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ミキサーは必要か?

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DTMにミキサーは必要か?🎚️

DTMを始めるにあたり、揃えるべきか悩む機材の一つがミキサーです。何故ならミキサーの機能はDAWソフトに内臓されているからです。

なのでDTMの初心者セットとかにはハードウェア(機材)としてのミキサーは付いていません。しかし、DTMを使いこなしている人の機材を見ると、多くの人がハードウェアのミキサーも使用しています。

おかしくないでしょうか?

DAWにミキサー機能があるならハードウェアは必要ないだろ!とツッコミたくなりますよね?

果たしてDTMにミキサーは必要なのでしょうか?

今回はそんなミキサーについてです。

ミキサーの役割とは?

ミキサーとは、複数の音声信号を入力し、それらをバランスよく調整(音量や音質の調整など)して出力する装置です。

DAWソフトにもミキサーが内蔵されています

DTMで使用するDAWソフトには、すでにミキサー機能が内蔵されています。このミキサー機能を使えば、新たにミキサーを購入しなくても、音声信号の調整を行うことが可能です。

DAW内のミキサーでは、主に次のような操作が行えます。

  • 各トラックの音量調整
    ボーカルやギター、ドラムなど、録音したパートごとに音量を調整できます。
  • パン(左右の音の配置)の調整
    各トラックがスピーカーのどちら側から出るかを左右に振り分けて設定できます。
  • エフェクトの追加
    各トラックにリバーブ(残響効果)やコンプレッサー(音量を整えるエフェクト)などを個別にかけることもできます。

これらの機能は、ハードウェアミキサーとほぼ同じ役割を果たします。DAW内のミキサーを使いこなせれば、基本的な音量バランスの調整からエフェクトの管理まで、ほとんどの作業をパソコン上で完結させることができます。

DTMでのミキサーは必須ではない

結論から言うと、DTMでハードウェアのミキサーは必須ではありません。
その理由は、DAWソフトにミキサー機能が内蔵されており、ほとんどの音声調整をDAWソフトウェア内で完結できるからです。

ハードウェアミキサーを使わなくても、DAW内のミキサー機能を活用すれば、ボーカルや楽器の音量調整、パンの設定、エフェクトの追加といった基本的なミキシング作業が可能です。これにより、ハードウェアミキサーを新たに購入しなくても、DTM作業に支障はありません。

オーディオインターフェイスの入力端子が1つや2つの場合でも、複数の楽器を同時に録音しなければ、ハードウェアミキサーは必要ありません。
仮に複数の楽器を使う場合でも、ケーブルの差し替えが苦にならなければ、1つのオーディオインターフェイスで複数の録音を行うことが可能です。

では何故ハードウェアミキサーが必要なのか?

DTMでハードウェアのミキサーは必須でないのに、ハードウェアミキサーを使用している人もいるのはなぜでしょうか?その理由を詳しく見ていきましょう。

作業効率を上げるため

ハードウェアミキサーを使う理由の一つは、作業効率を上げるためです。

DTMでは、ミックス作業中に音量バランスの微調整を頻繁に行う必要があります。
ソフトウェアのミキサーでもこれらの操作は可能ですが、マウスやキーボードで1つずつトラックを選び、調整する作業は手間がかかるため、どうしても作業スピードが遅くなってしまいます。

一方、ハードウェアミキサーのフェーダーを使えば、複数のトラックの音量を一度に調整することができます。
例えば、ボーカルの音量を下げつつ、ギターの音量を上げるといった操作を同時に行うことができ、作業がスピーディーになります。

さらに、ハードウェアミキサーは手元で操作できるため、音の変化を耳で確認しながら直感的に調整できます。
これにより、画面を切り替える手間やマウス操作のストレスを減らし、効率よく音楽制作を進めることが可能になります。

複数の外部機器を管理するため

DTMでは、オーディオインターフェイスにシンセサイザー、ギター、ベース、マイク、エフェクターなど、複数の外部機器を接続することがあります。しかし、オーディオインターフェイスの入力端子が足りなくなることも少なくありません。

各楽器を個別で録音するのであれば、ケーブルを差し替えればよいのですが、手間がかかるのは事実です。

なのでハードウェアミキサーを使用することで、複数の外部機器を一括で管理し、作業をスムーズに進めることができます。

自分がハードウェアミキサーを買った理由

以前、自分はYAMAHAのミキサー MG102C を使っていた時期がありました。

その当時、使用していたオーディオインターフェースは TASCAM US-2×2 でした。

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MG102Cの画像

ギター、ベース、そしてターンテーブルを外部入力機器として常に使っていたため、録音時には頻繁にケーブルの抜き差しが必要でした。
しかし、US-2×2 の入力端子は2つしかなかったため、毎回それぞれの楽器を並行して録音していた自分はケーブルの抜き差しの手間を省くために、多少の出費はありましたがミキサーを購入することにしました。

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TASCAM US-2×2の画像

この時の自分のように楽曲の制作スタイルに合わせてハードウェアのミキサーを選択しても良いでしょう。

その他(パソコンの負担)

これは現在のパソコンでは発生しにくくなっていますが、一昔前の処理能力の低いパソコンでは、DAW内でエフェクトやミキサー機能を多用すると、CPUに負荷がかかり、動作が重くなることがありました。

特に、現在のMacに搭載されているAppleシリコン(Mシリーズ)は非常に高性能ですが、昔のMacはインテル製のCPUを使用していたため、複数のトラックを同時に扱うと動作が重くなることもありました。

しかし、ハードウェアミキサーを使い、一部の処理を外部に任せることで、こうしたパソコンの負担を減らし、DAWがスムーズに動作していたのです。

ハードウェアミキサーにも違いがある!アナログとデジタルの違いを解説

DTMでハードウェアミキサーを検討する際、「アナログミキサー」と「デジタルミキサー」という2つのタイプがあります。ここで「どっちを選ぶべきなのか?」「そもそも音質に違いがあるのか?」といった疑問を持つ方は多いはずです。

それではアナログミキサーとデジタルミキサーの違いを解説したいと思います。

アナログミキサーとは?

アナログミキサーは、音声信号を電気信号として処理するタイプのミキサーです。直感的な操作感が特徴で、音作りの「感覚」を大切にする人に好まれる傾向があります。

⭕メリット①:直感的な操作が可能

音量やパン(左右の音の配置)、EQ(イコライザー)を手元のフェーダーやノブで直接操作できるため、リアルタイムの調整がスムーズです。

⭕メリット②:特別なデジタル処理を必要としない

アナログミキサーは、純粋な電気信号の処理を行うため、デジタル変換が不要です。

そのため、オーディオインターフェイスなどの追加機材が不要な場合もあります。

❌ デメリット①:設定を保存できない

アナログミキサーは、音量やEQの設定を記録する機能がありません。
毎回手動で調整し直す必要があるため、設定の再現性が低いです。

❌ デメリット②:パソコンとの連携が面倒

オーディオインターフェイスを別途用意し、アナログ信号をデジタルに変換する必要があります。
パソコンとの直接接続ができず、複雑な配線が必要になります。

❌ デメリット③:ノイズが乗りやすい

アナログ信号はケーブルの長さに比例してノイズが乗りやすく、長いケーブルを使う場合は音質の劣化が起こることがあります。
電源の環境によっても、ハムノイズ(低周波のブーンという音)が発生しやすいです。

デジタルミキサーとは?

デジタルミキサーは、音声信号をデジタルデータとして処理するタイプのミキサーです。
パソコンとの連携がしやすく、設定の保存やエフェクト機能が豊富な点が特徴です。

⭕メリット①:設定を保存できる

音量、EQ、エフェクトの設定をプリセットとして保存し、瞬時に呼び出すことが可能です。
これにより、複数の楽曲のミキシングをした場合でも各楽曲に合わせたプリセットを呼び出せるので作業効率が大幅に向上します。

⭕メリット②:エフェクト機能が豊富

リバーブ、コンプレッサー、ディレイなど、さまざまなエフェクトが内蔵されています。
外部エフェクターを用意する手間が省けるのもメリットです。

⭕メリット③:パソコンとの連携が簡単

USBケーブル1本で接続できるため、オーディオインターフェイスを別途用意する必要がありません。
LAN接続でリモート操作が可能なモデルもあり、リモートワークやライブ現場で便利です。

⭕メリット④:ファームウェアのアップデートが可能

パソコンと接続して最新機能のアップデートが行えるため、機材を長く使えるメリットがあります。

⭕メリット⑤:ノイズの心配がほとんどない

デジタル信号は、ケーブルの長さによる音質劣化がなく、長いケーブルを使ってもノイズが乗りにくいです。
また、電源環境に影響されるハムノイズも発生しにくいため、安定した音質を保てます。

❌ デメリット①:操作が複雑になりがち

液晶画面でのメニュー操作が必要になることが多く、アナログミキサーより操作が難しいです。

❌ デメリット②:高価である

デジタルミキサーの価格は高価なものになります。
理由はデジタルミキサーに搭載されているアナログ信号をデジタル信号に変換させるためのDSPチップ(デジタル信号処理チップ)や、オーディオインターフェイスやエフェクトなども統一させた多機能性などが価格に反映されているからです。

どちらを選ぶべき?ミキサーの選び方ガイド

ミキサーにはアナログミキサーデジタルミキサーの2種類がありますが、最初に選ぶなら安価なアナログミキサーがおすすめです。理由は、アナログミキサーのほうが価格が手頃で、基本的な操作を覚えるのに向いているからです。

デジタルミキサーは便利な機能が多く、設定の保存やエフェクトの内蔵など、作業効率を高める機能が豊富にあります。しかし、これらの機能を支える高性能なDSPチップなどが搭載されているため、製品価格が高価になります。デジタルミキサーは数十万円することもあり、いきなり導入するにはハードルが高いのが現実です。

一方、アナログミキサーはシンプルな設計で、音量調整やパンの設定などの基本的な操作に集中できるため、まずはここから始めるのが良いでしょう。価格も1万円前後から購入できるモデルが多く、最初に購入するには手が届きやすいのもポイントです。

アナログミキサーを使って操作に慣れた後、自分の制作スタイルに合わせてデジタルミキサーを検討すると良いでしょう。複数の楽曲の設定を保存・呼び出したい場合や、内蔵エフェクトを活用して効率化を図りたい場合、デジタルミキサーは強力な武器になります。また、パソコンとの連携が簡単な点も、デジタルミキサーの大きなメリットです。

まずはアナログミキサーで基本を習得し、必要になった段階でデジタルミキサーを導入するのが現実的な選択と言えるでしょう。

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