皆さん、ご機嫌よう! タカミックスです。
今回は録音時にダイレクトボックスを使うと音が変わるのか? についてです。
そんなの変わるに決まってんだろ? お前はいつの時代の人間だ、タカミックスさんよ? ってな感じなのですが、これだけデジタルが急成長し、アンプシミュレーターもお手頃価格で高品質なサウンドを提供している時代です。
DTM初心者であれば、タカミックスみたいな考えの人って結構いると思います。
事実、タカミックスもBIAS AMP 2.0 ProfessionalやAmpliTube 5を持っているので、本音を言うとダイレクトボックスなしでも良い音で録れるんじゃね? と思っていました。
では、実際にタカミックスの様なアンプシミュレーター(BIAS AmpやAmpliTube)を使って、また、アンプシミュレーターを持っていなくても、アンプを通さないライン録りのみの人間にとって、ダイレクトボックスが必要か否か?
それでは行ってみまShow!
目次
基本セッティング
まずタカミックスの録音時のセッティングです。
- ギター:ギブソン レスポール・スタンダード
- シールド:HOSA HGTR-005R(貧乏人に取っては安いけど音が良いと言う優れ物のシールド)
- ダイレクトボックス:CLASSIC PRO CDI-1A
- オーディオ・インターフェイス:AVID MBOX Studio
- パソコン:M3 iMac
- DAWソフト:Logic Pro
- アンプシミュレーター:BIAS Amp 2.0 Professional
- パワーディストリビューター:CLASSIC PRO PDS-8
- モニターヘッドホン:オーディオテクニカ ATH-EP1000IR
電源は重要なので、タカミックスはパワーディストリビューターのCLASSIC PRO PDS-8を使っています。
また、モニターに関しては混じりっ気なしのナチュラルな音が欲しいので、ヘッドホンですがオーディオテクニカのATH-EP1000IRを使わせて頂きます。
オーディオインターフェイスのAVID MBOX Studioは若干値が張るので、安価のTASCAM US2×2も使ってみます。
そして肝心のダイレクトボックスは、これまたCLASSIC PROのCDI-1Aを購入しました。一往アクティブ・ダイレクトボックスとなります。
アバロンのダイレクトボックスなんか高く買えないので、 タカミックスは金欠なんで 取り敢えず安価のダイレクトボックスを購入し、録音時に音質向上が確認できたら次のダイレクトボックスを考えてみようと思っています。
このCDI-1Aは安価ながら音質は良いとのレビューが多々ありましたので、 金欠の 購入を迷うタカミックスの背中を押してくれました。
これで基本TASCAM US2×2を使用すれば、ギター以外は極力安価で収めたレコーディングシステムとなります。
ダイレクトボックスの基本を理解する
では改めてダイレクトボックスについて簡単に解説します。
ダイレクトボックスとは何か?
ダイレクトボックス、正式名称はダイレクト・インジェクション・ボックス(Direct Injection Box)です。通称『DI(Direct Injection)』と呼ばれます。
DIと略されると、日本人の素人感覚ですとBoxはどこ行った? と思ってしまうのですが、英語圏では『DI.Box』とBOXは省略されないみたいです。
ダイレクトボックスは、エレキギターやベースなどの楽器から出力されるハイ・インピーダンスのアンバランス信号を、ミキサーやオーディオインターフェイスが扱いやすいロー・のバランス信号に変換するための装置です。
ダイレクトボックスは主に楽器の信号を直接PAシステムやレコーディング設備に送る際に使用され、ノイズのリスクを大幅に減少させたクリアで安定したサウンドを実現させます。
インピーダンス変換の重要性
インピーダンスとは一言で言うなら電気抵抗です。非常にザックリと説明するならば、インピーダンスは高ければ高いほど(ハイ・インピーダンスであれば)ノイズが乗ります。
エレキギターやベースからのハイ・インピーダンス信号を直接ミキサーに送るとノイズが発生しやすく、音質が劣化します。ダイレクトボックスは、これをロー・インピーダンスに変換し、信号の品質を保ちながらミキサーやアンプに送ることができます。
川に例えるなら、音の信号が流れる水でノイズが岩です。ハイ・インピーダンスは川幅が狭いので岩があると流れが堰き止められてしまいます。
しかしロー・インピーダンスだと川幅が太いので、同じサイズの岩があっても他方に水が逃げていくので、流れは堰き止められないのです。
アンバランス信号とバランス信号の違い
アンバランス信号は、信号線と地線の2本で構成されるため、ノイズに弱く距離による影響を受けやすいです。一方、バランス信号は信号線が2本あり、それぞれ逆位相で送られるため、ノイズが打ち消される特性があります。ダイレクトボックスは、このバランス信号への変換を行い、長距離伝送での音質劣化を防ぎます。
もっとも、この機能はライブとかで長いギターシールドを使う場合ですね。だからと言って、短いギターシールドを使う自宅レコーディングで効果がない訳ではありません。
ダイレクトボックスの種類と選び方
ダイレクトボックスには、単純なトランスを利用したパッシブ型と、電源を要するアクティブ型の二つに大別されます。
パッシブタイプとアクティブタイプの違い
パッシブタイプのダイレクトボックスは、電源を必要とせず、内部にオーディオトランス(音響用変圧器)のみを含むため、非常にシンプルで信頼性が高いです。ただし、一部の高インピーダンス楽器に対しては最適なマッチングを提供できないことがあります。
対照的に、アクティブタイプは外部からの電源(9V電池など)を必要としますが、低ノイズで高いダイナミックレンジと広帯域幅の入力に対応しており、より多様な楽器にフレキシブルに対応することができます。
アクティブタイプは特にアクティブ回路を持つエレクトリックベース(タカミックスのTRABEN Phoenix 5stはアクティブ・ベース!)や特定のシンセサイザーにおいて、その性能を最大限に発揮します。ただし、アクティブタイプなので電源がない状態では使用できません。
ダイレクトボックス
市場には様々なダイレクトボックスがあります。値段もピンキリでAVALON DESIGN(アバロンデザイン)U5 SILVERなどは最安値でも148,000円もします。
乱暴な表現になりますが、DTMを齧り始めた人間からすると「えっ、たかだかダイレクトボックス如きに10万円以上払うの?」と思ってしまいます。
だってダイレクトボックスの性能って、元々はオーディオインターフェイスに組み込まれいるんですから!
ダイレクトボックスのソフトウェアってあるの?
ダイレクトボックスと同じ働きをする物、と言うより、オーディオインターフェイスや各種DAWソフト、アンプシミュレーター(AmpliTube 5など)はギター入力をする時点でダイレクトボックスと同じ働きをしています。
ギター音を取り込む時点で、オーディオインターフェイスやアンプシミュレーターが、ハイ・インピーダンスをロー・インピーダンスに変換させているんですね。
オーディオインターフェイスのライン入力設定を『INST』や『Hi-Z』にしてギターシールドを挿せば演奏OKです。
この手のオーディオインターフェイスやソフトウェア系にダイレクトボックスと同じ性能が組み込まれているならば、別にハードウェアのダイレクトボックスは必要ないのでは? と思ってしまいます。
しかし、単体商品として成り立っているハードウェアのダイレクトボックスは、ダイレクトボックスのみの機能が特化している、という商品となる訳です。
続く…
さて、長い長い前振りを終えたので、いよいよダイレクトボックスを使ってギター録音と行ってみましょう!
と、言っときながら次回へ…
つづく