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分圧回路とオームの法則①|【過去問解説】2025年度 サウンドレコーディング技術認定試験 ステップⅠ問題17

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“抵抗を直列につないで電圧を分け合う──これが“分圧回路”の基本です。 たとえば、2つの抵抗が同じ値だったら、電圧はどう分かれるでしょうか?”

いきなり音楽と関係なさそうな電気の問題ですよね? 実はこの問題はボリュームつまみで音量を下げる仕組みに関係してるんです。

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2025年問題ステップⅠ問題17

本回のQMSはサウンドレコーディング技術認定試験の【2025年 ステップⅠ 第17問】をアレンジして出題しております。この試験では定番テーマの再出題が多く、過去問学習が最短ルートとなっております。

問17:抵抗 Rs、Re を用いた分圧回路で、Rs=5kΩ、Re=5kΩ、入力電圧が10Vのとき、Reの両端の電圧は(17)となる。(17)に入る語をこたえよ。

解説

この問題を解くために必要なのは、電気回路の「分圧の法則(Voltage Divider Rule)」です。
つまり、「直列接続された抵抗に電圧を分け合う原理」を理解していることが前提になります。
今回は上下の抵抗が同じ値(5kΩと5kΩ)なので、入力10Vはちょうど半分に分かれます。

したがってReの両端は 5V の電圧となります。

対話講義(Q&A)|分圧回路とオームの法則

サウンド先生
本日の講義は電気回路の分圧の法則(Voltage Divider Rule)についてだ。

タカミックス
先生、なんですか「電気回路」や「分圧の法則」とかって?俺は電気屋じゃなくてミュージシャンすよ!

サウンド先生
難しく考えなくていいよ。

まず直列抵抗回路における電圧分担は、回路全体を一つの二端子網として捉え、外部電源の印加により誘起される定常電流を基盤に各素子へ配分される電位差として記述できる。これはキルヒホッフの法則の帰結であり、各抵抗要素はその固有値に比例する電圧降下を必然的に担う。結果として、観測される両端電圧は入力電圧と抵抗比の関数として確定する。より一般には、交流領域に拡張すれば抵抗を含む線形素子のインピーダンスへ置換しても同様の分圧関係が適用され、回路理論全体に通底する普遍性を示すものである。かくして対象抵抗両端の電位差は自明に規定され電圧が求められる訳だ!

タカミックス
……先生、それのどこが難しくないんですか?

サウンド先生
ははは、冗談だよ!実際は「水道の蛇口を分けて水を流す」って考えればOKなんだ。

タカミックス
水道ですか?

サウンド先生
そうだ、“水道のイメージ”で掴むのが早い。まずは水圧と絞りで考えてみよう。なお、あくまでイメージだから最終的な値は式で確かめるからね。

たとえば、水源の圧力差が10Vあるとしよう。これは電気で言えば“電源が10V”という意味だ。
この水が、上のバルブと下のバルブを通って流れていく。バルブの絞り具合が“抵抗”にあたる。上下のバルブが同じ絞り(同じ抵抗値)なら、途中の中間点で水圧はちょうど半分=5Vになる。

これは分かりやすく水道を例に取ったけれども、直列抵抗の一部にかかる電圧を求めたいときは、電気回路の分圧の法則を使うんだ。

タカミックス
電気回路の分圧の法則

サウンド先生
まず今回の問題を解く式と答えだ。

そしてこれが“抵抗 Rs、Re を用いた分圧回路で、Rs=5kΩ、Re=5kΩ、入力電圧が10Vのとき”の図となる。

タカミックス
図中の単語がわかりません!

サウンド先生
よし、説明しよう。

  • Vin:入力電圧(GND基準の10V)
  • Vout:中間ノードの電位(今回は5V)
  • Rs:上側の抵抗(5kΩ)
  • Re:下側の抵抗(5kΩ)
  • I:回路電流
  • ΔV(Rs):Rsの両端電圧(10V−5V=5V)
  • ΔV(Re):Reの両端電圧(5V−0V=5V)
  • GND:基準ノード(0V)
  • 上端ノード:10Vの点
  • 中間ノード:Voutの点(5V)
  • 下端ノード:0Vの点(GND)

タカミックス
余計に分かりません!

オームの法則は必要か?

サウンド先生
ここで、もう一歩だけ踏み込もう。
タカミックス君、さっきの分圧の法則——実はオームの法則から導かれているって知ってたかい?

タカミックス
「余計にわかりません!」という俺の発言は無視ですか?

サウンド先生
オームの法則とはV=IRのことだ。

  • V:電圧(Voltage の頭文字)/単位 V(volt)
  • I:電流(Intensity of current の頭文字 I)/単位 A(ampere)
  • R:抵抗(Resistance の頭文字 R)/単位 Ω(ohm)

タカミックス
(結局無視かよ…)え〜と、そのオームの法則を使わなくても問題は解けたのに?

サウンド先生
そう、まさにそれだ。
「分圧の法則」は便利な形にまとめられた“オームの法則の応用形”なんだ。

ちょっと数式で確かめてみようか。

総抵抗 Rs+Re = 10kΩ
電 流 I = V/R = 10V/10kΩ = 1mA

Reの電圧
V = I × Re = 1mA × 5kΩ = 5V

このようにオームの法則からでも同じように5Vが求められる。

タカミックス
じゃあ、「分圧の法則」って、オームの法則を短くしただけなんですか?

サウンド先生
う〜ん、“短くした”というより“整理して見やすくした形”と言った方が正確だね。
オームの法則(V=IR)を回路全体と部分にそれぞれ当てはめて比を取ると、

Re にかかる電圧 ÷ 全体の電圧 = Re ÷ (Rs+Re)

この関係が成り立つ。
つまり、電圧の分かれ方は抵抗の比そのものになる
この比を式としてまとめたのが「分圧の法則」なんだ。

タカミックス
ただの略式じゃなくて、オームの法則を整理して“分け合い方”を見える化した公式なんですね!

サウンド先生
そういうこと!
分圧の法則は「オームの法則+直列回路の性質」を合わせて整理した公式なんだ。
だから今回のように抵抗値が決まっていれば、分圧の法則だけで十分
でも原理を理解しておくと、回路が複雑になっても応用が利くんだ。

タカミックス
なるほど……!
分圧の法則は“便利な近道”!そしてオームの法則がその“道の設計図”ってわけですね!

サウンド先生
うまいこと言うねタカミックス君。
まさにその通りさ!

公式を覚えるのは難しい?

タカミックス
先生……こうやって聞くと、公式を覚えるのって結構大変ですね。
頭の中で式がぐるぐるします。

サウンド先生
うん、それでいいんだよ。
最初から完璧に覚えようとしなくていい。
実際、誰だって最初は分圧の式を丸暗記できないんだ。

タカミックス
え、先生でもですか?

サウンド先生
もちろん!
でも大事なのは「公式そのもの」よりも——“全体の流れ”をぼんやり掴むことなんだ。

たとえば、「抵抗が並ぶと電圧が分かれる」「比で決まる」——このイメージさえ残れば、それで十分。
細かい式はあとから自然に整理できるからね。

タカミックス
最初から完璧に覚えようとするより、“なんとなくの全体像”をつかむのが大事ってことですね。

サウンド先生
その通り。
学びの入口で一番大切なのは「ぼんやりでも理解できた感覚」だ。
それが次の知識を引き寄せてくれるんだよ。

まとめ

  • 分圧の法則(Voltage Divider Rule)とは、直列に接続された抵抗同士が電圧を「抵抗値の比」で分け合う関係を表したもの。
  • この法則は、オームの法則(V=I×R)と直列回路の性質(電流一定)から導かれている。
  • 抵抗が同じ値であれば、電圧も等しく分かれる。
    例:Rs=5kΩ、Re=5kΩ、Vin=10V → Vout=5V
  • 分圧の法則を使えば、オームの法則を何度も使わずに一瞬で結果を求められる。
    一方で、「なぜそうなるのか」という仕組みを理解するには、オームの法則の考え方が欠かせない。
  • ただし最初は公式を完璧に暗記する必要はない。
    大切なのは「電圧は比で決まる」「抵抗が大きいほど電圧が多くかかる」という全体像をぼんやりつかむこと

🔖 ひとことメモ
理解の第一歩は、「完全にわかる」ことではなく、
“なんとなく見えてきた”感覚を残すこと。
その感覚が、次の理解を引き寄せる土台になる。

過去問出題年

検証中(今後追記予定)

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