今回も「標準ピッチ440Hzのオクターブ下は何Hzか?」という、音程と周波数の関係を数字で確認する問題を扱います。
前回と同じく、「完全8度=オクターブ」「オクターブ移動=周波数が2倍、1/2」という感覚を持てているかどうかが、この設問の狙いどころです。この機会に、標準ピッチA=440Hzと、そのオクターブ違いの周波数をセットで整理しておきましょう。それでは問題を解いてみましょう!
目次
過去問|2025年 ステップⅣ 第10問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第10問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
標準ピッチ440Hzのオクターブ下=220Hz
※オクターブ下は周波数がちょうど1/2になる
対話講義(Q&A)|440Hzとオクターブ下の220Hz
タカミックス
先生、この問題、前回の記事でまったく同じ話をやりましたよね。結論は覚えてます。標準ピッチA=440Hzの1オクターブ下は220Hz、ですよね。
サウンド先生
その通り。今回は復習になるので「知ってる」を「迷わない」に変えていこう。
今回もやることはシンプルで、なぜ1オクターブ下が1/2になるのか、110Hzや55Hzで迷わされないか、その点を確認するよ。
タカミックス
今まではオクターブの違いも「ラの高さが違うだけ」って感覚で覚えてたので、周波数の話までは答えられなかったんですね。
サウンド先生
そうだったね。そのオクターブの上下に関しては音響の言い方に置き換えるだけ。
オクターブ(完全8度)は、周波数が上下に倍数関係になる。具体的には、1オクターブ上は2倍、1オクターブ下は1/2になる。
だからA=440Hzなら
1オクターブ上:440×2=880Hz
1オクターブ下:440×1/2=220Hz
タカミックス
なるほど、オクターブが上がれば2倍、オクターブが下がれば1/2なんですね。
サウンド先生
その通り!
なので110Hzも55Hzもオクターブが違うだけでAとして実在する周波数だ。
220は1オクターブ下なので440×1/2
110は2オクターブ下なので440×1/2×1/2
55は3オクターブ下なので440×1/2×1/2×1/2
タカミックス
よ〜く分かりました!
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅣ 第10問の正解
220Hz
一言まとめ
標準ピッチA=440Hzのオクターブ下は、周波数が半分になった220Hzになる
なぜその答えになるのか(メカニズム)
この問題では、「標準ピッチ440Hzのオクターブ下」という言い方を、「完全8度=1オクターブ」「オクターブ下=周波数1/2」という音響的な関係に変換できるかどうかが問われています。440Hzの半分は220Hzなので、選択肢の中では220Hzが正解になります。
オクターブ(完全8度)は、音楽理論では「同じ音名で高い/低い」音程として扱われますが、音響の世界では「周波数が2倍(上)、1/2(下)」になる関係として定義されます。
標準ピッチのA(いわゆるA4)は440Hzです。
この音を基準にしてオクターブ違いのAを並べると、周波数は次のようになります。
- 1オクターブ上(A5):440×2=880Hz
- 1オクターブ下(A3):440×1/2=220Hz
- 2オクターブ下(A2):440×1/4=110Hz
- 3オクターブ下(A1):440×1/8=55Hz
このように、「オクターブいくつ分上下するか」は、周波数の2の冪乗(べきじょう)で表せます。
- nオクターブ上:周波数=元の周波数×2^n
- nオクターブ下:周波数=元の周波数×2^(-n)
今回の問題は「オクターブ下」と1オクターブ分だけ下げるケースなので、n=1と考えて
- 440×2^(-1)=440×1/2=220Hz
となります。ここまで分解しておくと、「なぜ半分なのか」が単なる暗記ではなく、理屈として理解できるようになります。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
- 330Hz
330Hzは、E4(ミ)の近辺に相当する周波数であり、「標準ピッチA440のオクターブ下」とは関係がありません。周波数比で見ても、440Hzに対しておよそ3/4程度であり、オクターブ(2倍、1/2)の関係ではありません。
- 110Hz
110Hzは、A2(2オクターブ下のラ)に相当する周波数です。440Hzから見ると、
440×1/4=110Hz
となるため、「2オクターブ下がると1/4になる」という関係に対応します。
- 55Hz
55Hzは、A1(3オクターブ下のラ)の周波数で、
440×1/8=55Hz
という関係にあります。3オクターブ下がった場合に相当する値です。
実務・DTMへの応用
- ピッチ変更の目安(耳と数値を一致させる)
- 1オクターブ上げる=+12semitones(semitones=半音)
- 1オクターブ下げる=-12semitones
- 例:A4=440Hz→1オクターブ下のA3=220Hz(周波数は半分)
- サンプル/ボーカルの補正(破綻ポイントだけ)
- オクターブ下げ:こもりやすい/不自然になりやすい
- オクターブ上げ:甲高くなりやすい/キャラが変わりやすい
- 対策:フォルマント補正ON(可能なら)+高品質タイムストレッチに切り替え
- 低域の管理(数字の罠を避ける)
- 220Hzは「低音の主役」ではなく、まだ中域寄り
- 「オクターブ下げ=ベース化」と決めつけるとミックスが濁る
- 目安:土台はもっと下(キック/ベースの帯域とぶつけない設計にする)
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
