この回では、「台湾の著作権保護期間」をテーマに、国や地域によって著作権の保護年数が違う、という感覚を整理していきます。サウンドレコーディング技術認定試験では、録音技術だけでなく、国際的な著作権の基礎知識も問われることがあり、「どこの国が何年か」をピンポイントで聞いてくる問題も出題されます。
とくに、配信や動画サイトを通じて海外作品に触れることが当たり前になった今、「日本=死後70年」だけを覚えていても不十分です。この問題を通して、台湾の著作権保護期間が「著作者の死後何年までなのか」を、数字と一緒にサクッと暗記できる形にしておきましょう。
それでは問題を解いてみましょう!
目次
過去問|2025年 ステップⅣ 第13問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第13問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
台湾の著作権保護期間(著作者の死後)=50年
※日本の著作権保護期間は70年である
対話講義(Q&A)|台湾の著作権は死後何年?
タカミックス
先生、そもそもなんですけど……著作権って「どれくらいの期間」守られるものなんですか?
正直、「作った人が死んだあとも、しばらくは権利が続く」くらいのフワッとしたイメージしかなくて…。
サウンド先生
その疑問から入るのは大正解だよ。
保護期間は、ざっくり言うと「作者が生きているあいだ+死んだあとの何年間か」なんだ。
日本の場合、今は原則として著作者の死後70年が基本になっている。
タカミックス
へえ、日本は死んだあと70年なんですね。
ずっとそのルールだったんですか?
サウンド先生
そこがポイントでね。
昔の日本は、著作者の死後50年だったんだ。つまり、「死後50年で切れる時代」が長く続いていた。
それが、国際的な流れに合わせて見直されて、2018年に著作権法が改正されて“死後70年”に延長された、という経緯がある。
タカミックス
なるほど。
じゃあ選択肢にある50年は、昔の日本のルールでもあるってことなんですね。
サウンド先生
その通り。
ただしここで大事なのは「昔の日本」の話だけじゃない。
国が違うと、今でも保護期間が違う──このズレを読めるかが、この問題の狙いなんだ。
タカミックス
じゃあ今回の問題で出てきた台湾は、日本と同じ70年なんですか?
と言うより、なぜ“台湾”って固有名詞を出してきたんですか?
サウンド先生
結論から言うと、台湾は日本と同じ70年じゃない。
この問題の前提では、台湾は原則として著作者の死後50年だ。
タカミックス
え、じゃあ(13)は50ってことですか?
サウンド先生
そう。(13)は50。
で、なぜ台湾かというと理由はシンプル。
台湾みたいに日本より短い数字を出すと、「国で違う」を強制的に意識させられるからだよ。
タカミックス
でもそれって、台湾じゃなくても良くないですか?
フランスとかイギリスとか、もっと有名な国でも…。
サウンド先生
フランスやイギリスみたいに日本と同じくらいの国を出すと、差が出にくい。
すると「へえ、どこも似たようなもんだね」で終わってしまう。
でも台湾が50年だと、ここで差がハッキリ出る。
その差が、次の話につながる。
タカミックス
次の話……って?
サウンド先生
日本は外国の作品を守るとき、基本は守る。
ただし、相手の国の保護期間が短いなら、日本でも短いほうで止められるという考え方がある。
だから台湾みたいに“短い国”を置くと、問題が作りやすいんだ。
タカミックス
じゃあ台湾の作者の曲は、日本でも死後50年で終わっていいってことですか?
サウンド先生
原則はその整理でOK。
「日本は70年」だけ覚えてると、この手の問題でつまずく。
だから出題者は、わざわざ差が出る国名を置いてきてるわけ。
タカミックス
なるほど……。
でも、これって国名で覚え始めるとキリがない気がします。
サウンド先生
そこもいい視点。
国名を丸暗記するより、試験で効くのは“考え方”だね。
まず、「日本=70年」と決め打ちしない。
次に、「国が違えば期間が違う」と一回疑う。
最後に、問題文が何を基準にしているかを見る。
タカミックス
何を基準……?
サウンド先生
ここが超大事。
問題文が「著作者の死後」なのか、「公表後」なのか、そこを読む。
国によっては、作品の種類によって「死後」じゃなくて「公表後◯年」みたいな計算も混ざるからね。
タカミックス
じゃあ“地域”でざっくり注意する、みたいなのはどうです?
例えば東南アジアが出たら、50年の国が残ってるかもしれない、みたいな。
サウンド先生
その使い方ならアリ。盲信じゃなくて警戒としてね。
東南アジアには、今でも死後50年が残ってる国があるから、「日本と同じだろ」で突っ込むと外すことがある。
ただし「東南アジア=必ず50年」みたいに地域で決め打ちはダメ。
タカミックス
なるほど。
でも選択肢って、50年とか70年だけじゃなくて、80年とか100年もありますよね。
そんな長い国もあるんですか?
サウンド先生
ある。そこも試験が仕掛けてくるところ。
“世界はだいたい70年”みたいに雑に思ってると、ここで足をすくわれる。
タカミックス
え、じゃあ「80年」や「100年」って、ただの引っかけじゃないんだ……。
サウンド先生
引っかけじゃなくて、実在する。
例えば、国によっては死後80年を基本にしていたり、死後100年みたいに極端に長い国もある。
だから「50/70しかない」と思い込むのが一番危ない。
タカミックス
じゃあ覚え方としては、どう整理すればいいです?
サウンド先生
ここでも国名の丸暗記は要らない。
試験用に強い整理はこれ。
- まず日本:原則は死後70年
- 世界には死後50年の国もある(=日本より短い)
- さらに死後80年、死後100年みたいに長い国もある(=日本より長いこともある)
- だから“日本基準で決め打ち”はしない
- 最後は必ず、「死後」か「公表後」かを読む
タカミックス
つまり、台湾の問題は「台湾を覚えろ」じゃなくて、
“国が違えば50にも70にも80にも100にもなり得るから、条件を読め”って話なんですね。
サウンド先生
その理解で正解。
台湾はその入口に使われてるだけ。
「差が出る国名」を置いて、次の問題で“短いほうに合わせる”発想につなげる──そういう構成になってる。
タカミックス
よし、だいぶスッキリしました。
(13)は50で、次の問題は「短いほうで止められる」って発想につながるんですね。
サウンド先生
その流れでOK。読み間違いだけ注意して、次へ行こう。
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅣ 第13問の正解
50
一言まとめ
台湾の著作権保護期間は、著作者の死後50年までである。
なぜその答えになるのか(メカニズム)
国際著作権条約に加盟している国や地域でも、著作権保護期間は必ずしも同じではありません。多くの国で「著作者の死後50年」が最低ラインとされ、その上で各国が独自に延長するかどうかを決めています。日本は死後70年に延長している一方で、台湾は死後50年のまま運用しています。
著作権保護期間の考え方は、国際的には「ベルヌ条約」などの枠組みの中で議論されてきました。これらの条約では、
- 著作者の生存期間+死後50年を「最低限の保護期間」とする
- それ以上の延長(たとえば70年)は各国の裁量で決めてよい
という形で決められています。
その結果、各国の制度は次のように分かれます。
- 日本・多くのEU諸国など:死後70年
- 台湾など一部の国・地域:死後50年
台湾などの一部の国では国際著作権条約に加盟しつつも、「死後50年」という基本ラインを採用している側に属します。試験問題としては、「国際条約に加盟している=日本と同じ70年」と思い込んでしまう受験生に対して、「台湾などの一部の国では50年である」という具体的な数字を答えさせる構造になっている、と考えられます。
したがって、この問題では「50/70/80/100」という選択肢の中から、「国際標準としての最低ライン=50年」を選べるかどうかがポイントになります。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
- 80
著作者の死後80年という保護期間を採用している国も存在しますが、台湾に関してはこの年数ではありません。試験の文脈では、「50年」「70年」という代表的な数字と比べて、80年はかなり特殊なケースとして扱われるため、台湾の保護期間として選ぶのは不適切です。
- 70
日本やEU諸国など、多くの国が採用している一般的な延長ラインが「著作者の死後70年」です。そのため「国際著作権条約=死後70年」と誤解してしまう受験生もいますが、条約上の最低ラインはあくまで50年であり、台湾はその50年を採用している側に属します。この問題では、日本の保護期間と混同しないことが重要です。
- 100
死後100年という保護期間は、一般的な国際ルールから大きく外れた数値であり、試験的には「明らかにやりすぎな数字」として排除しやすい選択肢です。台湾の保護期間として考える根拠はなく、この選択肢を選んでしまうと「数字を感覚で選んでいる」と判断されてしまいます。
実務・DTMへの応用
DTMでは、サンプリングやループ素材、二次創作的なアレンジなど、制作の途中で“他人の要素”が入りやすいのが現実です。さらに公開先が配信や動画サイトだと、投稿した瞬間に国境を越えて聴かれる前提になるため、「海外の作品だから」「その国は短いらしいから」といった感覚で判断すると事故りやすくなります。
ざっくり言うと、「台湾が50年らしい=日本でももう自由に使える」と決め打ちするのは危ないです。国や地域が違うと、保護期間の考え方がズレることがあり、日本でも外国作品は“短い方に合わせる”ような例外が絡む場合があります。
だから年数だけで白黒つけようとせず、迷ったら「他人の曲や音源を混ぜていないか?」を先に確認する。怪しいなら、使うのをやめるか、利用条件が明確な素材(許可が取れる素材)に替える──この運用で十分です。
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
