この記事では、サウンドレコーディング技術認定試験 2025年ステップⅡ・問Ⅱ-14を扱います。テーマは「デジタルリバーブのルームサイズ(Room Size)を変えたとき、初期反射の間隔や響き方がどう変化するのか」です。
リバーブにはディケイタイムやプレ・ディレイだけでなく、「ルームサイズ(Room Size)」のように空間イメージそのものをコントロールするパラメータがあります。この問題では、ルームサイズを小さくしたときに「初期反射どうしの間隔」や「響きの質感」がどう変わるかをイメージできるかどうかがポイントです。
この記事を読み終えるころには、「ルームサイズをいじったら何が変わるのか」「ガスタンクのような金属的な響きがどうして起こるのか」を、耳とイメージで説明できるようになるはずです。
それでは問題を解いてみましょう!
目次
2025年問題ステップⅡ問題8
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅡ 第14問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
暗記用ワンフレーズ
ガスタンクのような初期反射の間隔を決めるパラメータ=ルームサイズ
※空間サイズで反射の疎密が変化
対話講義(Q&A)|ルームサイズとは
タカミックス
先生、今回の問題って「ルームサイズ(Room Size)」が正解なんですよね? でも、問題文には「値を小さくすると初期反射どうしの間隔が広がってガスタンクっぽい響きになる」って書いてあって……正直、イメージがつかめていません。
サウンド先生
いいところに引っかかったね。リバーブの「ルームサイズ」は、ざっくり言うと「仮想空間の大きさ」と「初期反射の出方のキャラクター」をまとめてコントロールするパラメータなんだ。
タカミックス
「空間の大きさ」ってことは、値を大きくするとホールっぽくなって、小さくすると狭い部屋っぽくなる、くらいの理解で止まってました。
サウンド先生
その理解は半分合っていて、半分足りない。ルームサイズを小さくすると、多くのアルゴリズムリバーブでは、初期反射のパターンが“まとまったクラスター”になりやすくて、そのかたまりと次のかたまりの間がスカスカになることがある。結果として、「反射どうしの間隔が広がった」ように耳に届くわけだね。
タカミックス
なるほど、“一個一個の反射音がバラバラに増える”というより、“反射のかたまり同士が離れて聞こえる”イメージなんですね。
サウンド先生
そうそう。そのスカスカしたクラスター感に、金属の箱みたいな「キンッ」「ビヨ〜ン」とした響きが乗ると、問題文にある「金属製のガスタンク内部のような独特の響き」になる。これを作りやすいパラメータが、ここではルームサイズなんだ。
タカミックス
じゃあ、ルームサイズを大きくしたらどうなります?
サウンド先生
ルームサイズを大きくしていくと、初期反射や残響の分布がより“なめらか”になっていく。クラスター間の差が小さくなって、空間全体が一つの大きなホールとして感じられやすくなる、というイメージだね。
タカミックス
選択肢を見ると、Early Reflection、Pre Delay、Decay Time、Room Size って並んでますけど、他の3つじゃダメな決め手は何ですか?
サウンド先生
良いチェックポイントだね。
まずアーリー・リフレクション(Early Reflection)は「最初の反射群そのもの」のレベルやタイミングをいじる話が多い。プレ・ディレイ(Pre Delay)は「原音が鳴ってから最初の反射が出るまでの“間”」を決めるパラメータ。ディケイタイム(Decay Time)は残響がどれくらい長く続くかを決める。どれも“時間”の長さに直接関係するんだけど、この問題文は「ガスタンクっぽい独特の響き」「初期反射どうしの間隔が広がる」という“空間のキャラクター”の話をしている。そこをまとめて握っているのがルームサイズなんだ。
タカミックス
つまり、「響きの“キャラ”がガラッと変わる」「金属タンクっぽいクセが付く」みたいな説明が出てきたら、ルームサイズを疑え、ってことですね。
サウンド先生
その通り。問題文の「ガスタンク」「初期反射どうしの間隔が広がる」というキーワードを見たら、「空間のサイズ感と反射パターンを支配しているパラメータ=ルームサイズ」と連想できるようにしておこう。
タカミックス
了解です。ルームサイズ=“空間の大きさ+初期反射のキャラ”をまとめて動かすパラメータ、って覚えておきます。
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここでは、答えにたどり着くまでの考え方を整理しながら、似たテーマの問題にも応用できるようにしていきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅡ 第14問の正解
正解:ルームサイズ(Room Size)
一言まとめ
ルームサイズ(Room Size)は、仮想空間の大きさと初期反射の分布をまとめてコントロールし、“ガスタンクのようなクセのある響き”を作りやすいパラメータである。
なぜその答えになるのか(メカニズム)
- ルームサイズ(Room Size)の役割
多くのアルゴリズムリバーブでは、ルームサイズは単純な「メートル単位の部屋サイズ」ではなく、空間シミュレーションの各種パラメータ(反射パターン、ディレイネットワークのスケールなど)をまとめた“キャラ決めノブ”になっている。
値を小さくすると、初期反射や残響が「かたまり」で出やすくなり、クラスター間の隙間が大きく感じられ、響きが粗く・硬くなる。
値を大きくすると、反射がより均一に分布し、ホールや大空間のようななめらかな残響感に近づいていく。
- 「初期反射どうしの間隔が広がる」とは
ここで言う「間隔が広がる」は、物理的な距離そのものというより「耳で感じる疎密感」だと考えた方が理解しやすい。
ルームサイズが小さい設定では、初期反射が一度にドンと来たあと、“次のかたまり”までが妙に空くように感じられることがある。
その結果、「反射が点々と飛んでいる」「隙間の多い響き」に聞こえ、金属タンクの中のような独特の残響になる。
- ガスタンクのような響きとの関係
金属タンク内部のような響きは、「壁が近くて硬い」「反射がはっきり、間隔を感じやすい」という特徴を持つ。
ルームサイズを極端にいじると、この“硬くて飛び石のような反射”が強調され、ガスタンク的なキャラクターが強く出る。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
- アーリー・リフレクション(Early Reflection)
初期反射そのもののレベルやディレイタイムを指すことが多く、「ガスタンクのような独特の響き」という“空間キャラ全体”を決めるノブではない。
もちろん初期反射の調整で印象は変わるが、この問題文のように「パラメータ(14)を小さくするとガスタンクっぽくなる」という“単一ノブの性格”とは少し違う。
- プレ・ディレイ(Pre Delay)
原音が鳴ってから最初の反射や残響が出るまでの“空白時間”を決めるパラメータ。
長くすると「ホールで遠くの客席にいる感じ」が出るが、「初期反射どうしの間隔」の疎密ではなく、「原音と残響の時間差」に効く。
ガスタンクのような金属的キャラクターというより、ボーカルを前に出したり、ホール感を作る用途がメイン。
- ディケイタイム(Decay Time)
残響がどれくらいの時間をかけて減衰していくかを決めるパラメータ。
長くすると「残響がいつまでも残る」印象にはなるが、これも“残響全体の長さ”の話であって、初期反射どうしの間隔そのものは別パラメータが支配している。
問題文では「初期反射どうしの間隔」や「ガスタンクのような響き」がキーワードなので、ディケイタイムを選ぶと焦点がズレる。
実務・DTMへの応用
- ルームサイズをいじるときの基本方針
ボーカルやポップスのミックスで「自然な部屋感」「ホール感」を狙うときは、ルームサイズを中〜大きめにして、初期反射の疎密が不自然にならない範囲で調整する。
ルームサイズ極小+ディケイ短め:タイル張りの小部屋や金属タンクっぽい“クセ強め”の響き。
ルームサイズ中〜大+ディケイ中:自然なホール、ライブハウス的な空間。
- 効果音・実験的サウンド
効果音やアンビエント系のサウンドデザインでは、あえてルームサイズを極端に小さくして「ガツンとした金属箱」感を出すのもあり。
ピアノやパーカッションに「ルームサイズ小+ディケイ短+高めのミックス」をかけると、工場の中やタンク内で鳴っているような、独特の世界観を作りやすい。
- 試験対策としての覚え方
「ホール感を作りたい/Pre Delay とセットで調整」はプレ・ディレイ(Pre Delay)。
「ガスタンクのような響き/初期反射どうしの疎密や空間キャラ」はルームサイズ(Room Size)。
こうやって“キーワードとパラメータ名”をセットで覚えておくと、問題文を読んだ瞬間に候補を絞りやすくなる。
過去問出題年
検証中(今後追記予定)
