オーケストラやストリングスの話になると、略号が一気に増えて分かりにくくなります。しかも、名前だけ覚えていても「どの楽器がどの音域を受け持つのか」が曖昧なままだと、問題では迷いやすくなります。
特にストリングスは、似た見た目の楽器が並ぶので、何となく覚えてしまいがちです。ですが、実際にはそれぞれ役割が分かれていて、収音の考え方もその役割と結びついています。
今回は、略号の意味を確認しながら、どのセクションが低音域を担当するのかを整理していきます。それでは、まず問題を解いてみましょう。
目次
過去問|2024年ステップⅢ 第7問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2024年 ステップⅢ 第7問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
このテーマは定番なので、考え方ごと押さえておくと応用が利きます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
ストリングスで低音域を担当するセクション=Vc
※Vc=チェロ
本回の学習ゴール
・ストリングスの主要セクションを略号と正式名称で対応できる
・低音域を担当するのがチェロであると説明できる
・セクションごとの収音が何を整理しようとしているのかを理解できる
対話講義(Q&A)|ストリングスの各セクションとは何か
タカミックス
この問題、Vcが何か以前に、そもそもストリングスってどこまでを指しているのかが曖昧です。
サウンド先生
そこから整理した方が早いね。
オーケストラの楽器は、大まかに見ると弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器というまとまりで考えることが多いんだ。
このうち、ストリングスというのは弦楽器のまとまりを指すよ。
タカミックス
弦楽器のまとまり、ですか。
サウンド先生
そう。代表的には、第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスだね。
問題文に出てくるVl1は第1バイオリン、Vl2は第2バイオリン、Vlaはビオラ、Vcはチェロを意味している。
タカミックス
なるほど。じゃあ、まずVcがチェロだと分かったうえで、そのチェロがストリングスの一員かどうかを見ればいいんですね。
サウンド先生
その通り。さらにこの問題では、ストリングスの中でも低音域を担当するセクションを聞いている。
だから答えはチェロになる。あと、略号の暗記だけで終わらせず、音域の役割まで結びつけるのがポイントだよ。
詳しい解説|なぜその答えになるのか
結論から言うと、正解はVc=チェロです。
この問題の最短手順は、次の2段階です。
1.略号を正式名称に戻す
2.その中で低音域を担当するセクションを選ぶ
まず、問題文に出てくる各略号を整理します。
- Vl1=第1バイオリン
- Vl2=第2バイオリン
- Vla=ビオラ
- Vc=チェロ
この並びは、ストリングスの基本的なセクション分けとしてよく使われます。
第1バイオリンと第2バイオリンは高い音域側、ビオラは中音域側、チェロは低音域側を担当します。
つまり、問題文の
「Vl1、Vl2、Vlaに加えて、低音域を担当する(7)のセクション」
という記述に当てはまるのは、チェロです。
ここで大事なのは、「ストリングス」という言葉を広く捉えすぎないことです。
オーケストラ全体には木管楽器や金管楽器もありますし、歌が入ればボーカルもあります。ですが、この問題はストリングスセクションの基本的な分け方を問っています。したがって、答えは弦楽器の中から選ぶ必要があります。
さらに一歩進めると、この問題は単なる略号暗記ではありません。
セクションごとにマイクを1本ずつ立てるという発想は、それぞれのパートの役割や音域が違うから成立します。高い旋律を受け持つ第1バイオリン、内声や厚みを支える第2バイオリンやビオラ、低音の土台を作るチェロでは、録りたい音の重心も違います。だから、セクション単位で分けて考える意味が出てきます。
中級者向けに補足すると、実際の現場ではチェロよりさらに下を支えるコントラバスを別に扱うこともあります。ただし、この問題はあくまで「基本的なセクション分け」を押さえる内容なので、まずは低音域担当=チェロという基本を固めるのが先です。
他の選択肢が誤りな理由
- Vo
ボーカルです。歌唱パートを指す略号であり、ストリングスのセクションではありません。
- Fl
フルートです。木管楽器であり、弦楽器ではありません。音域が高めでも、ストリングスの低音担当にはなりません。
- Brass
金管楽器全体をまとめて指す言い方です。トランペット、トロンボーン、ホルンなどの系統であり、ストリングスではありません。
実務・DTMへの応用
この知識は、オーケストラ音源やストリングス音源を打ち込むときにも役立ちます。
初心者がやりがちな失敗は、全部をひとまとめの「ストリングス」として扱ってしまうことです。すると、高音の動き、中音の厚み、低音の支えが分離せず、何となく鳴っているだけのアレンジになりやすくなります。
一方で、第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロという役割を意識すると、どこにメロディを置くか、どこで厚みを作るか、どこで土台を支えるかが見えやすくなります。特にチェロを「低音の土台」として理解しておくと、単に低い音を足すのではなく、ストリングス全体の重心をどこで支えるかを考えやすくなります。
録音でも同じです。セクションごとにマイクを分ける考え方は、あとでバランス調整しやすくするためでもあります。高い帯域ばかり前に出ると薄く聴こえますし、低音側が曖昧だと全体の安定感が弱くなります。チェロの役割が分かっていると、どこを支点に聴けばよいかがかなり明確になります。
結論の整理
2024年 ステップⅢ 第7問の正解
Vc
一言まとめ
ストリングスの基本的なセクション分けで低音域を担当するのはチェロ
