みなさん、音の“速さ”──つまり“高さ(ピッチ)”──ってどうやって決まるか知っていますか?
「1秒間に何回振動しているか(=周波数)」と、「1回の振動にかかる時間(=周期)」──
実はこの2つ、表と裏の関係なんです。
たとえば、標準ピッチA=440Hz の“ラ”の音。
これは「1秒間に440回、空気が振動している」ことを意味します。
では、その1回分──つまり 1÷440秒(約0.00227秒)にかかる時間はどれくらいでしょう?
その答えこそが今回のテーマ、周期×周波数=1が成り立つ理由です。
早速問題へレッツ・ゴー!です。
2025年問題ステップⅠ問題22
今回の問題はサウンドレコーディング技術認定試験の【2025年 ステップⅠ 第21問】をアレンジして出題しております。この試験では定番テーマの再出題が多く、過去問学習が最短ルートとなっております。
対話講義(Q&A)|周期×周波数=1の関係について
タカミックス
先生、今回のテーマは「周期×周波数=1」ですね。
サウンド先生
まずはこの式に出てくる2つの量──周期(T )と周波数(f )から整理しよう。
タカミックス
周期って、波(音の振動)が1回繰り返すのにかかる時間のことですよね?
サウンド先生
その通り。
周期(T )は「1回の振動にかかる時間」で、単位は秒(s )。
たとえば、1回の波の動きに0.01秒かかるなら T=0.01s だ。
タカミックス
じゃあ、周波数はその逆で「1秒間に何回繰り返すか」でしたね。
サウンド先生
正解。
周波数(f ) は「1秒間に起こる繰り返しの回数」で、単位はヘルツ(Hz )=1/s。
つまり、1秒間に100回振動するなら f=100Hz。
タカミックス
なるほど、周期(T )が1回の時間、周波数(f )が1秒あたりの回数。
まさに“逆の関係”ですね。
サウンド先生
その通り。そして、この逆数の関係だからこそ、次のような関係が成り立つんだ。
T × f = 1
これを、時報の音や楽器の基準音などで知られる440Hzで考えてみよう。
タカミックス
了解です。
サウンド先生
では周波数(f )が440Hzの場合、周期(T )はどうなる?
タカミックス
T×f=1のTを求めるには、方程式を解くのと同じように、左辺の記号が右辺では逆になりますよね?
左辺での×fは右辺では割り算になり、T=1/fになります。なので、T=1/440sですね。
サウンド先生
その通りだ。計算すると、周期(T ) は約 0.00227 秒(約 2.27ミリ秒)になる。
タカミックス
440 Hzの音は、1 秒間に 440 回振動していて、その1 回の振動にかかる時間は約 0.00227 秒というわけですね。
サウンド先生
その周期(T )と周波数(f )を掛け合わせると、当然ながら1に戻る。
タカミックス
周期(T )と周波数(f )は、440 Hz のような具体的な音を考える上でも、「時間」と「回数」という両面から捉えるための表裏一体の物差しなんですね!
まとめ
- 周期(T ):1回の振動にかかる時間[単位:s]
- 周波数(f ):1秒間に何回振動するか[単位:Hz=1/s]
- 関係式:T × f=1(⇔ T=1/f、f=1/T)
- 高音ほど周期が短く、低音ほど周期が長い
- 単位を秒とHzに統一すれば常にこの関係が成り立つ
過去問出題年
検証中(今後追記予定)