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MIDI打ち込みを自然に聴かせる①:ベロシティを活用してリアルな演奏を再現する

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MIDI打ち込みをしていて、「何か機械的に聴こえる」「演奏がのっぺりしている」と感じたことはないでしょうか? その原因のひとつが ベロシティ です。

ベロシティとは一言で説明するなら音の大きさです。

ベロシティを適切に設定することで、音の表情が豊かになり、生演奏のような自然なニュアンスを加えることができます。

本記事では、DAWソフト全般で使える「ベロシティ調整の基本」から「楽器ごとの活用テクニック」まで詳しく解説します。

ベロシティとは? MIDI打ち込みにおける重要な要素

ベロシティはMIDIデータの「音の強さ」を決める数値で、多くのDAWでは 0〜127 の範囲で設定できます。

実際の楽器演奏では、強く弾けば音が大きく、弱く弾けば音が小さくなる のは当然ですが、MIDI打ち込みではベロシティを調整しない限り、すべての音が均一になりがちです。そのため、打ち込みでリアルな演奏感を出すには、 意図的にベロシティをコントロールすることが必須 になります。

たとえば、以下のような特徴があります

  • ピアノ音源:ベロシティによって音の強さだけでなく、音色が変わる(優しい音、硬い音など)
  • ドラム音源:スネアやハイハットの強弱によってグルーヴ(ノリ)が変わる。
  • ストリングス音源:ベロシティによってボウイングのニュアンスが変化することがある。

つまり、単に「音を大きくする・小さくする」だけでなく、演奏の表情を変えるための重要な要素 なのです。

ベロシティを調整する基本テクニック

MIDI打ち込みの際、ベロシティの設定は単なる音量調整ではなく、演奏のニュアンスやグルーヴ感を生み出す重要な要素です。特にリアルな演奏表現を求める場合、適切なベロシティのコントロールが鍵となります。

同じフレーズでもベロシティの調整次第で印象が大きく変わります。例えば、ジャズのスウィングではアクセントの置き方によってグルーヴが生まれ、ロックやメタルでは強弱のコントロールが演奏の迫力を左右します。また、クラシックや映画音楽のようなオーケストラ編成では、細かいベロシティの変化が楽器ごとのダイナミクスを再現するうえで不可欠です。

以下では、より実践的なベロシティ調整のテクニックを紹介していきます。

すべてのノートを同じベロシティにしない

初めてMIDIを打ち込む際、すべてのノートのベロシティを均一にしてしまうことがよくあります。しかし、これでは不自然になり、単調な演奏になってしまいます。

✅ 改善策

  • メロディやコードの中で「強調したい音」と「流したい音」のバランスを取る。
  • 強弱をつけることでリズムのノリが生まれる。

たとえば、ピアノのアルペジオを打ち込む場合は、1音目を強め(ベロシティ80〜100) → 2音目を弱め(40〜60) → 3音目を中くらい(60〜80)と、こうするだけで単調だったフレーズが自然に聴こえます。

演奏のダイナミクスを意識する

リアルな演奏では、フレーズの流れに応じて音の強弱が変化します。

✅ 改善策

  • クレッシェンド(だんだん強く) → ベロシティを徐々に上げる。
  • デクレッシェンド(だんだん弱く) → ベロシティを徐々に下げる。
  • アクセントを入れる → フレーズの頭や重要な音に強めのベロシティを設定する。

たとえば、ドラムのフィルを打ち込む場合は最初は弱め(ベロシティ40〜60) → 徐々に強く(60〜90) → 最後に最強打(100〜127)とすると、盛り上がりのあるリアルなフィルになります。

DAWの「ランダマイズ機能」を活用する

多くのDAWには「ベロシティのランダマイズ機能」が搭載されています。各DAWソフトで名称は変わりますが、この機能を使うことで、少しずつ異なるベロシティがランダムに設定され、機械的な演奏感を軽減できます。

✅ 改善策

  • 「±10〜20」の範囲でランダマイズすると、自然な揺らぎが生まれる。
  • やりすぎると意図しない音が強調されるため、適度な範囲で調整する。

特にストリングスやパッド系の持続音(サスティン音)に適用すると、微妙な抑揚がついてリアルに聴こえます。

楽器ごとのベロシティ活用法

🎹ピアノの打ち込み

  • 旋律の「歌うような強弱」を意識する。
  • フレーズの終わりの音は少し弱めにすると自然な流れになる。
  • アタック感の違う音色を生かす(高ベロシティで明るく、低ベロシティで柔らかく)。

🥁ドラムの打ち込み

  • ハイハットやスネアのゴーストノート(小さく打つ音)をベロシティ30〜50にする。
  • 強拍(1拍目・3拍目)を少し強めに、弱拍(2拍目・4拍目)を少し弱めに。
  • スネアのロールは 「徐々に強く」 を意識するとリアルになる。

🎸ギターの打ち込み(バッキング)

  • ストロークのダイナミクスをつける(ダウンは強め、アップは弱め)。
  • ピックのニュアンスを再現するために、意図的に強弱をばらつかせる。

ベロシティを意識すると演奏が生きる

MIDI打ち込みにおいて、ベロシティは単なる「音の強弱」ではなく、演奏のリアルさを決める大切な要素です。

✅ MIDI打ち込みのベロシティ調整のポイント

  • すべてのノートを同じベロシティにしない。
  • フレーズのダイナミクスを意識する(強弱の流れをつける)。
  • DAWのランダマイズ機能を活用して、機械的な演奏を回避する。
  • 楽器ごとに適したベロシティ調整を行う。

このテクニックを取り入れることで、MIDI打ち込みでも 「まるで人が演奏しているような表現力」 を加えることができます。

おしまい

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