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月に吠える Bark at the Moon

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 皆さん、ご機嫌様! タカミックスです。今回はオジー・オズボーンのスタジオアルバムとしては3枚目となる バカだもん月に吠える Bark at the Moon』についてです。

 それでは行ってみまShow!

新ギタリストはジェイク・E・リー

 『月に吠える』原題:Bark at the Moonは、オジー・オズボーンが1983年に発表した3作目となるスタジオアルバムです。

 このアルバムではある意味ブラッド・ギルズにフラれたオジーが新規ギタリストのオーディションを行い、紆余曲折を経て最終的に日系人ギタリストであるジェイク・E・リーがオジーバンドに加入することとなりました。

 その新ギタリストであるジェイクが加入した『月に吠える』ですが、一聴してL.A.メタルだなぁ… と感じずにはいられないのです。

 L.A.メタルっぽいのは時代背景も関係しているのでしょうが、この辺はオジーと言うよりマネージャーであったシャロン・オズボーンの意向なのかな? とも思います。

 『月に吠える』はランディ時代のクラシカルな雰囲気のあるブリティッシュ・ハードロックから、一転して音数の多い尖ったエフェクトのL.A.メタルっぽいサウンドになりました。

月に吠える

プレイスタイル

 ジェイクのプレイスタイルは何と言ってもジェイク・フェイクと呼ばれるトリッキーなプレイでしょう。視覚的にもデーハーなんですよ。両手タッピングとか、ネックベンドしたりとか、指板を親指も使って押さえるワイドストレッチとか(シェイクハンド・グリップではなく)、速弾きという意味ではなくとにかく音数が多い。

 ジェイクってワイドストレッチじゃなくても左手のストレッチでガッツリ指を開くんですよ。

 例えば4弦の5フレットを人差し指で、2弦の11フレットを小指で押さえるフレーズがあるのですが、イヤイヤ、押さえられねぇって!

 この間の長さってセンチにすると12cm位。タカミックスの左手人差し指と小指を思いっきり開けば15cm程度は開くんですが、ネックを握った状態のギターフレージングの中で押さえろって言われても無理ですから! まぁ、やってやれないことはないんだが…

押弦ポジション図

 若干話が逸れましたが、ジェイクのギタープレイはフレージングと共に視覚的インパクトも強いギタリストなのです。

ジェイク・E・リー

実はジョージ・リンチに決まっていた

 結構有名な話なんですけど、新ギタリストはジョージ・リンチに決まっていました。実際にオジーのツアーに同行しており、オジーとジョージが一緒にステージに立ったこともあるそうです。

 しかし当時ROUGH CUTTのマネージャーだったウェンディ・ディオから「あんたの代わりにオジーバンドにはジェイクが入ることになったから」とジョージはクビを宣告されたそうです。

 このウェンディ・ディオと言う人は何を隠そうロニー・ジェイムス・ディオの奥さんです。ロニーの奥さんとオジー(と言うかシャロン)の繋がりがあるってのも面白い話なんですが(ロニーはオジー嫌いで有名)、当時のジョージは短髪で(ギタリストとしては食っていけずアルバイトもして家庭も持ってたから)ロックンロール魂がないとオジーに言われていたそうです(ただしオジーもランディの死後に頭を剃り上げていたので短髪だった)

 今でこそ短髪のジョージ・リンチですが、L.A.メタルの全盛期に短髪のミュージシャンなんていませんでしたからね。

短髪ジョージ
かたやオジー・オズボーン

 今でもジョージ・リンチはオジーとツアーをした時のギャラを貰ってない! とか恨み言を言ってる様です

月に吠える PV

 さて、『月に吠える』のオープニングナンバーである『Bark at the Moon』であるが、PVでドラムを叩いているのはカーマイン・アピスです。

Bark at the Moon

 あれ、『Bark at the Moon』のドラムってカーマイン・アピスだっけか?

パート名メンバー名
ヴォーカルオジー・オズボーン
ギタージェイク・E・リー
ベースボブ・デイズリー
ドラムトミー・アルドリッジ
キーボードドン・エイリー
月に吠える レコーディングメンバー

 どうやらこのPV撮影時、ドラムのトミー・アルドリッジは妻の出産のために休業しており、代役としてPV撮影とツアーに出たのがカーマイン・アピスだったそうです。そしてトミー・アルドリッジは妻の出産が終わり、一段落着いた頃にオジーバンドに復帰したそうです。

 他の話ですと『月に吠える』の完成直後にトミー・アルドリッジと剃りの合わなかったシャロン・オズボーンがトミーをクビにして、事情を全く知らなかったオジーが慌ててトミーを連れ戻したとか、極妻シャロン・オズボーンを際立たせる話もあります(このシャロンがクビにしたって話、タカミックス的には眉唾もんなんですけどね…)

 オジーバンドはメンバー交代で結構ゴタゴタするバンドでトミー・アルドリッチも自分がレコーディングに参加していないアルバム『Diry of a Madman』でのグループショットに載ったりしてましたからね。

ジェイクのギター

 当時のジェイク・E・リーが当時使っていたギターは白のボディに黒のピックガードであるシャーベル製のストラト… ではなく、実際にはフェンダーのストラトにシャーベルのネックを付けた物を使用していました。

 一説には純正のフェンダーストラトでネックベンドをやり過ぎてネックが折れてしまったと言われたことがありました。それで手元にあったシャーベルのネックを折れたネックの代わりに付けたんじゃないか? と言われてました。

 そんなシャーベルのネックが付いたストラトをジェイクはかなり改造していました。ピックアップは上からシングル・シングル・ハムバッカーでシングルコイルはディマジオのSDS-1を逆スラント(斜め)に取り付け、リアのピックアップはセイモア・ダンカンのアラン・ホールズワースモデルが取り付けられていました。

 そしてギター本体はハードテイル(ギターに直接穴が開けられている)のギターを使用。ハードテイルを使っていた理由はトレモロ付きは高価で買えなかったから! らしく、アーミング効果を出す為にネックベンドを使っていたそうです。ここからネックを打ち折った説が出ていたのです。

ハードテイル仕様

 なおジェイクは後にシャーベルから上記と同じ仕様のシャーベルギターを提供されています。

脱退の理由

 ランディとは別の意味で革新的なギタリストだったジェイク・E・リー。ランディ亡き後のオジーサウンドに新しい風を吹き込んだジェイクでしたが、実はオジーとの仲は良くなかったそうです。理由は作曲クレジットにジェイクの名前を載せなかったことが始まりと言われています。

 楽曲『Bark at the Moon』はオジーがメロディを考えジェイクがリフを制作したと近年オジーは語っております。しかし『月に吠える』の発売時は全曲オジーが作曲したことになっていました。ジェイクにしてみれば自分も作曲に携わっているのに、全曲オジーが書き下ろしていると思われるのは嫌だったのでしょう。ジェイク加入後2作目となる『罪と罰』では作曲クレジットにジェイクの名前も載せられる様になりました。

 またジェイクは派手なステージングとは逆で普段の性格は寡黙であったらしく、陽気なオジーとのウマが合わなかったとも言われています。とは言え当時のオジーのメンタル面も含めた健康状態は非常に悪く、誰がギタリストであってもオジーから嫌われていただろうと言われています。

 オジー自身もジェイク期のことはあまり喋らず、ジェイクが参加した2枚目のアルバム『罪と罰』に至ってはリマスターすらされてない状態が続きました(2000年代に入りリマスター版発売)

 何にせよオジーとジェイクは口論が絶えなかったそうです。そしてジェイクは『罪と罰』のツアーが終わる頃にシャロン・オズボーンからクビを宣告されたのでした。

まとめ

 ジェイク・E・リーがギタリストを務める『月に吠える』ではジェイクのトリックプレイが目白押しです。とは言っても楽曲はシッカリと作られており非常に聴き応えのあるアルバムであります。

 皆様、是非ご一聴を!

おしまい

おまけ

 なおジェイク自身は『月に吠える』の中では最後にレコーディングをした『Rock’n’Roll Rebel』の中で最終的なギターセッティングが決まったと言われています。なので『月に吠える』での全曲を録り直したかったそうですが時間と予算の都合で却下!

 そのセッティングでジェイク加入後2作目となる、オジーのアルバムの中で当時1番の売り上げを記録した『罪と罰』がレコーディングされたのです。

 そう、あの迷作である邦題『暗闇にドッキリ!』を生み出したアルバムです。

次回『罪と罰』編へ続く…

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