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単一指向性マイクの基礎と実務①|【過去問解説】2025年度 サウンドレコーディング技術認定試験 ステップⅡ-8

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カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイド──どれも“単一指向性マイク”と呼ばれますが、実は同じ単一指向性でも性格がまったく違います。
なぜなら、それぞれが音を拾う範囲(感度パターン)を決める、ある一つの要素によって分類されているからです。

正面の音をしっかり捉えながらも、周囲のノイズや背面からの音をどこまで排除するか──。
そのさじ加減を決めるのが、この「分類の基準」です。

本回では、単一指向性マイクの仕組みを軸に、各タイプの特性と現場での使い分けを明快に整理していきます。

2025年問題ステップⅡ問題8

問Ⅱ-8:単一指向性マイクは、正面方向の音に対して感度が高いマイクであるが、同じ単一指向性でも(8)によってカーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドなどに分類される。(8)に入る語を答えよ。

対話講義(Q&A)

タカミックス
先生、「カーディオイド」「スーパー」「ハイパー」って、特撮番組のヒーロー名みたいですね?

それはさておき、サウンドレコーディングに関する用語なので音質の違いについての用語なんですか?

サウンド先生
“音質”についてではないよ。これはどの方向からの音をどれだけ拾うか、つまり指向性についての話だ。
ざっくり言うと──

  • カーディオイド:前を広めに拾う。
  • スーパーカーディオイド:前がやや細くなり、後ろに小さな副ローブ(拾う山)が出やすい。
  • ハイパーカーディオイド:さらに前が細く、後ろローブがもう少し大きめ

タカミックス
指向性の“細い・広い”って、どこで見るんですか?

サウンド先生
メーカーの資料にあるポーラーパターン(極座標図)を見る。たとえば「正面から30°はよく拾うけど、90°横は落ちる」みたいな“拾い方の角度”が描かれている。
この“絞り具合”が「指向性の鋭さ」だ。
これの度合いでカーディオイド/スーパー/ハイパーに分類している。

タカミックス
じゃあ、この問題の答えは“指向性の鋭さ”でOK?

サウンド先生
その通り!前園さんの言う通り!正解は③「指向性の鋭さ」だ。

各選択肢の解説

  • 再生音圧
    “再生”は主にスピーカーやヘッドホン側の用語。マイクは収音機器。マイクの種類(カーディオイド等)の分類基準は再生音圧ではない。
  • 周波数特性
    マイクの音色傾向(低域が出る/高域が持ち上がる等)を示すカーブ。指向パターンの名称(カーディオイド/スーパー/ハイパー)は方向感度分布で決まる。周波数特性が似ていても指向性の鋭さが違えば呼び名は変わる。
  • 帯域幅
    扱える周波数レンジの広さのこと。これが広いか狭いかは音色・レンジの話で、指向パターンの名称には直結しない。

まとめ

  • 単一指向性マイクは、主に「正面方向の音を強く拾う」タイプのマイク。
  • 同じ単一指向性でも、「指向性の鋭さ」によってカーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドに分類される。
  • 指向性が鋭くなるほど、正面の音をより集中して拾えるが、背面の感度も少しずつ現れる。
  • カーディオイドは扱いやすく、スーパーカーディオイドやハイパーカーディオイドはステージなど狙いを絞りたい場面に有効。
  • 指向性の違いを理解することで、環境ノイズやハウリング対策にも適切に対応できる。

過去問出題年

検証中(今後追記予定)

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