この回では、ヴァイオリン族の中で中低音域を担当し、「座って縦に構える」スタイルが特徴の楽器について整理します。問題文には、パブロ・カザルス、ロストロポーヴィチ、ヨーヨー・マといった20世紀以降の大物名手の名前が並んでおり、単なる伴奏楽器ではなく、世界的なソロ楽器として評価されてきた歴史が示唆されています。
サウンドレコーディング技術認定試験では、「構え方」「音域」「代表的奏者やレパートリー」など、複数の情報を組み合わせてどの楽器かを特定させる問題がよく出てきます。この問題を通して、チェロという楽器の立ち位置とキャラクターを、録音・アレンジ目線でもイメージできるようにしていきましょう。それでは問題を解いてみましょう!
目次
過去問|2025年 ステップⅣ 第5問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅣ 第5問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
中低音域を担当し座って縦に構える弦楽器=チェロ
※カザルス/ロストロ/ヨーヨー・マの三人でチェロ確定
対話講義(Q&A)|チェロの立ち位置と「世界標準化」
タカミックス
先生、この問題文、読んでて「これ、絶対に当てさせにきてるな…」って思いました。
“椅子に座って、縦に構える中低音の弦楽器”って時点で、候補はかなり絞れますよね。
サウンド先生
その感覚でOK。
「ヴァイオリン族の中で中低音域」「座って縦に構えて弾く」──この条件が並ぶと、かなりチェロに寄る。
さらに奏者名がヒントとして出てくるから、確信に変わる構成だね。
タカミックス
奏者名が出てくるのは分かりましたが、あくまでヒントと言うことなんですね。
サウンド先生
この問題で大事なのは、人名を暗記して当てることじゃなくて、文章の“条件”を拾っていくこと。奏者名は最後のダメ押し程度に考えれば十分だよ。
タカミックス
なるほど。じゃあ今回は、まず条件で詰めるのが正しいんですね。
サウンド先生
その通り。
座って縦に構える、そして中低音域の弦楽器──この時点でチェロが最有力になる。
タカミックス
でも文中に「20世紀以降に国際的な評価が高まって、世界的な標準楽器として地位を確立」ってあると、そんなに“最近の話”なんだ?って少し意外でした。
サウンド先生
ここは言い方のニュアンスだね。
チェロ自体は昔からあるけど、「ソロ楽器としての存在感が広く浸透していく流れ」や「教育現場・オーケストラで標準として定着していく流れ」を、20世紀以降の話としてまとめている、と捉えるといい。
タカミックス
なるほど。
“楽器そのものが新しい”じゃなくて、“扱われ方が世界規模で固まった”みたいな話なんですね。
サウンド先生
そうそう。
チェロは中低音域で歌うように鳴らせるし、ソロでもアンサンブルでも使いやすい。結果として、どの国でも「標準的な弦楽器の一員」として置かれやすい──そういう文脈。
タカミックス
選択肢が「ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロ/コントラバス」だとして、
“座って縦に構える”を満たすのって、チェロくらいなんですか?
コントラバスってジャズバンドで使ってるイメージが強くて、ジャズバンドの場合は立って演奏してるので。
サウンド先生
そこが大きい切り分け。
タカミックス君が言う通り、コントラバスは低音担当で、ジャズバンドとかでは立って弾かれる楽器だね。
しかしオーケストラの場合だと座って弾く人の方が圧倒的に多いんだよ。
一方チェロは、座奏・縦構え・中低音で“歌える”という条件がそろいやすい。
タカミックス
そう考えると、この問題は「構え方+音域」の条件でチェロに絞っていく感じなんですね。
サウンド先生
その理解で正解。
対策としては、深掘りしすぎずに反射で拾える形にしておくのが強い。
「座って縦構え」「中低音」──この2点が揃ったらまずチェロ、で十分戦える。奏者名は“補助”でいい。
タカミックス
了解です。
チェロ=座って縦構えの中低音、そして“世界で標準的に扱われる弦楽器の一つ”──このイメージで覚えておきます!
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅣ 第5問の正解
チェロ
一言まとめ
チェロは座って縦に構える中低音弦楽器で、20世紀以降に名手の活躍で世界標準のソロ楽器として確立した
なぜその答えになるのか(メカニズム)
この問題は、ヴァイオリン族の中で中低音域を担当し、椅子に座って楽器を縦に構える演奏スタイルを持つ楽器がどれかを問うものです。さらに、20世紀以降の名手の活躍によって国際的な評価が高まり、世界的な標準楽器の地位を確立した、という歴史的背景もヒントとして与えられています。これらの情報を総合すると、最も自然に当てはまるのはチェロであると判断できます。
まず、「ヴァイオリン族の中で中低音域を担当」という条件から、ヴァイオリンのような高音楽器は除外されます。ヴィオラは中音寄り、チェロは中低音、コントラバスはさらに低音という位置づけになるため、「中低音」という表現はチェロにもっともフィットします。
次に、「演奏する際には椅子に座り、楽器を縦に構えて弾くスタイルが一般的」とある点が重要です。これは、エンドピンを床につき立てて構えるチェロの姿そのものであり、肩にかついで構えるヴァイオリン/ヴィオラとは明確に異なります。コントラバスも縦に構える楽器ですが、立奏も多く、問題文の「椅子に座り」という部分とはややズレがあります。
さらに、「20世紀以降、名手の活躍によって国際的な評価が高まり」という一文が決定打になります。ここで挙げられている人物名は、いずれもチェロと結びつけて語られることが圧倒的に多く、別の楽器に当てはめるのは不自然です。
パブロ・カザルスはバッハの無伴奏チェロ組曲を広く世に浸透させた存在として語られることが多く、「チェロがソロ楽器として確立していく流れ」を象徴する人物として扱われます。問題文が言う「国際的な評価が高まった」というニュアンスに直結する名前となります。
またムスティスラフ・ロストロポーヴィチは20世紀の“チェロの巨人”として挙げられる定番の名前で、圧倒的な演奏力と存在感によってチェロの表現領域を押し広げた人物として知られています。チェロが「標準楽器」として強く認識される背景説明に使いやすい代表格です。
次にヨーヨー・マですがクラシックの枠を超えて活動し、チェロという楽器自体の知名度を一般層まで押し上げた存在として語られます。現代の文脈で「世界的に通じるチェロの顔」として出しやすい奏者の一人です。
このように、音域・構え方・歴史上の名手という複数の観点から照合することで、チェロが最も適切な答えであると論理的にたどり着くことができます。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
- ヴァイオリン
ヴァイオリンは高音域を担当する花形楽器であり、「中低音域を担当する」という問題文の条件には当てはまりません。また、演奏スタイルとしても椅子に座って縦に構えるのではなく、顎で支えて横に構えるため、「縦に構えて弾くスタイル」とは明らかに異なります。
- ヴィオラ
ヴィオラは中音域を担当する弦楽器で、「暖かく柔らかい音色」といった表現は似合うものの、基本的な構え方はヴァイオリンと同じく肩にのせて横向きに構えます。問題文の「椅子に座り、楽器を縦に構えて弾くスタイル」とは一致しません。
- コントラバス
コントラバスはヴァイオリン族の中で最も低い音域を担当する楽器で、縦に構えて弾く点ではチェロと似ていますが、立奏で演奏されることもあり、「椅子に座って弾くスタイルが一般的」という記述とはややかけ離れています。また、「20世紀以降の名手の活躍で国際的な評価が高まり、世界標準のソロ楽器になった」というイメージも、チェロほどには当てはまりません。したがって、この問題では適切な選択肢とは言えません。
実務・DTMへの応用
DTMや録音の現場では、チェロのポジションを理解しておくことが非常に重要です。チェロは、人間の声に近い中低音域をカバーし、メロディもベースラインもこなせる柔軟性を持っています。そのため、ストリングス編成でチェロをどう書くかによって、トラック全体の重心や歌心が大きく変わります。
たとえば、バラード系の曲でチェロをリードメロディに使うと、ボーカルに寄り添うような暖かいラインが作れますし、ポップスでも低音をベースだけに任せず、チェロにカウンターメロディを弾かせることで、ハーモニーに厚みと感情の流れを加えることができます。
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
