この回では、「NAB規格とは何か?」という、放送業界の基本用語に関する問題を扱います。現場では、放送局や業界団体が定めた規格・略称がそのまま使われることが多く、アルファベット3文字の意味を取り違えると、話の前提ごとズレます。
とくにNAB規格(NAB)は、アメリカの放送業界を代表する団体に由来する略称で、テープレコーダーのイコライザーカーブなど、録音・放送の技術仕様とセットで語られやすい言葉です。
まずは2025年のサウンドレコーディング認定試験で出題された問題を解いてみましょう!
目次
過去問|2025年 ステップⅣ 第17問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第17問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
NAB規格を定めた団体=アメリカ放送事業者連盟
※NAB=アメリカ、EBU=ヨーロッパと対比で覚える
対話講義(Q&A)|NABは何の略で、どこの団体?
タカミックス
先生、この「NAB規格」って…正直、何の略で、どんな規格かもわからないんですけど…
サウンド先生
エヌ・エー・ビー規格(NAB)は、もともとオープンリールのテープレコーダーなどで使われたイコライザーカーブやレベル基準に関係する規格なんだけど、ここで問われているのはまず「誰が定めた規格なのか」という点なんだ。
タカミックス
選択肢を見ると、
・日本電子機械工業会
・ヨーロッパ放送連盟
・松下電器
・アメリカ放送事業者連盟
って並んでますよね。
自分はバスケットのNBA(National Basketball Association)からの連想でアメリカか?とか思っちゃたんですけど。
サウンド先生
発想としては分かるけど、試験対策としてはその覚え方はやめておいたほうがいいね。
そこで落ち着いて略称を分解してみよう。
NAB は、National Association of Broadcastersの略で、日本語ではアメリカ放送事業者連盟と訳される団体だ。だから、「NAB規格」と言ったら、アメリカの放送事業者の団体が定めた規格、というのが正解になる。
タカミックス
なるほど、「National」が入ってるからアメリカ国内の放送事業者の団体、って感じなんですね。
サウンド先生
そう、そしてNAB規格と一緒に覚えておくべきなのはヨーロッパ放送連盟だね。ヨーロッパ放送連盟は、ヨーロッパ放送連盟(European Broadcasting Union)、略してEBUと呼ばれる別の団体だ。こちらはヨーロッパ側の放送連盟で、音声レベルなどの別の国際規格でよく登場する。
つまり、ざっくり整理すると、
NAB=アメリカ放送事業者連盟
EBU=ヨーロッパ放送連盟
という対応になる。ここをセットで覚えておくと、試験で取り違えにくくなるよ。
タカミックス
了解しました!
NAB=アメリカ放送事業者連盟(National Association of Broadcasters)
EBU=ヨーロッパ放送連盟(European Broadcasting Union)
この2つをペアで覚えます。
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅣ 第17問の正解
アメリカ放送事業者連盟
一言まとめ
NAB規格は、アメリカ放送事業者連盟(National Association of Broadcasters)が定めた放送・録音関連の規格を指す。
なぜその答えになるのか(メカニズム)
略称問題の多くは、「アルファベット3〜4文字の略称」と「どこの国・どんな団体が定めたものか」の対応関係を覚えているかどうかを確認しています。
NABはNational Association of Broadcastersの頭文字を取った略称で、日本語ではアメリカ放送事業者連盟と訳されます。アメリカの放送局や関連事業者を束ねる団体名で、文脈によってはアナログテープのイコライザーカーブ(いわゆるNABカーブ)など、録音・放送の技術基準と結びついて言及されます。
一方、EBUはEuropean Broadcasting Unionの頭文字を取った略称で、日本語ではヨーロッパ放送連盟と訳されます。放送音声のラウドネス運用(例:EBU R 128)やレベル管理の話題で登場します。この2つを混同しないことが、放送・録音系の略称問題では非常に重要です。
したがって、この問題では「NAB規格」と聞いた時点で、「アメリカ放送事業者連盟」を選べるかがポイントになります。日本の団体名や企業名の選択肢は、それっぽい名前で迷わせるためのひっかけとなります。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
- 日本電子機械工業会が定めた規格
日本電子機械工業会は、日本国内の電子機器関連メーカーの団体であり、国際的な「NAB規格」とは別物です。
- ヨーロッパ放送連盟
ヨーロッパ放送連盟(European Broadcasting Union)は、略してEBUと呼ばれるヨーロッパ側の団体です。放送関連の規格を定めている点ではNABと似ていますが、「NAB規格」と言った時点で指しているのはアメリカ放送事業者連盟であり、この選択肢を選ぶと略称の取り違えになります。
- 松下電器が定めた規格
松下電器(現パナソニック)は日本の企業であり、社内規格や製品仕様は当然存在しますが、企業名が並んでいるだけで、NAB規格とは関係ありません。
音楽制作の一歩踏み込んだ基礎知識
NABやEBUは「誰の略称か」を覚えるだけでも十分ですが、もう一段だけ踏み込むなら、規格の違いは“音が変わる条件”につながり得る、という感覚まで持っておくと実務で役に立ちます。
NABは、もともとオープンリールなどのテープレコーダー運用と結びついて語られやすく、文脈によっては再生時のイコライザーカーブ(再生EQ)やレベル基準の話に接続します。ここで重要なのは「細かい数値を暗記する」ことではなく、同じテープ素材でも再生側の基準が違うと、高域の出方などが変わり、明るく感じたり、逆にこもって聞こえたりすることがある、という一点です。
この視点は、現代の制作でも無関係ではありません。古い音源やアーカイブ素材をデータ化するとき、あるいはテープ系の質感を加えるプラグインを使うときに、もし「思った方向と違う変化」が出たら、演出としての“テープ感”以前に、前提条件(規格・カーブ)のズレを疑う余地があります。つまり、略称の暗記は入口で、その先には「条件が違えば音は変わる」という当たり前だけど強い判断軸がある──ここまで押さえておくと、単なる記号問題で終わらず、制作にも繋がります。
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
