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調号について
『初心者にこそ説明したい!音楽講座』です。今回は「調号」について解説します。前回までの音程や和音に続き、調合を理解することで、楽曲の中でのキーや音の移動を把握しやすくなります。
それでは始めましょう!
調号とは?
調号(ちょうごう)とは、楽譜の冒頭に記載されるシャープ(♯)やフラット(♭)の記号のことです。この記号は楽曲全体で特定の音を半音上げたり下げたりする指示を示し、その曲の「調」(キー)を決定します。
主に五線譜の最初に記されている変化記号のセットが調号となります。
たとえば、楽譜の左端にシャープが4個書いてあれば、その曲は「ホ長調(Eメジャー)」もしくは「嬰ハ短調(C♯マイナー)」となります。このように、調号は楽曲の音の高さや色合いを決める重要な要素なのです。
調号の種類
調号にはシャープ系調号とフラット系調号の2つの種類があります。
シャープやフラットがいくつあるかで、どの長調や短調に該当するかが決まります。
シャープ系調
シャープの数 | 長調 | 短調 |
---|---|---|
0 | ハ長調(C) | イ短調(Am) |
1 | ト長調(G) | ホ短調(Em) |
2 | ニ長調(D) | ロ短調(Bm) |
3 | イ長調(A) | 嬰ヘ短調(F♯m) |
4 | ホ長調(E) | 嬰ハ短調(C♯m) |
5 | ロ長調(B) | 嬰ト短調(G♯m) |
6 | 嬰ヘ長調(F♯) | 嬰ニ短調(D♯m) |
7 | 嬰ハ長調(C♯) | 嬰イ短調(A♯m) |
フラット系調
フラットの数 | 長調 | 短調 |
---|---|---|
0 | ハ長調(C) | イ短調(Am) |
1 | ヘ長調(F) | ニ短調(Dm) |
2 | 変ロ長調(B♭) | ト短調(Gm) |
3 | 変ホ長調(E♭) | ハ短調(Cm) |
4 | 変イ長調(A♭) | ヘ短調(Fm) |
5 | 変ニ長調(D♭) | 変ロ短調(B♭m) |
6 | 変ト長調(G♭) | 変ホ短調(E♭m) |
7 | 変ハ長調(C♭) | 変イ短調(A♭m) |
調号の見分け方
調号を見分けるためには、楽譜の冒頭に並んだシャープやフラットの数を確認し、それに対応する長調と短調を覚えていくことが必要です。初めは覚えにくいかもしれませんが、繰り返し楽譜を読むことで自然と身についていきます。
また、シャープ系の調号は最後に書かれたシャープの1音上が調の名前、フラット系の調号は最後に書かれたフラットの2音下が調の名前になるという覚え方も便利です。
とは言え、そこまで変化記号の位置と対応させて調が覚えられるなら、丸暗記しても労力は変わらないような気がしないこともありませんが…
サークル・オブ・フィフス(五度圏)
調号の理解をより深めるために、「サークル・オブ・フィフス(Circle of Fifths)」を紹介します。
サークル・オブ・フィフスとは?
サークル・オブ・フィフスとは、音楽の調を五度ずつ上がっていく順番に円形に並べた図です。この円を使うことで、調の関係性やシャープ・フラットが増えていく順番を視覚的に理解できます。
- 時計回りに進むとシャープが1つずつ増えます。
- 反時計回りに進むとフラットが1つずつ増えます。
サークル・オブ・フィフスを使うと、調同士の関係が簡単に見えるようになります。
サークル・オブ・フィフスの活用方法
パッと見は難しそうなサークル・オブ・フィフスの図ですが、コレが覚えると非常に役立ちます。
サークル・オブ・フィフスは、調(長調か短調か)や調号を覚えるだけでなく、楽曲分析やコード進行の理解にも役立ちます。
例えば、楽曲の中でよく使われるコード進行は、サークル・オブ・フィフスを参考にすると調の中でどのコードが関係しているかが分かりやすくなります。
まとめ
今回は「調号」について解説しました。調号は楽譜の最初に書かれているシャープやフラットの記号で、その曲で使われる音を示す重要な要素です。調号を見れば、その曲がどのキー(調)で演奏されるかが分かります。調号を理解することで、曲の雰囲気やメロディーの動きがより分かりやすくなります。
では、次回もお楽しみに!