コーンスピーカーの問題では、「前面と背面で逆の変化が起きる」という基礎を押さえたあと、その音をどう扱うかが重要になります。ここが曖昧だと、前後どちらの音を抑える話なのかが分からなくなりやすいところです。
今回の論点は、前面と背面の音が打ち消し合わないようにするには、どちら側の音を回り込みにくくするべきか、という点です。一見すると単純ですが、前問までの流れを踏まえて整理しないと、言葉だけで迷いやすいテーマでもあります。
ここを理解すると、スピーカーの箱やバッフルがなぜ必要なのかも、よりはっきり見えてきます。
それでは、まず問題を解いてみましょう。
目次
過去問|2024年ステップⅡ 第20問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2024年 ステップⅡ 第20問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
このテーマは定番なので、考え方ごと押さえておくと応用が利きます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
前面側へ回り込ませにくくする不要な音=背面の音
※前面音と打ち消し合う
対話講義(Q&A)|なぜ背面の音を回り込ませにくくするのか
タカミックス
前の問題で、裸のコーンスピーカーユニットでは低音が打ち消し合いやすい、という話がありましたよね。今回はその続きで、どの音を回り込ませにくくするか、という話なんですか?
サウンド先生
その通り。今回は、前面と背面の音が打ち消し合わないようにするには、どちらの音を前面側へ回り込ませないようにするべきか、という整理だね。
タカミックス
前面で音を聴かせたいなら、前面の音をうまく出せばいい気もするんですが、それだけではだめなんですか?
サウンド先生
前面音を出すこと自体はもちろん大事だよ。でもコーンスピーカーでは、コーン紙が動くと前面と背面で逆の変化が起きる。だから背面の音が前面側へ回り込んでくると、前面音とぶつかって打ち消し合いやすくなるんだ。
タカミックス
なるほど。前面側で問題を起こすのは、前面の音そのものではなく、後ろから回ってくる音なんですね。
サウンド先生
そういうこと。前面音を聴かせたいなら、邪魔になるのは背面の音なんだ。だからスピーカーでは、その背面音を前面へ回り込みにくくする工夫が必要になるわけだ。
タカミックス
なるほど…すると今回の正解は「背面の」ですね。
サウンド先生
その通り。つまりこう考えれば答えにたどり着ける。前面で聴かせたい音を守るには、打ち消し合いの原因になる背面の音を前面側へ回り込みにくくする必要があるんだ。
詳しい解説|なぜその答えになるのか
まず結論から言うと、正解は背面のです。
最短で判断するなら、次の流れです。
- コーンスピーカーでは前面と背面の両方に音の変化が生じる
- 前面と背面では音圧変化の向きが逆になる
- 背面の音が前面側へ回り込むと、前面の音と打ち消し合いやすくなる
- したがって、前面側へ回り込ませにくくするべきなのは背面の音である
今回のポイントは、前面側で邪魔になるのはどちらの音かを整理することです。
前面で本来聴かせたいのは前面の音です。ところが、背面の音が回り込んで前面側へ来ると、前面の音と逆の関係にあるため、互いに打ち消し合いやすくなります。
つまり、問題文の「不要な音」とは、単に要らない雑音のことではありません。
ここで不要とされているのは、前面側に回り込んで前面の音を弱めてしまう背面の音です。だから答えは「背面の」になります。
学習済みの内容を踏まえると、前の論点では、裸のコーンスピーカーユニットで低音が打ち消し合いやすいことを見ました。今回はその続きとして、その打ち消し合いの原因になりやすいのはどちら側の音かを問われています。前面で問題を起こすのは前面の音ではなく、回り込んできた背面の音です。
ここで押さえたいのは、前面と背面の音を同じように扱わないことです。
前面の音は外へ有効に放射したい音であり、背面の音は前面側へ簡単に回り込むと打ち消し合いの原因になりやすい音です。したがって、前面の音を活かすには、背面の音を前面側へ回り込みにくくする必要があります。
中級者向けに補足すると、この問題は低音の回り込みやすさともつながっています。波長が長い音ほど前後の音が干渉しやすいため、前面と背面の音をどう分けるかは、低域再生の理解でも重要な視点になります。
他の選択肢が誤りな理由
- 強い
問題は音の強弱を問っているのではなく、どちら側の音を前面へ回り込みにくくするかを問っています。「強い」は論点がずれています。
- 弱い
これも音量の大小の話になってしまっています。今回必要なのは、前面音と打ち消し合う原因になる音の出どころを特定することです。
- 前面の
前面で聴かせたいのは前面の音です。これを回り込みにくくする必要はありません。前面側で問題を起こすのは、背面から回ってくる音です。
実務・DTMへの応用
この知識は、スピーカーの箱や構造を理解するうえでかなり重要です。
初心者だと、スピーカーの箱は見た目や保護のためにあるように感じるかもしれません。しかし実際には、背面音を簡単に前へ回り込ませず、前面音を有効に放射するための役割が大きいです。
制作やモニター環境を考えるときも、低域の出方が単にユニットの性能だけで決まるわけではないことが分かります。ユニット単体ではなく、箱や構造まで含めて低域再生が成り立っていると理解していると、スピーカーの仕様や設計思想も読みやすくなります。
また、前問の「低音が打ち消し合いやすい」という知識と今回の「その原因になるのは背面音である」という知識はセットです。このつながりで理解しておくと、単発の暗記で終わらず、スピーカーの基本動作を因果関係で捉えられるようになります。
結論の整理
2024年 ステップⅡ 第20問の正解
背面の
一言まとめ
前面音を打ち消しにくくするには、前面側へ回り込む背面の音を抑える必要がある
