今回の新カテゴリ立ち上げに関し、「サウンドレコーディング技術認定試験」の2025年度版のテストを解いてみました。
今回はあえて完全ノー勉強で、「今の自分の実力はどこにあるのか?」を試してみることにしました。
目次
試験概要と設定
- 使用問題:JAPRS認定試験公式サイトに掲載されている、2025年度の全100問
- 時間設定:90分(実際の試験時間と同じ)
- 実施状況:資料等を一切見ずにガチで解答
- 実際にかかった時間:約30分
過去問
この過去問は一般社団法人日本音楽スタジオ協会HPにあるJAPRS認定試験内の『2025年7月6日実施 試験問題』となります。
ランク別スコア評価一覧(1000点満点)
| ランク | 得点範囲 |
| A | 1000~901点 |
| B | 900~701点 |
| C | 700~451点 |
| D | 450~201点 |
| E | 200点以下 |
試験の構成(4ステップ)
試験は以下の4つの分野(ステップ)に分かれています。
- 音響理論
- 電気音響およびスタジオシステム
- レコーディング技術と先進技術
- 音楽・音楽著作権・録音の流れ・録音史
それぞれ25問ずつ、合計100問。
1問10点で1000点満点です。
結果:380点(Dランク)
意気揚々と試験に取り組むも、試験結果は38問正解 × 10点 での合計380点!
これはスコア判定でいうとDランク(450~201点)に相当します。
| ステップ | 感触 | 備考 |
| Ⅰ:音響理論 | なんとか半分程度の正解 | 音の三要素など、ある程度は分かる問題があった |
| Ⅱ:電気音響およびスタジオシステム | ほぼ全滅に近い | この範囲は完全に技術屋思考の問題であった |
| Ⅲ:レコーディング技術と先進技術 | かろうじて分かる問題もあった程度 | DAWや録音現場の実感だけでは太刀打ちできず |
| Ⅳ:音楽・音楽著作権・録音の流れ・録音史 | こちらも半分程度は正解 | 業界の流れや著作権知識が多少あった |
過去問回答
この過去問回答は一般社団法人日本音楽スタジオ協会HPにあるJAPRS認定試験内の『2025年7月6日実施 試験問題解答』となります。
正直な感想
本音を言うと、ここまで解けないとは思っていなかった!
あらためて感じましたが、この試験は「プレイヤー向け」じゃない!完全に“技術屋視点”だということ。
つまり、レコーディング現場の裏方(エンジニア)としての知識・理論が問われます。
具体的に…以前に用語がさっぱり分からない!完全に別ジャンルの戦いでした。
このブログで取り扱っていた音楽理論関係の問題に関してだけは、かろうじて答えられた“かな”?程度でした。
恥ずかしい?もちろんちょっとだけ。
でも、それ以上に「やってよかった」という実感が強いです。
なぜなら、今の自分が何を理解していて、何を理解していないかが明確になったからです。
ではタカミックスの2025年度版テストの解答内容について振り返ってみましょう。
ステップⅠ🎧 25問中12問正解──ある程度の基礎知識は活かせた程度
25問中12問正解という結果は、全くの無勉強で臨んだことを考えれば、これは「現時点の立ち位置」がはっきり見えたという意味で、非常に価値のある点数だったと思っている。
分野別に振り返る
- 音の三要素系(4問中3問正解)
→ 感想:基礎的な部分は理解できていた。 - 周波数系(3問中2問正解)
→ 感想:概念は理解できていた。 - dB系(1問中1問正解)
→ 感想:ここは問題なく正答できた。 - 聴覚・音響心理学系(4問中2問正解)
→ 感想:理論的な説明が曖昧で、知識を整理しきれていなかった。 - 波動の基本系(4問中2問正解)
→ 感想:式と概念が混乱していた。 - 分圧回路系(4問中1問正解)
→ 感想:電気回路の知識がないに近かった。 - 電気回路系(5問中1問正解)
→ 感想:暗記不足と理解不足が顕著。
🔍 今後に向けた所感
ステップⅠの「音楽理論」分野に挑戦し、25問中12問正解という結果でした。
正解できたのは「音の三要素」や「周波数の関係」といった、音そのものの基本に直結する問題でした。ここはDTMや演奏経験の中で繰り返し触れてきた部分でもあり、日常的な実感とリンクして理解できていたのだと思います。
一方で、不正解だったのは「分圧回路」や「電気回路」といった電気理論寄りの問題です。実際の制作現場では“機材を使う”側に回ることが多く、その内部構造や原理を数値で扱うことは少ないため、知識が曖昧なまま露呈しました。ここを克服しない限り、試験合格はもちろん、DTMでの基礎理解も中途半端なままになってしまいます。
今回の結果は、ただの点数ではなく“弱点マップ”です。暗記不足なのか、根本的な理解が浅いのかを見極め、分野ごとに補強していく必要があります。
次はステップⅡ──実務寄りの問題に撃沈
用語がさっぱり分かりませんでした。いかにも現場経験者向けといった問題が多く、結果は 25問中5問正解で正答率20%であった。
とにかく、見たことも聞いたこともない語句が並ぶ問題に、ただ呆然とするばかりでした。
分野別に振り返る
- 音場・残響系(3問中0問正解)
→ 感想:基礎的な理論や残響の扱いについて理解不足。建築音響や吸音処理の具体例を暗記強化する必要あり。 - 機器・信号経路系(6問中2問正解)
→ 感想:コネクターや配線は理解できている部分もあるが、オーディオ工学的な理論(インピーダンスや信号経路の仕組み)は曖昧。実務経験と理論を結びつける学習が必要。 - マイクロフォン・収音技術(3問中1問正解)
→ 感想:基本的な指向性は理解できているが、細かい分類や特性を問う問題に弱い。用語とグラフ(指向性パターン)の暗記を強化すると良い。 - 音響機器(4問中1問正解)
→ 感想:リバーブのパラメータや用途の知識は部分的に理解しているが、実務的知識と理論的な言葉の対応が不十分。 - 録音再生機器・電気回路系(9問中1問正解)
→ 感想:この分野が最大の弱点。アナログ録音機器やBTL接続の理解不足、加えてテープレベル規格や抵抗カラーコードといった基礎暗記ができていない。重点対策が必要。
今後に向けた所感
ステップⅡである「電気音響とスタジオシステム」では圧倒的に知識不足が浮き彫りになりました。
正解できたのは「コネクターや配線」「マイクの基礎的な指向性」「リバーブの基本的な扱い」など、DTMや録音実務で直接触れることの多い領域でした。
一方で、大きな弱点として浮かび上がったのが「電気回路・録音機器系」でした。アナログテープレコーダーやBTL接続、テープレベル規格、さらには抵抗カラーコードなど、理論や暗記が必要な領域はほとんど得点できていません。
また、「音場・残響系」や「建築音響」も不正解が続きました。ここは体感として理解できても、試験問題としての言葉や数値に置き換えることができず、知識が曖昧なままでした。
このあたりの分野は、体系的にやらないと一生“当てずっぽう”のままということがヒシヒシと伝わりました。
次はステップⅢ──分からない単語が多すぎ!
こちらも分からない単語が多く難儀な問題ばかりでした。結果は 25問中9問正解で正答率36%であった。
分野別に振り返る
- レコーディング技術・機器運用(9問中5問正解)
→ 感想:EQやリミッターなど実務で触れる部分は強み。マイク手法や理論的な説明になると正答率が下がる。理論と実務をつなげる復習が必要。 - 録音史・音楽史(5問中1問正解)
→ 感想:歴史・作品名・機材名など暗記要素が多い分野で大きな弱点。年表形式でまとめ、登場年代と代表機材を整理することが必要。 - デジタル録音・放送技術(5問中2問正解)
→ 感想:基礎理解はあるものの、規格系で取りこぼし。用語や数値をリスト化して整理すれば得点源になる可能性が高い。 - 音響システム・サラウンド(6問中1問正解)
→ 感想:スピーカー配置の基礎は理解できているが、方式や規格に弱い。方式ごとの特徴をまとめた暗記が必要。
今後に向けた所感
ステップⅢは「レコーディング技術と先進技術」について。得意な分野と苦手な分野がはっきりと浮き彫りになりました。
マイク運用やEQ・リミッターの扱いといった「レコーディング技術・機器運用」については、普段から触れている内容ということもあり、ある程度の得点につながりました。実務経験の中で培ってきた感覚がそのまま答えに結びついているのだと思います。
一方で、「録音史・音楽史」に関しては、機材の登場年代や録音方式の変遷、代表的な作品といった知識が弱く、大きな課題となりました。ここは日常的に意識する機会が少ない分野なので、年表や代表例を整理して“暗記”で補強していく必要があります。
また「デジタル録音・放送技術」や「サラウンド規格」では、基本的な仕組みの理解はできているものの、数値や方式に関する知識が不十分で取りこぼしが目立ちました。
次はステップⅣ──得点はそこそこ、でも知識の偏りが露呈
音楽理論だけは、かろうじて正解できた。しかし、それ以外は燦々たる物であった。結果は25問中12問正解(正答率48%)。
分野別に振り返る
- 楽器学(5問中1問正解)
→ 感想:楽器の種類は知っていても、詳細な構造や奏法に関する問題までは分からず。体系的に整理し直す必要あり。 - 音楽理論(5問中4問正解)
→ 感想:テンポ・音価・音程・周波数比など、計算系や理論的側面は理解できている。強弱記号や発想記号など表記系の暗記不足が弱点。 - 著作権法・著作隣接権(6問中3問正解)
→ 感想:著作物の定義や隣接権の性質など基礎部分は押さえられている。国際条約や保護期間、制限規定の問題に弱さが残る。条約や判例ベースの整理が必要。 - 録音技術史・録音機器史(6問中2問正解)
→ 感想:歴史的な流れやマイクロフォン史は理解できているが、アナログ録音技術や規格、録音史の細かい部分を知らなさすぎた。 - 放送史・音楽産業史(2問中2問正解)
→ 感想:FM放送の発展や音楽配信ビジネスなど現代的なテーマであったが、なぜか覚えていた。
所感と今後の課題
ステップⅣは「音楽・音楽著作権・音楽録音の流れ・録音の歴史」について。
先も述べた通り音楽理論だけはかろうじて正解できた。
しかし、楽器学の基礎整理と著作権法の条約関連、録音史の細部が課題。
逆に、現代産業史はなぜか正解できた。今後は「条文・歴史系の暗記強化」と「弱点分野の体系的整理」に重点を置くべきと痛感する。
今後の方針
今回はノー勉強で380点。はたして今後どのような勉強をすれば試験で良い結果が取れるだろうか?
良い結果とは、打ち上げますがA判定です!
ただ今回の試験を通して、やはり技術的なこととは言え、大好きな音楽に携わることなのでイヤイヤ勉強する訳ではなく、楽しんで勉強できるかな?と勝手に解釈しています。
まずは具体的なジャンル別の網羅は後回しにします。過去問を1問ずつ解き、解説をしながら内容を腑に落とすことを優先にします。
スタンスは「1問1殺」!
正解・不正解に関わらず、要点のメモ化と用語・式の暗唱などをブログに記し、次の問題へ進みます。
焦らず、毎日少しずつ継続し、確実に積み上げます。
一緒に挑戦したい方がいれば、ぜひDMやコメントで教えてください!
次回から本格的なサウンドレコーディング技術認定試験対策講座を開始します!