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ディフューズサラウンドで学ぶサラウンド音場設計④:フライオーバーと360°パンニング|2025年過去問解説ステップⅢ-25

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今回のテーマは、ディフューズサラウンドの「表現力」そのものです。映画館のように、前方のフロント・チャンネル(L/C/R)からサラウンドにかけて音場がなめらかにつながっている環境では、音が頭上や背後を通り抜けるようなフライオーバー演出や、ぐるっと一周する360°パンニングがとても自然に感じられます。

サウンドレコーディング技術認定試験では、「ディフューズサラウンドは包まれ感に優れる」だけでなく、「どんな音の動きの表現に向いているのか」を一語で言えるかどうかが問われます。ここでしっかりイメージを固めておけば、サラウンド関連の問題をシリーズで整理しやすくなるはずです。それでは問題を解いてみましょう!

過去問|2025年 ステップⅢ 第25問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅢ 第25問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅲ-25:ディフューズサラウンドは、フロント・チャンネル(L/C/R)との音像の繋がりも良いため、(25)や 360°パンニングなどの音の表現が行いやすいといった利点も有している。 このときの(25)に入る最も適切な語句を、次の中から1つ選びなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

ディフューズサラウンドで得意な音の動きの表現=フライオーバー
※音が前から後ろへ頭上を通過するような移動演出

対話講義(Q&A)|フライオーバーと360°パンニング

タカミックス
先生、この問題の「フライオーバー」って単語なんですけど……
正直、完全に初耳です!

サウンド先生
いいね、そのくらい素直に「知らない」と言ってくれるのが一番だよ。
フライオーバーっていうのは、ざっくり言うと「音が頭上を飛び越えていくように聞こえる演出」のことなんだ。例えば、映画で戦闘機が画面の前から後ろへビューンと飛んでいくシーンを想像してみて。

タカミックス
ああ、分かります。前から迫ってきて、自分の頭の上を通り過ぎて、後ろに抜けていく感じのやつですね。
あれって、フロントのスピーカーだけで表現してるのですか?

サウンド先生
残念ながらフロントだけでやろうとすると、「画面の中だけで左右に動くだけ」で終わってしまう。ではサラウンドだけでやると「いきなり後ろから出てきた」みたいな不自然な感じになってしまう。
なのでフロント・チャンネル(L/C/R)とディフューズサラウンド側のLss/Rssが、なめらかにつながっている環境が重要になるんだ。

タカミックス
ディフューズサラウンドって、前の問題で「包まれ感が強い」「アンビエンス表現に向いてる」って話でしたよね。
その「包まれ感」とフライオーバーって、どうつながるんですか?

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ディフューズサラウンドで学ぶサラウンド音場設計③:包まれ感とアンビエンス表現|2025年過去問解説ステ... 映画館のサラウンド再生が「背中から包まれるように聞こえる」理由を、ディフューズサラウンドとその包まれ感というキーワードで、説明できますか?

サウンド先生
ディフューズサラウンドは、Lss/Rssチャンネルにピンポイントの音像定位を持たせず、広いエリアで音を鳴らす再生方式だったよね。
このおかげで、フロントから少しずつサラウンド側へ音を動かしていくときに、「ここで急にスピーカーが変わった」という違和感が出にくい。音が空間全体を滑らかに移動していくように感じられるんだ。

タカミックス
なるほど、ピンポイントじゃなくて広く鳴ってるから、前から後ろへの移動が「スピーカーの継ぎ目」で引っかかりにくいって感じですね。
たとえば360°パンニングで、音が自分の周りをぐるっと一周するときも、同じ理屈ですか?

サウンド先生
まさにそう。前から横、後ろ、そして反対側の横を通って前に戻ってくるような360°パンニングをしたいとき、フロントとサラウンドがカクカク切り替わる感じだと、すごく安っぽく聞こえてしまう。
ディフューズサラウンドのように包まれ感が強くてフロントとの繋がりが良い環境だと、その一周の動きがとても自然に感じられるわけだね。

タカミックス
じゃあ、この問題文の「ディフューズサラウンドは〜フロント・チャンネルとの音像の繋がりも良いため、(25)や360°パンニングなどの音の表現が行いやすい」という流れから考えると、「音が頭上や周囲を飛ぶような演出」の名前を選べってことですね。

サウンド先生
そういう読み方で正解だね。
選択肢を見ていくと、「フライパン」「オートパン」「リバースパン」とあるが、映画館的なサラウンド演出を指す用語として来るのはフライオーバーだと分かるはずだよ。

タカミックス
たしかに、フライパンは完全にネタ枠っぽいですし、オートパンはステレオの左右を自動で振るエフェクトのイメージですね。
そう考えると、「ディフューズサラウンド+360°パンニング」とセットで出てきたら、迷わずフライオーバーって覚えます!

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。

結論の整理

2025年 ステップⅢ 第25問の正解
フライオーバー

一言まとめ
ディフューズサラウンドは、フライオーバーや360°パンニングのような大きな音の移動表現を自然に行いやすい

なぜその答えになるのか(メカニズム)

この問題は、ディフューズサラウンドが「フロント・チャンネルとの音像のつながりが良い」ことで、どんな演出がやりやすくなるかを問うています。代表例がフライオーバーで、戦闘機や飛行機、ヘリコプターの音が画面前方から頭上を通り、背後へ抜けていくような“前→上→後ろ”の大きな移動を、違和感なく成立させやすいのが特徴です。

フロント(L/C/R)とサラウンド(Lss/Rss)の間で音像がブツ切りにならず、滑らかにつながると、円周方向に連続して動くパンニングも自然に聞こえます。ディフューズサラウンドは音像を一点に固定しにくく、サラウンド成分が複数スピーカーに分散して空間全体に広がるため、フロントからサラウンドへパンニングしても「あるスピーカーから別のスピーカーへ跳ぶ」印象が出にくくなります。その結果、音のエネルギーが前方から後方へ段階的に移っていくように感じられ、リスナーは「音が空間の中を連続的に移動している」と認識しやすくなります。

つまり、ディフューズサラウンドの強みは「空間をまたいだ音の動き」を滑らかに作れる点であり、その典型としてフライオーバー(や360°パンニング)が挙げられる──と整理するとスッキリします。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • フライパン
    語感としては似ていますが、音響・サラウンド再生の文脈とは無関係です。調理器具の名称に由来する単語であり、ディフューズサラウンドや360°パンニングの説明に用いられる専門用語ではありません。
  • オートパン
    オートパン(Auto Pan)は、ステレオの左右(または複数チャンネル)間で音量バランスを自動的に変化させるエフェクトの名称として使われることがありますが、この問題文は映画館のようなサラウンド再生環境における音の表現を指しています。ディフューズサラウンドと組み合わせて語られる代表的な演出名としてはフライオーバーの方が適切です。
  • リバースパン
    リバースパンという表現は、一般的なサラウンド用語としてはあまり定着していません。音の移動方向を反転させるようなイメージはありますが、映画館における代表的な演出名とは言い難く、問題文の「フロントとの繋がりの良さ」「360°パンニング」と並べる語としても不自然です。

実務・DTMへの応用

DTMでは映画館ほどのサラウンド環境がなくても、「前→横→後ろへ滑らかに移動して聞こえるか」という発想はそのまま使えます。
オートパン等で音を動かすときは、点の定位を強く作りすぎず、リバーブ/ディレイ成分を広げて“継ぎ目”を目立たせないのがコツです。
要は「一点固定」より「面でつなぐ」を意識すると、フライオーバー的な動きが自然になります。

過去問出題年・関連リンク

出題年度:現在調査中(後日追記予定)

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