0dB=1Vを基準に、電圧が1/4になったら何dB下がる?
今回は「20×log₁₀(比)」を使って、電圧比からdBを求める基本を押さえます。
現場でもよく出る「−6dB」「−12dB」「−20dB」の感覚をここで身につけましょう。
それでは早速問題へレッツ・ゴー!
2025年問題ステップⅠ問題24
今回の問題はサウンドレコーディング技術認定試験の【2025年 ステップⅠ 第24問】をアレンジして出題しております。この試験では定番テーマの再出題が多く、過去問学習が最短ルートとなっております。
対話講義(Q&A)|電圧の比をdBで表す
タカミックス
先生、dB(デシベル)って「音の大きさの比を対数で表した単位」ですよね。そのdBを計算するって、どんなときに出てくるんですか?

サウンド先生
いい質問だね。
dB計算とは“基準となる電圧や信号レベルに対して、どれくらい小さい(または大きい)かを数値で示したいとき”に必要になるんだ。
たとえば「0dB=1V」を基準にした場合、
機材の出力が0.25Vしかないとき、どれだけレベルが下がっているのかを知る必要がある。
これをそのまま「1Vの1/4です」と言っても感覚的にピンとこないよね。
そこで登場するのがdB計算だ。
タカミックス
なるほど、比率じゃなくて“レベル差”をdBで表すわけですね。
じゃあ、1Vを基準に0.25Vは何dBになるんですか?
サウンド先生
では実際に計算してみよう。電圧の比をdBで表す式は
dB = 20 × log₁₀(V₂ / V₁)。
今回は基準が V₁=1V、比べる電圧が V₂=0.25V だから──
20 × log₁₀(0.25)
タカミックス
先生、サクッと説明しすぎです!まず20はどこから来たんですか?
サウンド先生
すまんすまん!
もともとデシベルは電力比を表す単位で、10×log₁₀で表します。ここで、同じインピーダンス条件では電力は“電圧を二乗した量”に相当します。対数には「二乗は前に“2倍”として出てくる」という性質があるので、電力の比を“電圧比”で言い換えると、係数の10にこの“2倍”が掛かります。
だから電圧比で書くと 20×log₁₀ になる、というわけです。
タカミックス
は?
サウンド先生
理解できなかったら、ここは素直に電圧比:20×log₁₀と覚えよう!
タカミックス
先生、今度はlogが分かりません!
サウンド先生
logとは「基準の数を、何回かけたら、この数になる?」と言う意味だ。
log₁₀ ならば「10を何乗にしたらその数になるか」を返す関数だよ。
たとえば log₁₀(100)=2
これは左辺にあるlogの右下に書いてある小さな数字₁₀を、右辺の数字が2だから2乗すると()の中の100になる。
次にlog₁₀(0.1)=−1。
log₁₀は同じだが、右辺が−1と0より小さい数だよね。と言うことは左辺の数字₁₀に右辺の数字で−1乗するんだ。そうなると()の中の数字はマイナスになるんだ。
左辺の10(底)を右辺の2(指数)乗すると、括弧の中の100 (真数)になるわけだよ。
タカミックス
ということは、log₁₀(0.25) もマイナスになるんですね?
サウンド先生
その通り。log₁₀(0.25) は約−0.602。
よって
20×(−0.602)≈-12.04 dB
実務では−12dB で十分だ。
タカミックス
なるほど、0.25Vは0dB=1Vより12dB低いってことか。
サウンド先生
そう。覚え方のショートカットも押さえておこう。
- 1/2 → −6dB
- 1/4 → −12dB(今回)
- 1/8→ −18dB
- 1/10 → −20dB
dBは「比」を対数で表すから、足し引きの感覚でレベル差を扱えるのが強みだよ。
サウンド先生
少し難しくなってきたかな?タカミックス君。
タカミックス
そうですね。
なんで音楽の勉強してるのに物理学やらなきゃならんだ!と混乱してますが楽しいです。
サウンド先生
logやdBは私たちが音の大きさ(音量)や音の高さ(音程)を扱うときの感覚にピタリと合わせるために欠かせない計算なんだよ。
まとめ
過去問出題年
検証中(今後追記予定)
