音は常に同じ形で繰り返すわけではありませんが、歌声の伸びやシンセのトーンのように周期がはっきりした部分では、角度で考えると整理が速くなります。
その角度の単位がラジアン(rad)となります。
「角度の単位なら“度”では?」という疑問にも、この回で簡潔に触れます。
なぜラジアンなのか?度数法が使われない理由
角度は度(°)でも表せますが、回転そのものの量を数える単位がラジアン(rad)です。
1周360度が2πラジアン、180度でπラジアン、その半分の90度でπ/2ラジアンとなります。
音の計算では“揺れの回数やズレ”を角度として扱う場面が多く、三角関数(sinやcosなど)はラジアンという単位を前提に動きます。
もし度(°)で書いてしまうと、毎回ラジアンに直すための“変換作業”が必要になります。
最初からラジアンで書けば、この変換をいちいち挟まなくて済むので、計算もシンプルになります。
ラジアンとは入口は難しいですが、覚える価値は非常に大きいのです。
この講義は初回なのでラジアンの基本式を覚えるだけで構いません。しかしラジアンを覚えることにより、今後の音楽生活で確実にラジアンの凄さを回収できます。
下記の詳しい説明は以降の回であらためて説明しますが、以下のような場面でラジアンは役に立ちます。
- LFOやオートパンの“揺れ始め”や速さを迷わず設計
- ループ継ぎ目の「プチッ」も位相(2πで連続)の発想で防ぐ
- サブウーファーの位相つまみやディレイ調整も“何ラジアンズレているか”で狙い撃ち
- ミックスの低域が安定します。EQやフィルタの説明書に出てくるω=2πfもそのまま読める
このように様々な場面でラジアンは役に立つのです。
とりあえず最初は「2πラジアン=360°/πラジアン=180°」だけ覚えれば十分。これが入るだけで、揺れ・位相・周期の話が一本でつながり、理解の精度が一段上がります。
QMS|2025年問題ステップⅠ問題13
本回のQMSはサウンドレコーディング技術認定試験の【2025年 ステップⅠ 第13問】をアレンジしております。この試験では定番テーマの再出題が多く、過去問学習が高評価判定への最短ルートとなっています。
学びの要点
まずは「2πラジアン=360°/πラジアン=180°」を覚えよう!
過去問出題年
検証中(今後追記予定)