリ100ボルトではなく、波があったりして機材に対して良い環境では有りません。
『波がある』理由は、一本の電柱から各家庭に電気が配分されているからです。田舎の人里離れた孤高の一軒家ならともかく、普通の住宅街や賃貸では各家庭で電気を使っています。これは一本の電柱から各世帯に電気が分配されているので、隣の家が電気を大量に使えば、我が家に流れる電気は少なくなると言うことです。
しかし、一般家庭で隣の家が電気を点けたからウチの電気が暗くなった、なんてことはありませんよね? そんなことがあったら、この世は阿鼻叫喚の地獄絵図と化すことでしょう。
そんな一般家庭の電化製品では影響が出ない電圧の波なのですが、これが実際には非常に微弱な違いが表れています。そんな微弱な電圧の違いでも、精密な作業を行っているDTMではトラブルの原因や音質に影響するのです。
日本のコンセントの電源はAC100ボルトですが、使用する場所(部屋)で電圧は違います。スタジオ(工業用電源でも)を始め、電気を多く使ってる場所では電圧が低いのです。
電圧は変動するので、音楽制作では音質が変わってしまうなど、様々な事態が起こってしまいます。それを防ぐために電圧を安定化して供給する装置が安定化電源が必要となるのです。
安定化電源とは
安定化電源とは、電圧を安定させる機材のこと。文字通り不安定な電圧を一定の電圧に保つ機材のことです。
そして安定化電源にはパワーコンディショナーの機能が併用されていることが多いのです。
パワーコンディショナー
パワーコンディショナーとは電源のノイズを除去したり、電力サージ(一時的な電圧スパイク、分かりやすく言えば過電圧)を防ぐ機材のこと。
パワーコンディショナーからパソコンや音楽機器につなげば、供給される電気はノイズを除去された綺麗な電気となります。なのでパソコンや音楽機器の動作が快適になり、トラブルが少なくなります。
更に雷などで瞬間的に高圧な電気が流れても、パワーコンディショナーがそれらを遮断してくれます。
安定化電源とパワーコンディショナーの違い
電気を綺麗にする機材、安定化電源とパワーコンディショナーは形が似ているので機能が同じと言われがちですが実際は違います。
一般的な安定化電源にはパワーコンディショナーの機能も組み込まれていますので、安定化電源の方が高価な商品になります。
綺麗な音にするために
綺麗な音でレコーディングしたいならば楽器や機材も重要です、電源関係も大事だと言うことです。
ただし、良い製品は性能と比例して金額も上がります。安い金額で電気を綺麗にする方法はないのか! と言うなら、タカミックスがオヌヌメするのがパワーディストリビューターです!
パワーディストリビューターとパワーコンディショナーの違い
実はパワーディストリビューターとパワーコンディショナーに明確な区別の仕方がありません。
強いて言うならば低グレードなパワーコンディショナーをパワーディストリビューターと呼ぶ様です。
電源タップ型がパワーディストリビューターで、ラックマウント型がパワーコンディショナーと呼ぶのでしょう。
とは言え、ラックマウント型のパワーディストリビューターもありますので、この辺の命名は製作者の匙加減なのかもしれません。
パワーディストリビューター
さて、パワーディストリビューターは電源を複数の機材へと分配する機材となります。主な機能としてはノイズフィルターやサージフィルターが付いてることです。
ノイズフィルターとは?
ノイズフィルターとは、ケーブルなどで発生する不要なノイズを除去してくれるフィルターのこと。
ノイズについてはキチンと説明すると話が異常に長くなるので、電気屋でもない我々にとっては、ざわつきを抑えてくれる機能程度、の認識でOKです。
サージフィルターとは?
落雷時に電線など高所にあるものに瞬間的に発生する有害な過電圧や過電流を防ぐフィルターのこと。
フィルター構造の説明になると話が異常に長くなるので、電気屋でもない我々にとっては、予想以上の電流を止めてくれるフタ程度、の認識でOKです。
CLASSIC PRO / PDS8
タカミックスが使用しているのは、パワーディストリビューターCLASSIC PRO / PDS-8です。
このCLASSIC PROはサウンドハウスがプロデュースするブランドです。いわゆる流通業者における『中抜き』がないブランドになるため、非常にコストパフォーマンスに優れています。
このPDS8にはサージフィルターが付いており、落雷時の過電流による機材故障を防いでくれます。また電磁波や電波などが影響して起こるノイズを低減すべくEMI/RFIフィルターも搭載しており、クリアな音を実現することができます。
ちなみにPDS8は重量が約1kgと結構重いです(笑)。
EMI/RFIフィルターとは?
文字通りEMIとRFIを抑制してくれるフィルターのこと。
electro magnetic interference(電磁波妨害)とradio frequency interference(無線周波数妨害)と、何やら堅苦しい言葉が並んでいます。
しかし、これの説明をしだすと話が異常に長くなる上に、更に輪を掛けて話が長くなるので、電気屋でもない我々にとっては、電磁波や電波による妨害を止めてくれるフタ程度、の認識でOKです。
PDS8 レビュー
では実際タカミックスがPDS8を使用し、どの様に感じたかです。
出音から高音域のトゲトゲしさがなくなり穏やかな音になりました。イコライジングで高音域をカットしたのではなく、耳に刺さるような高音域に薄い布を一枚掛けた感じと表現すれば良いのでしょうか? まろやかな音になったんですね。
PDS8 注意点
PDS8の注意点は差込口が非常に硬いことです。タカミックスも最初はiMacのコンセントプラグが入りませんでした。
なのでコンセントプラグではなく、スピーカーの小電力用ACアダプターの箱型部分を手のひらで押し込んで差込口を開通させました。
PDS8の差込口8個全てに小電力用ACアダプターを押し込んだ後は普通にコンセントプラグでも入るようになりました。
PDS8は差込口が硬くてプラグが入らない、金返せボケ! とクレームを入れる方が多いそうです。タカミックスは購入前から差込口が硬いことを知っていたので冷静に対処できました。
更なる改造なら医療用プラグ
このPDS8に改造を加えるならばプラグです。医療用プラグをパワーディストリビューターで使うことにより、更に良い音質になります。
医療用プラグの利点とは?
①抜けにくいプラグなので電気の接触抵抗が減り微弱な電流変化が起きない。
②アースがしっかりと作られていることで電機の歪みを外に流し、よりクリアな音質となる。
③メッキ加工がされていない。※ただしニッケルメッキがされている物もある。
Panasonic WF5018K
タカミックスが所持してる医療用プラグは、パナソニックのWF5018Kです。
WF5018Kはコンセントボディ(プラグ差込口側)がスケルトンではなく乳白色となっております。同じくパナソニックの商品名にKが付かないWF5018の方は全部スケルトンとなっております。
タカミックスも流石に医療用プラグの機器評価までは分からないので、無難に医療用プラグの中でDTM用で評価の高いパナソニックのWF5018Kを購入しました。
なお明工社という配線器具を専門に作っている会社では、自社で医療用プラグを制作しているのにもかかわらず、オーディオ用としてパナソニックのWF5018が紹介されています。
気になるお値段は…
さて肝心の値段の話をしていませんでしたね。
機材の価格はピンキリなのは当然ですが、このCLASSIC PRO / PDS8はサウンドハウスなら税込で5,258円(2021年9月時点)と非常にリーズナブルです。他社の通販で購入しても8,000円は越えることはありません。
医療用プラグもパナソニックWF5018であれば1,500円も掛からないので、電源回りが医療用プラグを含めても10,000円以下で済むのであれば御の字だと思います。
まとめ
なかなか機材を揃えるにあたって、電源までは頭が回らない方も多いと思われます。
しかしDTMを始めるにあたりノイズ問題というのは非常に頭を悩ませる物であります。それを10,000円も掛からない範囲で防げるのであれば、長いDTM生活を考える上で必要経費だと思っているのであります。
皆さんもDTMerとして、ノイズのないパワーディストリビューターの購入をお勧めします。
おしまい