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カリフォルニア・ジャム ~ グレン・ヒューズの声量に驚いたこと、リッチー・ブラックモアの大暴れについて。

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 皆さん、ご機嫌よう! タカミックスです。今回はカリフォルニア・ジャムに出演した第三期ディープ・パープルを見てアルバムでは分からなかったデヴィット・カヴァデールとグレン・ヒューズの声量の違い、およびリッチー・ブラックモアの大暴れについてです。

 それでは行ってみまShow!

カリフォルニア・ジャム

 さて第三期ディープ・パープルのライブ音源で商品化されている物の中に1974年4月6日に開催されたカリフォルニア・ジャムがあります。タカミックスはビデオテープでカリフォルニア・ジャムを見たことがあります。

 オープニングナンバーは『紫の炎』です(この頃はお決まりの「アー・ユー・レディ?」は言ってない)。デヴィット・カヴァデールのディープ・ボイスが冴え渡ります。

デヴィット・カヴァデール

 しかし、です。

 グレン・ヒューズのパートに入った瞬間タカミックスは「何だ、この声? 声量全然違うじゃねぇか?」と驚きました。

 デヴィット・カヴァデールとグレン・ヒューズの声質を比べると、グレン・ヒューズの方が音程が高いので声がマイクに乗りやすいというのはあったのでしょう。それでもグレン・ヒューズの声の方が断然良く聴こえたのです。

精一杯歌うデヴィット・カヴァデールに対し…

 まぁ、カリフォルニア・ジャムを見て思ったのは終始デヴィット・カヴァデールが必死に歌っているのに対し、グレン・ヒューズの方は結構余裕で歌っている様に見えたことです。

グレン・ヒューズ

 確かにデヴィット・カヴァデールはディープ・パープル加入以前にザ・ガバメントやリバース・インビテーションで活動していました。しかしカリフォルニア・ジャムの様な大規模なライブ(観客数は25万人~30万人と言われている)は経験していなかったのでしょう(それ以前にカリフォルニア・ジャムはとんでもない規模のコンサートだったのですが…)

 いくらデヴィット・カヴァデールがザ・ガバメント在籍時にディープ・パープルのオープニングアクトをしたことがあったと言っても(おそらく第二期ディープ・パープルでのシェフィールド・シティ・ホール公演か?)、カリフォルニア・ジャムとの観客数には雲泥の差があります。

 それを考えれば同じ新加入とは言え、アメリカ南部ではディープ・パープルより人気があったと言われる(グレン・ヒューズ談)トラピーズ出身のグレン・ヒューズが例えカリフォルニア・ジャムと言えども余裕で歌えているのも分かる気がします。

デカ過ぎ…

スモーク・オン・ザ・ウォーターの良さ

 デヴィット・カヴァデールは『スモーク・オン・ザ・ウォーター』を歌う時、頑なに「ゼイ(They) オール カム アウト モントルー」と歌い出します。本来はウィー(We)なのですがデヴィット・カヴァデール本人がモントルーに行った訳ではないので、“ゼイ=彼らは”と歌ってるそうです。

 だから何だよ、と突っ込みたくなるのはタカミックスだけでしょうか?

 そんな第三期ディープ・パープルが歌うスモーク・オン・ザ・ウォーターは曲の1番をデヴィット・カヴァデール、曲の2番をグレン・ヒューズ、3番目はユニゾンで歌っております。

 まぁ、この2番目のグレン・ヒューズが歌うスモーク・オン・ザ・ウォーターを聴いて初めてタカミックスはいい曲だなと思いました。それまでスモーク・オン・ザ・ウォーターが良い曲だと思ったことなかったんですね。罰当たりな発言ばっかりしてますが、実際そう思っていたので仕様が無いです。

 このスモーク・オン・ザ・ウォーターでもグレン・ヒューズの声量に驚いた訳ですね。

カリフォルニア・ジャム出演経緯

 このカリフォルニア・ジャムはABCテレビの主催によるイベントで色々な裏話があります。

 有名なのはディープ・パープルの出演順序変更、更に登場時間を予定より早めようとした責任者に腹を立てたリッチー・ブラックモアがステージ上で大暴れをしたことでしょうか?

 本来は本来はカリフォルニア・ジャムのヘッドライナーいわゆるトリを任されてたディープ・パープルでしたが、出演2ヶ月前になって急遽トリはエマーソン・レイク&パーマーに譲ってくれと言われました。

 コレには出演を取り止めようか? ともなったディープ・パープルでしたが散々擦った揉んだした結果、日没の時間帯ならエマーソン・レイク&パーマーにトリを譲るとのことでカリフォルニア・ジャムへの出演が決定しました。

 ところがカリフォルニア・ジャムが始まると、この手のフェスにしては珍しく凄い速さでフェスが進み、出演順序通りとは言えディープ・パープルは日没時間より1時間も早い出演を迫られました。

 これに怒ったのが、ただでさえ気難しいリッチー・ブラックモアです。俺様は何があっても約束通り日没の時間まではステージに出ないぞ! と言い出しました。

ハゲじゃない!

 商品化されたカリフォルニア・ジャムの映像ではディープ・パープルが登場してすぐに『紫の炎』を演奏した様になっていますが、実際はリッチー・ブラックモアを除く全てのメンバーがステージ上で結構な時間、待ちぼうけを食らっていたのです。

 なので他メンバーが揃っているのにリッチー・ブラックモアだけが登場しない間、ステージMCは「間も無くディープ・パープルの登場です!」と言って場を繋いでいたのだとか。

蛇足

 なおディープ・パープルの前の出演バンドはブラック・サバスでした。珍しく髭の生えていないトニー・アイオミを拝むことができます。

 トニー・アイオミはイメチェンしたのか? と思われそうですが、この時トニー・アイオミはカリフォルニア・ジャムの出演を知らされておらず、トニー・アイオミはトレードマークの髭も剃っており完璧オフの状態だったとか。

 それが突然呼び出されたと思ったらカリフォルニア・ジャムに出演するハメになっていたそうです。なのでトニー・アイオミは普段着に近い衣装でステージ用の衣装じゃなかったそうです。

髭なしトニー・アイオミ

 う〜ん、これはマネジメントも問題だが、カリフォルニア・ジャムってバタバタしてたんだな…

1人だけ普段着だったリッチー・ブラックモア

 日没の時間が迫り、やっとリッチー・ブラックモアも他メンバーが待つステージに登場したのですが、実際はコレも予定より早かったそうです。

 なんでもステージで待ちぼうけを食らっていたメンバーを代表してジョン・ロードがリッチー・ブラックモアをステージに呼ぶも、それを拒否。

一往はバンドの精神的リーダーなんだが…

 そんな中で主催者側であるABCテレビの代表がやって来て三顧の礼でリッチー・ブラックモアにステージ登場をお願いしました。これにリッチー・ブラックモアが応じ、ステージ衣装にも着替えず普段着のままステージへ向かったそうです。

狂気のギタリスト、リッチー・ブラックモア

 まぁ、やっと登場したリッチー・ブラックモアでしたがセットリストの最後、『スペース・トラッキン』での曲後半即興演奏部分に入ると、それまでの登場順序や登場時間でのストレスを爆破させるべく、今まで以上に暴れまくってしまいました。

 曲後半即興演奏部分ではステージ中央に陣取るリッチー・ブラックモアは近付こうとしたグレン・ヒューズを一喝!

 誰も俺様に近づくんじゃねぇ! と、ここからリッチー・ブラックモア狂気の乱舞が始まります。

 このリッチー・ブラックモア大暴れ時にマーシャルアンプの爆破でドラマーであったイアン・ペイスの眼鏡が衝撃で割れてしまいます。更にイアン・ペイスの左耳は爆破の音量でしばらく聞こえなかったそうです。

踏んだり蹴ったりのイアン・ペイス

 マーシャル爆破にアンプ投げ捨てと、あまりに続くリッチー・ブラックモアの大暴れに対し、これ以上は不味いと思ったジョン・ロードが無理やり演奏をエンディングへと持っていきます。

捕まる可能性があったリッチー・ブラックモア

 何が凄いって、一連の大暴れの話をリッチー・ブラックモアが誰にもしていなかったことです(まぁ、してたら間違いなく止められてただろうが…)

 なのでカメラ破壊は元より、マーシャル爆破、アンプ投げ捨てetc.と、あまりの乱行っぷりにリッチー・ブラックモアは演奏後に器物損壊・消防法などで拘束されそうになっていたのです。更に怒り狂ったイベント主催者のABCテレビ側からも訴えられそうになってしまいました。

 しかし肝心のリッチー・ブラックモアはカリフォルニア・ジャム終了後、ソッコーでヘリコ・プターにてアリゾナ州へ逃走!(アメリカは州によって法律が違うのでおいそれと逮捕ができないのだ)

 ディープ・パープル側はカリフォルニア・ジャムの翌日、4月7日にABCテレビ側に謝罪文を送りカメラの修理代金も支払ったことで騒動は沈静化しました。

謝罪文

 なお破壊したカメラの修理費が2225ドル84セント、現在の日本円で約67万円だったそうです。

カメラ修理代金請求書

可哀想なエマーソン・レイク&パーマー

 このリッチー・ブラックモアの大暴れ… と言うかステージ破壊で割りを食ったのがヘッドライナーを務めたエマーソン・レイク&パーマーです。

 ステージ上ではアンプの再セッティングと清掃に時間を取られエマーソン・レイク&パーマーの演奏時間が削られてしまいました。

 う〜ん、気の毒な話ですな…

そんな第三期ディープ・パープルも長くは続かなかった

 アルバムでは分かり辛かったデヴィット・カヴァデールとグレン・ヒューズの声量の違いや、あわや捕まりそうのなっリッチー・ブラックモア。

 そんなカリフォルニア・ジャムの話でした。

 そんなリッチー・ブラックモアの音楽的な思考と違うメンバーが入ったことにより、次作スタジオアルバムである『嵐の使者』にてメンバー間、特にリッチー・ブラックモアの不満が爆発するのです。

一旦おしまい

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