この回では、譜面で頻出する反復記号のひとつ「ダル・セーニョ(Dal Segno/D.S.)」の意味と、その読み取り方を整理します。
では問題を通して、D.S.記号の意味と実務感覚をまとめて押さえていきましょう。
目次
過去問|2025年 ステップⅣ 第6問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第6問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
ダル・セーニョ(D.S.)の意味=印(セーニョ)の位置“から(Dal)”再開せよ
※Dal=〜から/Segno=印、とセットで覚える
対話講義(Q&A)|ダル・セーニョ(D.S.)の意味と実務感覚
タカミックス
先生、この問題なんですけど……まず D.S.(ダル・セーニョ)って何ですか?
サウンド先生
ダル・セーニョ(D.S.)は、演奏中に「決められた目印(Segno)まで戻り、そこから演奏を再開する」ための指示のことだ。
譜面上ではその目印がセーニョ記号として示されるため、「D.S.(戻れ)とセーニョ記号(戻り先)がセットと考えよう。
D.S.のあとには Fine(終わり) や コーダ(Coda) みたいに、「戻ったあと、どこで終える/どこへ飛ぶか」を指定する書き方もある。
今回はまず、「D.S.=セーニョ記号まで戻って、そこから再開」──この基本だけ押さえれば十分だよ。

タカミックス
セーニョ記号?
サウンド先生
見た目は S(エス)に斜め線と点が合わさったようなマークで、小節の近く(多くは五線の上)に付いてる。
タカミックス
なるほど。
じゃあこの問題、選択肢が4つあるんですけど……正解はどれですか?
サウンド先生
正解は、「印の付いた位置から再開せよ」って説明してある選択肢だね。
タカミックス
その正解の選択肢に D.S.1、D.S.2 って書いてあるんですが、これって何なんですか?
サウンド先生
曲の中で D.S.が1回で終わらない譜面があるんだ。
そのときに「どの戻り指示のことか」を取り違えないように、D.S.1/D.S.2 みたいに番号で区別する。
タカミックス
じゃあ、D.S.1とD.S.2で 意味が変わるわけじゃないんですね?
サウンド先生
変わらない。どれも意味は同じで、やることは一つ。
「セーニョ記号の付いた位置から再開」。
番号は「どのD.S.の指示か」を間違えないための順番だ。
タカミックス
なるほど……
サウンド先生
正解の選択肢は「意味」だけじゃなくて、複数のD.S.が出ることがあることも説明してくれてるんだ。
タカミックス
分かりました。
D.S.=セーニョ記号の位置から再開。
しかも現場では D.S.1/D.S.2 みたいに複数出ることがあるから、流れを追えるかが重要──ですね。
サウンド先生
補足なんだが、実は D.S.1/D.S.2 って書けば書くほど、譜面はかえって複雑に感じやすい。
戻り先が増えるぶん、頭の中の「今どの周回?」「どっちに戻る?」の判断が増えるからね。
だからプレイヤー側は、譜面に自分が迷わないように「何小節目から」とか書き加えたりするのも大切だからね。
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅣ 第6問の正解
「印の付いた位置から再開せよ」という意味で、スタジオ現場でもよく使われる。1曲の中で D.S.1、D.S.2 など複数の指示が現れることもあり、これらの記号と曲の流れを正しく追える力は、一般的な読譜力とは別の重要なスキルである。
一言まとめ
ダル・セーニョ(D.S.)は「セーニョ記号まで戻ってそこから弾き直せ」という指示であり、曲構造を追う読譜力が重要になる
なぜその答えになるのか(メカニズム)
この問題のポイントは、単に「戻る記号かどうか」ではなく、「どこへ戻るか」と「現場でどう扱われるか」まで含めて説明できるかどうかです。ダル・セーニョ(D.S.)は、セーニョ(Segno=印)記号のある位置まで戻り、そこから演奏を再開するように指示する記号です。曲頭に戻るダ・カーポ(D.C.)とは役割が異なります。
また、選択肢の正解文にあるように、D.S.にはD.S.1/D.S.2 のように複数の指示が書かれることもあります。こうした譜面で迷子にならずに曲の流れを追える力は、「音の高さやリズムを読む読譜力」以外の、構造把握のスキルとして非常に重要です。
音楽記号を見分けるときは、次のような観点で整理しておくと混乱しにくくなります。
- 何を指示している記号か
- 戻るのか
- 止まるのか
- 終わるのか
- どこへ戻るのか
- 冒頭(曲頭)か
- 特定の印が付いた位置か
- 指示範囲はどう決まるのか
- D.C.なら「曲頭から」
- D.S.なら「セーニョ印の位置から」
- 終点は「Fine」「コーダ」など別の記号で示されることが多い
ダル・セーニョ(D.S.)は、「Segno(印)まで戻れ」という意味を持ち、譜面中のセーニョ記号とセットで使われます。スタジオの譜面では、紙面を節約するために「Aメロ→Bメロ→サビ→D.S.で戻る→別のラストに飛ぶ」といった構成がよく登場します。このとき、目の前の小節単位だけを追っていると簡単に迷子になるため、「今自分が曲のどの段階にいるか」を俯瞰して理解する必要があります。
こうした曲構造の読み取り能力こそが、選択肢で言う「一般的な読譜力とは別の重要なスキル」であり、サウンドレコーディングの現場でも大きな意味を持ちます。問題文は、その部分まで含めてきちんと説明しているため、最も適切な説明としてこの選択肢を選ぶのが正解になります。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
- 曲の最初(冒頭)へ戻ることを指示する語で、原義は『初めから』を意味する。
これはダ・カーポ(Da Capo/D.C.)の説明です。
ダ・カーポとは、譜面にD.C.と書かれていたら 曲頭に戻り、そこから演奏を再開する指示です。
戻ったあとの終わり方は、D.C.al Fineや D.C.al Codaなど、併記の指示に従います。併記がない場合は、通常はそのまま最後まで進んで終わります。
- 原義は『止まる・停止する』であり、この記号が付いた音符や休符をどれくらい伸ばすかは演奏者の感性に委ねられる。
ここで説明されているのはフェルマータ(Fermata)です。
フェルマータとは、付いた音符(休符)を通常より長く伸ばして止める記号。目安としては元の長さの約2倍と言われるが、実際の長さは曲想や指揮者(合奏の場合は合図)で決まります。
- 楽曲の終了箇所を示す記号。譜面の途中に付けられ、その地点で曲が完全に終わる場合に用いられる。
これはFine(フィーネ)の説明となります。Fineとは、譜面上で「ここで曲を終える」ことを示す指示です。
単独で置かれることもありますが、D.C. al Fine/D.S. al Fineのように、戻ったあとにFineの位置で終了させるために使われることが多いです。
実務・DTMへの応用
DTMでは、譜面の「D.S.(ダル・セーニョ)」そのものを操作する場面はほぼありません。制作はタイムライン(小節)上で進むので、「印に戻れ」みたいな“譜面の省スペース用の仕組み”は必要になりにくいからです。
ただし、D.S.の話がムダになるわけではなくて、DTMでは次の形に置き換わります。
- 戻り先を探す → マーカーで場所を固定する(Aメロ頭/サビ頭など)
- どこへ飛ぶか迷う → セクションを分けて並べる(2番、ラストサビ、エンディングを別ブロック化)
- D.S.1/D.S.2 みたいな分岐 → 同じ素材でも“別セクションとして複製”して管理(事故が減る)
要するに、DTMでは「D.Sを使う」のではなく、迷子にならない構造に最初から作るのが実務です。
D.S.は譜面上の“戻り指示”だが、DTMでは基本的に使わない。代わりにマーカーとセクション分けで曲の流れを管理する。
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
