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スピーカーの基礎知識④:背面の音を遮るバッフルの役割|2024年過去問解説 ステップⅡ-21

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コーンスピーカーの基本を学ぶと、前面と背面で逆の変化が起きること、そして背面の音が前面へ回り込むと打ち消し合いやすいことが見えてきます。ですが、そこで終わってしまうと、「では実際に何でそれを防いでいるのか」が曖昧なままになりやすいところです。

今回の論点は、前後の音が打ち消し合わないようにするために、どんな構造が必要になるのか、という点です。前回までの内容を踏まえて読むと、単なる用語暗記ではなく、スピーカーの形に意味があることが見えてきます。

ここを押さえると、箱に入ったスピーカーがなぜあの形をしているのかも自然につながってきます。
それでは、まず問題を解いてみましょう。

過去問|2024年ステップⅡ 第21問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2024年 ステップⅡ 第21問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
このテーマは定番なので、考え方ごと押さえておくと応用が利きます。

問Ⅱ-21:コーンスピーカーでは、背面から出る音が前面へ回り込むと、前後の音圧が打ち消し合って音の放射効率が低下する。そこで、背面の音を前面へ回り込ませにくくする役目を持つものが(21)である。(21)に入る適切な語句を答えなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

背面の音を前面へ回り込みにくくするもの=エンクロージャー
※前後の打ち消し合いを抑える箱

本回の学習ゴール

・エンクロージャーの役割を一言で説明できる
・なぜ背面音の回り込みが問題になるのか説明できる
・ウーファー、ホーン、コーンとエンクロージャーを区別できる

対話講義(Q&A)|エンクロージャーは何のためにあるのか

タカミックス
前の問題で、前面の音を弱めてしまうのは、前面へ回り込んできた背面の音だ、という話がありましたよね。今回は、その続きで「じゃあ何でそれを防ぐのか」という話なんですか?

サウンド先生
その通り。前回は、どちらの音が前面側で問題を起こすのかを整理した。今回はその次の段階で、背面の音を前面へ回り込みにくくする役目を持つものは何か、を問っているんだ。

タカミックス
ということは、前回の答えにつながる実物の構造が、今回の答えなんですね。

サウンド先生
そうだよ。コーンスピーカーでは、前面と背面で逆の音圧変化が起きる。だから背面音が前へ回り込むと、前面音と打ち消し合いやすい。そこで、その回り込みを起こりにくくするために使われるのがエンクロージャーなんだ。

タカミックス
エンクロージャーって、要するにスピーカーの箱のことですよね?

サウンド先生
基本的にはその理解で大丈夫。スピーカーユニットを取り付けて、前面側と背面側を分ける箱だね。見た目の外装というだけじゃなく、背面の音が簡単に前へ回り込まないようにする役割を持っている。

タカミックス
前の問題で出てきた「不要な背面の音を前面へ回り込みにくくする」という話が、ここでエンクロージャーにつながるわけですね。

サウンド先生
まさにそこが今回の論点だよ。前面音を活かすには、背面音をそのまま前面へ回り込ませない工夫が必要になる。その役目を持つ代表的なものがエンクロージャーなんだ。

タカミックス
じゃあ、ウーファーとかコーンは音を出す側の名前で、エンクロージャーはそれを支える構造の名前なんですね。

サウンド先生
その整理でいいよ。ウーファーやコーンはユニットやその一部の話で、エンクロージャーは前後の音を分けて放射効率を保つための箱の話なんだ。

タカミックス
なるほど。前回は「邪魔になるのは背面の音」、今回は「それを回り込みにくくするのがエンクロージャー」とつながるんですね。

サウンド先生
その通り。つまりこう考えれば答えにたどり着ける。前面音と背面音の打ち消し合いを抑えるには、背面音を前へ回り込みにくくする必要がある。そしてその役目を持つのがエンクロージャーだよ。

詳しい解説|なぜその答えになるのか

まず結論から言うと、正解はエンクロージャーです。

最短で判断するなら、次の流れです。

  1. コーンスピーカーでは前面音と背面音が生じる
  2. 前後では音圧変化の向きが逆になる
  3. 背面音が前面へ回り込むと、前面音と打ち消し合いやすい
  4. その回り込みを起こりにくくする構造が必要になる
  5. その役目を持つのがエンクロージャーである

今回の問題は、前回の内容をそのまま一歩進めたものです。
前回は、「前面の音を弱める原因になるのは背面の音である」と整理しました。今回は、その背面音の回り込みを抑える役目を持つものを問っています。したがって、前回の答えから自然につながるのがエンクロージャーです。

エンクロージャーは、簡単に言えばスピーカーを収める箱です。
ただし、単なる外装ではありません。コーンスピーカーでは、振動板が動くと前面と背面で逆の音圧変化が生じます。そのため、背面音が前面へ簡単に回り込むと、前面音と干渉して放射効率が下がります。そこで、前面側と背面側を分け、背面音がそのまま前へ回り込みにくくする役目を担うのがエンクロージャーです。

ここでいう放射効率の低下とは、振動板がせっかく動いても、そのエネルギーが有効な音として外に出にくくなることです。特に低音では回り込みの影響が大きいため、エンクロージャーの存在は重要になります。

学習済みの内容を踏まえると、前々回では前後の音圧の位相が逆になることを整理し、前回では前面側で問題になるのは背面音だと整理しました。今回は、その流れの到達点として、背面音の回り込みを抑える具体的な構造がエンクロージャーであると理解する回です。ここまでつながれば、単発の暗記ではなく、因果関係として覚えられます。

中級者向けに補足すると、エンクロージャーは単に「回り込みを止める箱」というだけでなく、低域の出方や共振のコントロールにも深く関わります。ただし今回まず押さえるべき中心は、背面音を前面へ回り込みにくくする役目です。

他の選択肢が誤りな理由

  • ウーファー
    ウーファーは低音を再生するためのスピーカーユニットです。背面音の回り込みを抑える箱や構造そのものではありません。
  • ホーン
    ホーンは音を効率よく放射したり、指向性を整えたりするための構造です。今回問われている「背面音を前面へ回り込みにくくする役目」とは別の論点です。
  • コーン
    コーンは振動板の形状やその部分を指す語です。前後の音を分ける箱の役目は持っていません。

実務・DTMへの応用

この知識を押さえると、スピーカーの箱を単なる外装として見なくなります。
見た目ではただの箱に見えても、実際には前面音を有効に放射し、背面音の回り込みによる打ち消し合いを抑えるという大事な役目があります。

モニタースピーカーや家庭用スピーカーを見たときも、「なぜユニットをむき出しにせず箱に収めているのか」が理解しやすくなります。低域の出方や鳴り方が製品ごとに違う理由も、ユニットだけでなく箱の設計が関わっていると分かるようになります。

また、前回の「不要な背面の音を前面へ回り込みにくくする必要がある」という論点を受けて、今回のエンクロージャーを理解すると、学習の流れとして非常にきれいです。つまり、何を防ぐのかを前回で学び、何で防ぐのかを今回で学ぶ形になっています。

結論の整理

2024年 ステップⅡ 第21問の正解
エンクロージャー

一言まとめ
背面音が前面へ回り込んで打ち消し合わないようにする箱がエンクロージャー

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