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国際著作権と保護期間③:中国作品とアメリカの著作権保護期間|2025年過去問解説ステップⅣ-15

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この回では、「アメリカにおける外国著作物の保護期間」をテーマに扱います。サウンドレコーディング技術認定試験では、日本国内だけでなく、アメリカをはじめとする他国の著作権制度についても基本を押さえているかどうかが問われます。

とくにこの問題は、「相互主義を採用していないアメリカでは、中国の著作物もアメリカの著作物として扱われる」という前提のもと、その保護期間が著作者の死後何年までなのかを数値で答えさせる構成になっています。アメリカの保護期間=著作者の死後70年というラインを、国際的な著作権の流れの中で押さえておきましょう。

それでは問題を解いてみましょう!

過去問|2025年 ステップⅣ 第15問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第15問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅳ-15:相互主義を採用していないアメリカでは、中国の著作物もアメリカの著作物とされ、著作者の死後(15)年まで保護される。(15)に入る適切な数値を選びなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

米国の著作権(財産権)の存続期間=原則、個人著作は死後70年
※外国作品でも、米国内では米国法のルールで保護期間が決まる(ただし作品類型により起点が変わる)。

対話講義(Q&A)|アメリカでは外国作品も何年守られる?

タカミックス
先生、この問題なんですけど……
「相互主義を採用していないアメリカでは、中国の著作物もアメリカの著作物とされ、著作者の死後(15)年まで保護される」って書いてありますよね。

そもそも、中国の著作物の保護期間も分からんのですが?

サウンド先生
中国も台湾と同じ著作権保護期間は50年なんだ。

そして、この問題が面白いのは「アメリカが相互主義を採用していない」という前提を持ち出してきて、外国の著作物もアメリカ著作物と同じように扱う、という点を確認しているところなんだ。

タカミックス
その「相互主義」って、そもそも何なんですか?

サウンド先生
相互主義というのは、「相手の国が自国の著作物をどれくらい保護してくれるかに応じて、自分の国もその国の著作物をどれくらい保護するか決める」という考え方で、日本は相互主義を採用している。

しかしアメリカは、その「相互主義」ではなく、自国のルールに外国著作物も乗せてしまう方式をとっている。だから問題文にあるように、「中国の著作物もアメリカの著作物とされる」という表現になっているんだ。

タカミックス
なるほど…。
じゃあ、中国の作品でもアメリカの中では「アメリカ作品と同じ扱い」で保護期間が決まる、ってことですね。
その「アメリカ作品と同じ扱い」の保護期間が、著作者の死後何年か?を答える問題なんですね。

サウンド先生
そのとおり。
アメリカで個人の著作者の著作物が保護される期間は、原則として「著作者の死後70年」。だから、中国の著作物もアメリカではアメリカの著作物と同様に、著作者の死後70年まで保護される、という整理になる。

タカミックス
中国の著作物なのに、アメリカでは70年保護、っていうのはちょっと不思議な感じもします。

サウンド先生
そこが国際著作権の難しいところなんだよね。
まぁ、「アメリカは相互主義ではなく、自国のルールに外国著作物も乗せる」「その結果、外国著作物も著作者の死後70年まで保護される」と整理できていれば十分だよ。

タカミックス
了解です。
今回は「アメリカの保護期間=死後70年」と、「アメリカでは外国作品もそのルールに乗る」という2点セットで覚えておきます!

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。

結論の整理

2025年 ステップⅣ 第15問の正解 
70

一言まとめ 
アメリカでは、中国を含む外国の著作物もアメリカ著作物と同様に扱われ、個人の著作者については著作者の死後70年まで保護される。

なぜその答えになるのか(メカニズム)

著作権の保護期間について、国際的には「著作者の死後50年以上」という最低ラインが条約で定められていますが、それ以上の年数を採用するかどうかは各国の判断に委ねられています。アメリカは、日本や多くのEU諸国と同様、個人の著作者について「著作者の死後70年」という保護期間を採用しています。

問題文にある「相互主義を採用していないアメリカ」という記述は、「相手の国がどうしているかに応じて保護期間を変える」のではなく、「自国の制度に外国著作物も乗せて考える」というスタンスを示しています。その結果、中国の著作物であっても、アメリカの中ではアメリカ著作物と同じルールに従って保護されます。

したがって、中国の著作物であっても、アメリカ国内では「著作者の死後70年まで保護される」と整理され、この問題の答えとして「70」を選ぶことになります。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • 50
    著作者の死後50年は、国際的な最低ラインとしてよく出てくる数字ですが、アメリカはこの数字を採用していません。アメリカは死後70年を採用しているため、「アメリカでの保護期間」として50を選ぶのは誤りです。
  • 80
    著作者の死後80年という数字は、一部の国や特定の著作物で見られることはありますが、アメリカでの保護期間ではありません。
  • 100
    死後100年という保護期間で代表的な国はメキシコですが、アメリカでの保護期間ではありません。

音楽制作の一歩踏み込んだ基礎知識

ここで押さえておきたいのは、「アメリカは死後70年」という数字そのものより、制作現場でトラブルを避けるための見取り図です。結論から言うと、年数を細かく追いかけるより、素材の扱い方を整える方が圧倒的に効果があります。

音楽の権利は大きく「曲(作詞・作曲)」と「音源(録音物)」に分かれます。曲はメロディや歌詞、コード進行などの表現そのもの。音源は実際に録音されたボーカル、演奏、ミックスの実体です。曲を自分で作っていても、既存音源の一部を切り取って使えば音源の話が入ってきますし、古い曲を新しく録音した場合は曲と音源で保護の状況がズレることもあります。だから「古いから大丈夫」と雑に判断せず、「いま触っているのは曲の話か、音源の話か」を分けて考えるのが第一歩です。

問題文は「外国作品もアメリカ作品と同様に扱われる」という整理でしたが、制作の判断にそのまま使って安心してしまうのは危険です。保護期間の計算は、個人名義か法人名義か、いつ作られたか、いつ公表されたかなどで分岐しやすく、数字だけで安全判定しにくいからです。ここで大事なのは、制度の細部を暗記して毎回判断することより、危ない状況を自分で作らない運用に寄せることです。

いちばん安全性が上がる運用はシンプルです。サンプルやループは「利用条件(ライセンス)が明記されたもの」に限定する。出所が曖昧な素材や、誰が作ったか不明な音は使わない。迷ったら作り直す。似た雰囲気は作れても、同じ録音を使う必要はありません。この運用に寄せるだけで、公開停止や差し替えのリスクは大きく下がります。

最終的に「売っているものを買え」という言い方に見えるかもしれませんが、本質はそこではありません。無料か有料かがポイントではなく、「使っていい条件が明確かどうか」がポイントです。条件が書いてある素材を選ぶ。条件が曖昧なら使わないか、作り直す。これが制作と公開を継続するうえで、いちばん事故が少ない現実的な運用です。

過去問出題年・関連リンク

出題年度:現在調査中(後日追記予定)

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