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ビック・イン・ジャパンとミュージック・ライフ

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 皆さん、ご機嫌よう! タカミックスです。今回はチョット趣向を変えてビック・イン・ジャパンについてです。

 それでは行ってみまShow!

あのバンドもビック・イン・ジャパンだった?

 音楽界におけるビック・イン・ジャパンとは日本でしか売れてない洋楽ミュージシャンのことを指します。

 意外な所だと最近(…でもないな)2018年に映画化された『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリーが在籍していたバンド『クイーン』ですかね?

 今では世界的な名声を得ているクイーンですが、初期のクイーンは本国イギリスで評判の良いバンドではありませんでした。一言で表すならデビュー当時には既に「古臭いバンド」だったのです。クイーンもそれなりにヒットはしていましたが、ヘッドライナーではなくディープ・パープルの前座を務めていたりと、確固たる地位を築いていたバンドではありませんでした。

 そんなクイーンが日本への初来日した時、クイーンが降り立った羽田空港には何と約1,200人ものファンが詰めかけ、空港は押しも押されぬ大パニックになったそうです。これにはイギリスと余りに違うファンの熱狂ぶりにクイーンのメンバーは皆驚いたそうです。

女王様

 このビック・イン・ジャパンが生まれた背景には1970年台、日本で最も売れていた洋楽雑誌『ミュージック・ライフ』が取り上げるか否かに大きく左右されていたと言われます。現在の様にSNS処かインターネットもない時代に海外の音楽情報を簡単に手に入れることができた数少ない洋楽専門雑誌だったのです。

 なので多くの女性編集者が作るミュージック・ライフにてプッシュされたバンドは本国の人気は兎も角、日本ではヒットする現象が起きてしまったのです。そのミュージック・ライフが大体的にプッシュしたバンドの一つがクイーンだったのです。

ミュージック・ライフ

スモール・イン・ジャパン

 このビック・イン・ジャパンから派生してスモール・イン・ジャパンと言う言葉が生まれました。

 スモール・イン・ジャパンとは世界的に有名なミュージシャンなのですが、日本では余り知られていないミュージシャンのことです。

 有名なのは『AC/DC』ですかね? あれだけ世界的に有名なのに、日本では全く人気が出なかった(あくまで一般人にはって話ね)

 AC/DCは音楽業界人からも尊敬されているバンドで、彼らのアルバム『バック・イン・ブラック』なんて世界的売上のNo.2を誇っているんですよ!

 世界的売上No.1のジャイケル・マクソンは日本で音楽に興味のない一般人でも9割近くは知っているでしょう。

違う、そうじゃない

 しかし日本でAC/DCと聞いてみても、電源のことですか? と返されるのがオチです。

 他にスモール・イン・ジャパンと言えば『ザ・フー』とか、超意外な所だと初期の『ジェームス・ブラウン』も入りますね。

ジェームス・ブラウン

ディープ・パープル = トップバンド!?

 さて、そんなクイーンが前座を務めていたディープ・パープルです。

 日本でロックバンドの2大巨頭と言えばディープ・パープルとレッド・ツェッペリンですよね?(今は知らんが…)

 ブラック・サバスに関しては日本で人気が出て来たのが1990年頃からです。オジー・オズボーンの人気はあったのに、彼が所属していたブラック・サバスの人気がなかったと言うのもおかしな話です。

脱線 オジーとサバス

 なお、何故オジー・オズボーンの人気があって、彼が所属していたブラック・サバスの人気がなかったのでしょうか?

 理由は多々あるのでしょうが、まずオジー・オズボーンをプッシュしていた雑誌が『BURRN!』でした。

 そう、BURRN!は別冊ミュージック・ライフとして発売された雑誌です。

まぁ、BURRN!は野郎が編集長ですけどね…

 日本でもブラック・サバスの人気が出始めたのはオジー・オズボーンに代わって、日本では大人気のレインボーを脱退した 北島三郎 ロニー・ジェイムス・ディオがバンドに入ってからです(しつこいですが、あくまで一般的にはの話しです)

 そんなロニー・ジェイムス・ディオが所属していたブラック・サバスを取り上げたのもBURRN!だったのです。

話しを戻して…

 基本的に日本ではロックバンドの二大巨頭と言われていたディープ・パープルとレッド・ツェッペリンですが、実は二大巨頭と言われているのは日本だけだったりします。

イッツ・ア・ビューティフル・ジャパン!

 レッド・ツェッペリンはアメリカを含めて世界的に有名なロックバンドであることは絶対的な事実です。しかしアメリカから見たディープ・パープルは精々『スモーク・オン・ザ・ウォーター』がシングルヒットした程度(ハッシュもあるけど…)のバンドだったりするのです。

 なお、この評価はパープルファミリーに関しても同じです。

 アメリカにおけるハードロック・バンドとしてのネームバリューはレッド・ツェッペリンが絶対的で、次に来るのがブラック・サバスだったりします。なので少し哀しい話ですがロニー・ジェイムス・ディオが亡くなられた時、アメリカでは「レインボーの」ではなく「ブラック・サバスの元ボーカリスト」と報じられたそうです。

日本での人気

 日本でディープ・パープルの人気は凄まじい物がありました。逆に日本ではレッド・ツェッペリンも人気バンドではありしたが、レッド・ツェッペリンの人気は海外と比べると信じられない程人気がなかったのです。

 それを聞くとレッド・ツェッペリンも信じられないくらい日本で人気有っただろ? と言われそうですが、海外ではファンが半狂乱になるほど人気があったのでした。

 そして何故ディープ・パープルの人気が日本では高かったのか? これは単純に音楽性が日本人好みだったんですね。ディープ・パープルは起承転結のハッキリとしたクラシカルな風味を残すバンドであり、後に様式美と呼ばれるバンドフォーマットを作ったことが日本人には受けたのです。

 逆にレッド・ツェッペリンの方は海外と比べると日本での人気が低かった。これ、すんごい批判されるけど、あくまで海外から見ての話ですよ!

 なので日本では突出した人気を誇ったディープ・パープルと、海外から見れば過小評価されていたレッド・ツェッペリンが二大巨頭と言われていたのでした

海外と日本では音楽業界も違うのです…

日本人ベース興味ない説

 さて、少し面白い話しなんですがビッグ・イン・ジャパンには日本人ベース興味ない説が関係してるのでは? と言われることもあります。

 まず世界と比べれば日本で評価されていないバンドを見てみます。

 ・レッド・ツェッペリン
 ・クリーム
 ・BB&A
 ・ザ・フー
 ・ブラック・サバス
 ・アイアン・メイデン

 これを見てハッと気付いた人います? 上記のバンドは全て超一流のベースプレイヤーがいるバンドなんですよ。

 超一流のベースプレイヤーがいるミスター・ビッグですが、ミスター・ビッグはビック・イン・ジャパンなので例外です(※後述)

ベーシスト

 日本で評価されているディープ・パープル及びパープルファミリーなのですが、目ぼしいベースプレイヤーっていないんですよ。

 そりゃ、ディープ・パープル及びパープルファミリーのベーシストだって、プロミュージシャンだから充分過ぎる程上手なんですがね…

 そして不思議なのが、リッチー・ブラックモアって、ベーシストにも拘りそうなギタリストなんですよね。だってリッチー・ブラックモアはティム・ボガードが理想的なベースプレイヤーだと言ってますし。

 それなのに何故かリッチー・ブラックモアが組むベーシストは非常にオーソドックスなタイプばかり。リッチー・ブラックモアにとって能動的なベーシストが理想であっても、自分のプレイに当て嵌めるとオーソドックスなタイプが良いとか思ってるんですかね?

 強いて言うならニック・シンパーって評価されてないだけで、意外と能動的なベーシストな気がするのですが違いますかね?

 この話しは長くなるので止め時ますが、ビッグ・イン・ジャパンにならないためにはベースが主張しなければ良いのかもしれません(笑)

全米チャート1位でもビッグ・イン・ジャパン?

 さてビッグ・イン・ジャパンの中にはミスター・ビッグも入ります。ミスター・ビックは3人のバカテクプレイヤーをバックに、ヴァン・ヘイレン加入も噂されていた実力派シンガーである童顔エリック・マーティンによるバンドです。

 ミスター・ビッグと言えば全米No.1ヒット作である『トゥ・ビー・ウィズ・ユー』など数多くの名曲がありますよね。

トゥ・ビー・ウィズ・ユー

 それでもアメリカと言うのは恐ろしい国で、あまりにも国土が広く売上も桁違いなので、日本で言う処のチャート1位が即売れっ子かと言うとそうでもないのです。アメリカで真の売れっ子となるためには、常時ヒットチャートの上位に食い込む売上がないと難しいのです。

 ミスター・ビッグはソフトロック・バラードであるトゥ・ビー・ウィズ・ユーがヒットしたもんだから、レコード会社からはバラードバンド扱いされ、次のシングルからは『ジャスト・テイク・ユア・ハート』『ワイルド・ワールド』とバラードが続きました。

ワイルド・ワールド(元々はキャット・スティーブンスの曲)

 まぁ、タカミックスはワイルド・ワールドが大好きなんですけど、ロックバンド的にはバンドの代表作がバラードって若干思う処がある様な気がします。

現在は…?

 そんな雑誌の取り上げ方が日本でのミュージックチャートを左右していた時代は終わり、今やSNSやインターネットが発達し、露骨なまでのビッグ・イン・ジャパンはなくなりました。

 もっともメディアの発達も関係なく音楽が売れない時代になってしまいましたが…

 この様に雑誌が取り上げるか否かが売上に大きく影響した時代もあったと言う回顧録でした。

おしまい

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