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録音技術の黎明をたどる①:ベルリナー方式の誕生|2025年過去問解説 ステップⅣ-18

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この回では、ドイツ国籍のエミール・ベルリナーが「平円盤ディスク方式」と「プレスによる大量生産」を確立したのが西暦何年かを押さえます。レコード史の問題は、「誰が何を発明したか」だけでなく、「それが何年頃か」という年号をピンポイントで答えさせてくるのが厄介なポイントです。

とはいえ、本番で求められるのは全レコード史の暗記ではなく、「ベルリナーの平円盤ディスク+横振動溝+プレス大量生産」というセットに対応する年号を反射的に思い出せるかどうかです。この問題を通して、エジソンの円筒式とは別のラインとして、ベルリナーの年号を一発で引き出せるようにしておきましょう。

それでは2025年サウンドレコーディング認定試験で出た問題を解いてみましょう!

過去問|2025年 ステップⅣ 第18問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第18問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅳ-18:ドイツ国籍のエミール・ベルリナーは、平円盤ディスクを使って音溝に横方向に音波を記録する方式を発明し、さらに写真製版技術を応用したプレス法によってレコードを大量生産することに成功した。 このベルリナーの業績があったのは(18)である。最も適切な西暦年を、次の中から1つ選びなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

ベルリナーが平円盤ディスク方式を確立した年=1887年
※ディスク+横振動溝+大量生産=1887年で固定

対話講義(Q&A)|ベルリナーのディスク発明年をどう覚える?

サウンド先生
さて、タカミックス君。このエミール・ベルリナーの名前は知っていたかな?

タカミックス
すみません、聞いたことがありませんでした。

サウンド先生
エミール・ベルリナーとはレコード版蓄音機の発明で知られている人だ。

タカミックス
えっ、蓄音機の発明はトーマス・エジソンでしょ?
子供の頃に世界の歴史って絵本で読んだのでよく覚えてます。

サウンド先生
確かに「蓄音機の発明者」としてはエジソンで間違いない。ところが、世の中に“レコード”として広まった方式を作ったのはエミール・ベルリナーなんだ。

タカミックス
ピンと来ないです。同じ蓄音機なのに、それって「発明」になるんですか?
ベルリナーはエジソンが発明した蓄音機の音をレコードで鳴らせるようにしたってだけですよね?
個人的には、ギア付きバイクがスクーターになったくらいの変化に見えて、「改良」じゃないの?って思っちゃいます。

サウンド先生
その疑問は自然なんだが、結論から言うと、ここは「改良」では片付けにくい。理由は、見た目の違いじゃなくて、仕組みの土台が変わってるから。

エジソンが発明した蓄音機は円筒形(シリンダー)に音を刻む方式で、溝は縦方向(上下)の振動で記録していた。コレはコレで素晴らしい発明なのだが、残念ながら同等品質の複製を大量に作るのが難しく、手間とコストが掛かったんだよ。



それに対し、ベルリナーは平円盤ディスク(レコード)に刻む方式で、溝は横方向(左右)の振動で記録し、その平円盤ディスクをプレスで大量生産できる仕組みまでセットで発明したんだよ。

ざっくり整理すると──

  • エジソンは円筒形(シリンダー)に音を刻む方式で、溝は縦方向(上下)の振動で記録した。
  • ベルリナーは平円盤ディスク(レコード)に刻む方式で、溝は横方向(左右)の振動で記録した。
  • そしてベルリナーは、プレスで大量生産できる仕組みまでセットで整えた。

タカミックス
媒体(円筒か円盤か)と、溝(縦か横か)が違うってことですね。でも、それだけで「別の発明」と言い切れるのかな…

サウンド先生
「それだけ」と言うには差が大きい。
円筒と円盤って、単に形が違うだけじゃなくて、作り方も増やし方も流通のさせ方も大きく違ったことが重要だったんだよ。
同じ“音を記録して再生する機械”という大枠では同じでも、方式としては別ラインとして扱われたんだ。

タカミックス
なるほど。「蓄音機」という大きな箱は同じだけど、中身の方式が別物って感じだったんですね。

サウンド先生
そうそう。だから覚え方もこう分けるのが一番ラク。
「円筒のエジソン」「平円盤ディスクのベルリナー」

タカミックス
「円筒のエジソン」「平円盤ディスクのベルリナー」って分け方ですね。
でも、年号はどうやって覚えればいいんですか? 1867、1887、1907、1927って並べられても、どれもそれっぽく見えちゃうんですが…。

サウンド先生
結論から言うと、年号は暗記が一番早い。これは逃げじゃなくて現実だ。1887年は「ベルリナー=ディスク+横溝+プレス大量生産」の合言葉として、そのまま固定して覚えるのが正解。

ただし、暗記が“ただの丸暗記”で終わるかどうかは、時代背景を一緒に持てるかで変わる。背景を追うと、数字が勝手に出てくる感じに近づく。

タカミックス
なるほど…

サウンド先生
1867年や1907年、1927年にも、もちろん音響技術やレコード史上の出来事はいろいろあるけれど、この問題はそこを聞いていないからね。
あくまで蓄音機の問題でベルリナーの名前が出たら、迷わず1887年を引き出せるかどうかを試しているだけなんだ。

タカミックス
了解しました。

サウンド先生
因みにエジソンもベルリナーも有名な肖像は晩年のものが多いけど、実は蓄音機を形にしたのはエジソン30歳、ベルリナー36歳と、思ったより若い時なんだよ。この辺も覚えておいて損はないと思うよ!

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。

結論の整理

2025年 ステップⅣ 第18問の正解 
1887年

一言まとめ 
エミール・ベルリナーが平円盤ディスク方式とプレスによる大量生産を確立した年は1887年であり、「ディスク+横溝+大量生産=1887年」とワンセットで覚える。

なぜその答えになるのか(メカニズム)

この問題は、ベルリナーの技術的な内容そのものではなく、「その業績がいつ頃か」を年号で答えさせる典型的な記憶問題です。選択肢は1867/1887/1907/1927という20年刻みの並びになっていますが、その中で「ベルリナーのディスク方式と大量生産の確立」に対応する年が1887年です。エジソンの円筒式蓄音機とは別ラインとして、「レコードの大量生産を可能にした平円盤ディスク=1887年」と覚えておくことが、試験対策として最も効率的です。

問題文には、ベルリナーの業績として次の三点がセットで書かれています。

  • 平円盤ディスクを使う
  • 音溝に横方向の振動として記録する方式
  • 写真製版技術を応用したプレス法で大量生産に成功

ここで問われているのは、「これらが現実的なレコードとして成立した時期がいつか」という時代感覚です。
ベルリナーは、それまでの円筒式とは異なる「平円盤ディスク+横方向溝」を打ち出し、それを金属原盤とプレスに結びつけることで、「同じレコードを大量に複製して世界中に配る」というビジネスモデルの基礎を作りました。

その「ベルリナーの決定版」として押さえるべき年が1887年であり、この問題もその年号をそのまま答えさせています。歴史の教科書的に厳密な年表を全部覚える必要はなく、「ベルリナーのディスク大量生産=1887年」とだけピンポイントで記憶しておけば、試験的には十分対応できます。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • 1867年
    1887年より20年前の年で、録音・音響技術の黎明期ではあるものの、ベルリナーが平円盤ディスク方式とプレス大量生産を確立した時期としては早すぎます。
  • 1907年
    20世紀初頭であり、レコードや再生装置がさらに普及していく時期ですが、ベルリナーの「発明・確立の年」としては遅すぎます。1887年の業績があったからこそ、その後の発展や普及が進んでいったと考えるのが自然であり、「発明の年」を問うこの問題の答えにはなりません。
  • 1927年
    電気録音方式の登場や、映画との同期音声の時代に近づく年であり、すでにレコード文化は大きく進展している時期です。ベルリナーの平円盤ディスク方式そのものは、そこまでにはとっくに確立・実用化されているため、発明年として選ぶのは明らかに不適切です。

音楽制作の一歩踏み込んだ基礎知識

レコード史では、エジソンの円筒式よりも、ベルリナーのが発明した平円盤ディスク方式の方が市場に広く出回りました。大きな理由は、プレスによってレコードを大量生産できたからです。発明としての優劣というより、「普及する仕組みを作れたか」が、主流を決めました。

まず、エジソンの円筒(シリンダー)は“その場で記録できる”という意味では早かった一方、量産・流通の設計が苦しい。円筒は形状的にプレス量産に向きにくく、複製も手間がかかりがちで、規格の統一もしづらいものでした。
対して平円盤は、金属原盤を起点にして「同じ溝の形」を物理的に転写し、スタンパー(型)で押して増やす発想と相性が抜群です。ここで“写真製版技術を応用した”という言い回しは、要するに「原盤を作って型を起こし、同じものを大量に作る」ための工業プロセスが成立した、という意味合いとなります。音が記録できるだけでは文化にならない──売れて、配れて、同じ規格で再生できて初めて“メディア”になります。

次に「横振動溝(ラテラル)」が効いてきます。横振動溝は、針先が左右に揺れて信号を表現します。これが何を生むかというと、ピックアップ(針・カンチレバー・振動系)の設計が“回転体の上で安定して追従させる”方向に整理しやすい。後年のステレオレコード(45/45方式)も、左右の情報を溝の壁の角度として割り当てる発想に繋がっていきます。もちろん1887年の時点でステレオがあるわけではありませんが、「ディスク+溝で信号を表す」という器が、あとから技術を載せ替えやすい構造だった、というのが強みです。

ここで“記録方式の違い”を雑に言うなら、円筒式は「録音と媒体が一体で、体験としては強いが、産業として弱い」。ディスク式は「録音を“原盤”として切り出し、そこから同一コピーを増やせるので、産業として強い」。この差が、そのまま「普及するメディアはどっちか」を決めました。ベルリナーがやったのは、音を残すだけじゃなく、音を商品として配れる形にしたことです。

ついでに用語の整理をしておくと、「グラモフォンは基本的にベルリナー系のディスク式蓄音機を指す呼び名として定着したものです。なので感覚としては「ベルリナー式=(ディスク式の)グラモフォン」くらいに寄っていて、少なくとも試験対策の文脈では“別物として厳密に分けて覚えるメリット”は薄いはずです(問題文がわざわざ区別を要求してくるなら別ですが、年号問題の多くはそこを狙っていません)。

最後に、現代の音楽制作に寄せて言うと、ここで押さえるべき感覚は「メディアは“音の良さ”だけで勝たない」という点です。規格化できること、複製できること、流通できること、再生装置が普及すること──この全部が揃って初めて文化になります。ベルリナーの1887年は、その“勝ち筋”が揃った年だと理解しておくと、単なる暗記が、ちゃんと腑に落ちる知識になります。

過去問出題年・関連リンク

出題年度:現在調査中(後日追記予定)

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