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リバーブの設定について①|打楽器の減衰をなめらかにするアーリー・リフレクション【2025年過去問解説 ステップⅡ-13】

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この記事では、サウンドレコーディング技術認定試験 2025年ステップⅡ・問Ⅱ-13を題材に、「デジタルリバーブで打楽器の減衰をどうコントロールするか」というテーマを扱います。

見た目のパラメータ名だけを追っていると「ディケイ・タイム(Decay Time)さえ長くしておけばOK」と思いがちですが、実際には音の立ち上がりから減衰にかけての“つながり方”を決める要素が別に存在します。
この問題の本質は、ドラムやパーカッションの減衰をザラつかせず、耳に心地よい滑らかさを作るパラメータ=アーリー・リフレクション(Early Reflection)を言葉と耳の感覚の両方で結びつけられるかどうか、という点です。

この記事を読み終えるころには、打楽器リバーブの「ザラつき/滑らかさ」をコントロールするコツと、アーリー・リフレクションの役割を、自分のDTM設定にもそのまま応用できるレベルで説明できるようになるはずです。

それでは問題を解いてみましょう!

2025年問題ステップⅡ問題13

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅡ 第13問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅱ-13:デジタルリバーブでは、残響時間だけでなく空間の広がりや音色も細かく調整できる。 特にドラムやパーカッションなどの打楽器では、(13)をやや大きめに設定することで、音の減衰がザラつかず滑らかに感じられるようになる。(13)に入る語句を答えよ。

暗記用ワンフレーズ

「打楽器の減衰をなめらかにするリバーブパラメータ」=「アーリー・リフレクション」
※初期反射で減衰を整える

対話講義(Q&A)|打楽器とアーリー・リフレクションの関係

タカミックス
先生、ドラムとかパーカッションにリバーブをかけるときって、ディケイ・タイムを長めにしておけば「気持ちいい余韻」になるんじゃないんですか? それだけじゃダメなんですか?

サウンド先生
ディケイ・タイムをいじるのは大事なんだけど、それだけだと「いつまで残るか」しかコントロールしていないんだよね。打楽器のポイントは、叩いた瞬間からスッと消えるまでの“滑らかさ”で、ここに効いてくるのがアーリー・リフレクションなんだ。

タカミックス
アーリー・リフレクションって「初期反射」でしたよね? でも、今回の問題文だと「(13)をやや大きめに設定すると、減衰がザラつかず滑らかになる」って書いてあって……正直、最初は ディフュージョン(Diffusion) とか ディケイ・タイムの話かなって思いました。

サウンド先生
いいところに気づいてる。実際のプラグインだと「ディフュージョン」という別パラメータで表現されていることも多いから、混乱しやすいんだよ。ただ試験としては、「初期反射の密度や配置をコントロールして、打楽器の減衰を滑らかにする」という役割にフォーカスしていて、その代表としてアーリー・リフレクションを選ばせていると考えると筋が通る。

タカミックス
なるほど……。じゃあ、アーリー・リフレクションを上げるっていうのは、どういう音の変化なんですか?

サウンド先生
イメージとしては、スネアを叩いた瞬間、「ドンッ」で終わるんじゃなくて、「ドン…シュッ」みたいに、周りの壁からの反射が細かく返ってきて、アタックと残響の間を埋めてくれる感じだね。アーリー・リフレクションをやや大きめにすると、この“シュッ”の部分が程よく密になって、耳には減衰がスッとつながって滑らかに聞こえる。

タカミックス
逆に、アーリー・リフレクションが少ないとどうなります?

サウンド先生
初期反射がスカスカだと、「ドン……(空白)……シャーーン」みたいに、原音と残響が分離して聞こえたり、減衰がザラザラした印象になりやすい。特にドラムやパーカッションはアタックが鋭いから、そのギャップが余計に目立つんだ。

タカミックス
じゃあ、同じ「滑らかにしたい」という目的でも、プリ・ディレイ(Pre Delay) やディケイ・タイムをいじるのとは違うってことですか?

サウンド先生
そう。
プリ・ディレイは「原音から残響が出てくるまでの時間差」で、「遠くの空間」や「ホール感」を作るときに効いてくる。
ディケイ・タイム は「残響がどれくらいの時間残るか」で、空間の“長さ”や“ボリューム感”を決める。
それに対してアーリー・リフレクションは、「アタックから残響へのつながり方」や「減衰の質感」を整える役割が大きい。だから問題文の「減衰がザラつかず、滑らかに感じられるようになる」という表現には、アーリー・リフレクションが一番しっくり来るんだ。

タカミックス
ルーム・サイズ(Room Size)はどうです? 「空間の広がり」って書いてあるから、これでもそれっぽい気がしてしまいます。

サウンド先生
ルーム・サイズは確かに空間の広さ感には効くんだけど、「滑らかさ」というよりは「部屋が小さいか大きいか」の印象を変えるパラメータだね。Ex. 小さくするとタイトで箱っぽい響き、大きくするとホールっぽい広さ。この問題は「減衰のザラつき」にフォーカスしているから、最優先で選ぶべきなのはアーリー・リフレクションというわけ。

タカミックス
つまり、「打楽器の減衰のザラつき対策=アーリー・リフレクションをやや大きめにする」と覚えておくと、この問題はスッと解けるってことですね。

サウンド先生
その通り。「打楽器+減衰の滑らかさ」というキーワードが見えたら、試験ではアーリー・リフレクションを思い出せるようにしておこう。

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここでは、答えにたどり着くまでの考え方を整理しながら、似たテーマの問題にも応用できるようにしていきましょう。

結論の整理

2025年問題ステップⅡ問題13の正解
アーリー・リフレクション(Early Reflection)

一言まとめ
打楽器の減衰をザラつかせず滑らかにするには、アーリー・リフレクションをやや大きめにして「アタックと残響のつなぎ方」を整えるのがポイント。

なぜその答えになるのか(メカニズム)

デジタルリバーブの音は、大きく「アーリー・リフレクション(= 初期反射)」と「リバーブテイル(残響尾)」に分けて考えられます。

  • アーリー・リフレクション(= 初期反射)
    • 原音の直後、数ミリ秒〜数十ミリ秒の範囲で返ってくる反射音のかたまり。
    • 壁・床・天井など、近い面からの反射をまとめてシミュレートしている部分。
    • 打楽器のような「アタックが鋭い音」に対しては、この初期反射がアタック直後の“すき間”を埋める役割を持つ。

打楽器の波形でイメージすると、

  • アーリー・リフレクションがスカスカ:
    • 「ドン!(アタック)……(空白)……シャー(リバーブテイル)」
    • アタックとテイルが分離した印象になり、減衰が段差っぽく聞こえる。
  • アーリー・リフレクションが程よく豊富:
    • 「ドン!(アタック)シュワッ……シャー(リバーブテイル)」
    • 初期反射がアタックとテイルの“橋渡し”になり、減衰が滑らかに聞こえる。

問題文の「(13)をやや大きめに設定することで、音の減衰がザラつかず滑らかに感じられる」という記述は、この「橋渡し効果」を指していると考えれば自然にアーリー・リフレクションに結びつきます。

試験的には、プラグインによっては「ディフュージョン(= 拡散)」パラメータとして実装されていることも多いですが、そこでやっていることの本質は「初期反射の密度や配置を調整して、減衰の質感を整える」ことです。これを代表する語として アーリー・リフレクションを選ばせている、と整理しておくと他の問題にも対応しやすくなります。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • プリ・ディレイ
    • 原音が鳴ってから、最初の残響が立ち上がるまでの時間差。
    • 長くすると「原音が近く、残響が遠い」=ホール感・距離感を演出しやすい。
    • 主な役割は「距離感」や「空間の大きさ感」であって、「減衰のザラつき」を直接なめらかにするパラメータではない。
    • したがって、この問題文の「減衰が滑らかになる」という説明にはややズレる。
  • ディケイ・タイム
    • 残響がどれくらいの時間かけて小さくなっていくか、を決めるパラメータ。
    • 長くすればするほど“残る”時間は増えるが、減衰が滑らかかどうかは アーリー・リフレクションやディフュージョンの方に依存する。
    • 「長い=必ずしも滑らか」ではないため、問題の条件には合わない。
  • ルーム・サイズ
    • シミュレートしている空間のサイズ感(部屋の大きさ)を決めるパラメータ。
    • 小さくするとタイトで近い空間、大きくするとホールや大聖堂のような広い空間の印象になる。
    • これは「空間のスケール感」に関係するパラメータであり、「減衰のザラつき/滑らかさ」という質感の話とは別軸。

以上から、「打楽器の減衰がザラつかず滑らかになるように、やや大きめに設定するパラメータ」という条件に、最も素直に当てはまるのはアーリー・リフレクションとなります。

実務・DTMへの応用

  • ドラム・パーカッションのリバーブを作るときの基本手順(例)
    • ① まずはディケイ・タイムを曲のテンポやジャンルに合わせてざっくり決める。
    • ② プリ・ディレイを調整して、ボーカルやメロディを邪魔しない距離感を作る。
    • ③ その上で、アーリー・リフレクション(またはディフュージョン)を上げ下げして、アタックから減衰までの“つながり”が滑らかに聞こえるポイントを探す。
    • ④ 叩き方や楽器ごとに微調整:スネア・タム・パーカッションで最適値は少しずつ違う。
  • やりすぎ アーリー・リフレクションの典型パターン
    • 初期反射を上げすぎると、アタックがぼやけたり、ドラムが「壁にべったり張り付いた」ような音になってしまう。
    • 特にテンポが速い曲では、粒立ちが悪くなりリズムの輪郭が甘く聞こえるので注意。
  • 少なすぎるアーリー・リフレクションの失敗例
    • アタックと残響が分離し、「ドン+別の場所でシャー」という不自然な印象になりやすい。
    • リバーブを足しているのに「スカスカしている」「なんかドライすぎる」と感じるときは、アーリー・リフレクション(またはディフュージョン)不足であることが多い。

試験勉強の観点では、「打楽器+減衰の滑らかさ→アーリー・リフレクション」というワンフレーズを頭に固定しておくと、この手の問題に強くなります。併せて、他のリバーブ問題(残響時間=ディケイ・タイム、広さ感=プリ・ディレイ+ルーム・サイズなど)との役割分担も整理しておくと、リバーブ全体の問題が一気に取りやすくなります。

過去問出題年・関連リンク

出題年度:現在調査中(後日追記予定)

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