初心者にこそ説明したい!音楽講座です。
さて、階名の説明の前に何点かと言いましたが、楽譜の左端に記載されてある音部記号のすぐ隣にかいてある数字、『拍子記号』についてです。
目次
小節と拍子記号
「拍子記号」は、音楽がどのように進行するかを理解するために欠かせない要素ですが、まず小節という概念を紹介します。拍子記号を理解するためには、小節という概念を理解する必要があります。
1. 小節とは?
音楽は一定のリズムで進行しますが、そのリズムを理解しやすくするために、楽譜は「小節」という単位で区切られています。小節は、小節線(楽譜上で縦に引かれた線)に区切られた部分を指します。この小節の中に音符が並び、音楽が進んでいくわけです。
縦線の名称
小節は小説線によって区切られていますが、それ以外の線もありますので説明します。
小節線
通常の小節の区分けに用います。
複縦線(ふくじゅうせん)
複縦線は曲の速さが変わったり、曲の拍子が変わった場合などに用いられます。ただし、これらの場合に必ず複縦戦が用いられているかというと、決してそうではなく、あくまで採譜者の気持ち次第といった若干アバウトな面があります。
終止線
曲の終わりを示すときに用います。こちらの終止線も必ず用いられている訳ではなく、採譜者次第といった物となっています。
拍子とは?
拍子(ひょうし)は、音楽のリズムを整理するための仕組みです。拍子があることで、音楽を一定のリズムに合わせて演奏したり、踊ったりすることができます。
拍子にはいろいろな種類がありますが、基本的には「何拍ごとに強い拍が来るか」を決めるもので、これが小節と呼ばれます。
拍子記号の構造
拍子記号は、楽譜に書かれている記号で、音楽のリズムやテンポを示すものです。拍子記号を見ると、その曲がどのようなリズムで進むのかがわかります。
拍子記号は、分数のような形をしています。例えば、4/4や3/4などが代表的です。ちょっと特殊な拍子ですが12/8(八分の十二拍子)を例に取ってみましょう。
上の数字:1小節(しょうせつ)の中にいくつの拍(音符)が入るかを示します。上記の図例では、上の数字が「12」なので、1小節の中に12拍入ることになります。
もっと簡単に言うなら上記図ならば8分音符が12個入ります。
下の数字:1拍がどれくらいの長さかを示します。上記図なら8分音符のことになります。
拍子記号と小節の関係
指揮者を例にとると四分の四拍子であれば、指揮者が指揮棒を4回振れば1小節と言うことです。
このように拍数を理解することで、音楽のリズムをより身近に感じることができます。
『』はアルファベットなの?
さて、一部の方は拍子記号の所にアルファベットの『C』のような『』マークを見たことはないでしょうか?
この記号は『コモン・タイム(英:Common Time)』と呼ばれ、四分の四拍子と同じ意味を表しています。
なるほど!『Common Time』を略して楽譜上にアルファベットの『C』を書き込むんですね?となりそうですが、実は違います。
この『コモン・タイム(英:Common Time)』の記号はアルファベットの『C』ではないのです。
この話は中世後期からルネサンス期にまで遡ります。当時の世相と宗教観から三位一体(父、子、聖霊)の考えが深く浸透しており、「3」が「完全なる数」と考えられていました。なので音楽会でも、3拍子が「完全な拍子」となっていました。
この「完全な拍子」を表すために、円形の記号「◯」が使われていたんですね。
一方、四拍子は「不完全な拍子」と見なされ、そのため、完全な円から一部を欠けさせた形、つまり「C」のような記号が使用されました。なので最初は◯の欠けた記号が四分の四拍子だったのです。
なので、「C」はアルファベットの「C」ではなく、歴史的には不完全な円(四拍子)を象徴する記号だったということになります。
と、話はここで終わらず、更に四分の二拍子を表す場合は丸を半分に切った記号が使われてたんですね。
ならば二拍子を表す記号は半円を書いても良さそうな物ですが、現代では二拍子を表す符合はカット・コモンタイムと呼ばれコモンタイムに縦線を加えた符号となっております。
まとめ
今回の記事では、音楽の基本的な要素である「拍子記号」について説明しました。拍子記号は、楽譜上で音楽のリズムやテンポを示すものであり、小節と密接に関連しています。小節は、音楽を一定のリズムで進行させるために区切られた単位であり、拍子記号を理解することで、音楽のリズムをより身近に感じることができます。
また、拍子記号の中でも「コモン・タイム」と呼ばれる『C』のような記号についても触れました。この記号はアルファベットの『C』ではなく、中世からルネサンス期にかけての歴史的な背景を持つ記号であり、四拍子を示すものです。音楽理論の奥深さを感じる一方で、こうした基本的な知識を理解することで、楽譜を読む楽しさが増していくでしょう。