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ディフューズサラウンドで学ぶサラウンド音場設計①:ダイレクトサラウンドとの違い|2025年過去問解説ステップⅢ-22

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ここでは、5.1chの中でも少しマニアックなキーワード「ディフューズサラウンド」と、その対になる「ダイレクトサラウンド」を扱います。どちらもLss/Rssチャンネルの鳴らし方に関する考え方で、映画やコンサート映像の「包まれ感」や「背後の定位」の作り方に大きく関わってきます。

サウンドレコーディング技術認定試験では、用語そのものの意味を深く説明してくれるわけではなく、「ディフューズサラウンドとは(22)サラウンドとは異なり〜」という形でサラッと出題されます。ここで「ダイレクトサラウンド」がどんなイメージの再生方式なのかを押さえておくと、サラウンド・ミックスに対する理解も同時に進みます。それでは問題を解いてみましょう!

過去問|2025年 ステップⅢ 第22問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅢ 第22問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅲ-22:ディフューズサラウンドとは、(22)サラウンドとは異なり、Lss/Rssを含むサラウンド音場でピンポイント的な音像定位を作らず、拡散した包囲感によってカバーエリアを広くとる再生方式である。 この(22)に入る最も適切な語句を、次の中から1つ選びなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

ディフューズサラウンド ↔︎ ダイレクトサラウンド 
※点定位させない=ディフューズサラウンド/点音像を作りやすい=ダイレクトサラウンド

対話講義(Q&A)|ディフューズvsダイレクトサラウンド

タカミックス
先生質問です!問題文でLss/Rssチャンネルとか出てきましたが、これってLs/Rsチャンネルと何が違うんですか!

サウンド先生
結論から言うと、「サラウンドが1組しかない前提の名前」がLs/Rs、「サラウンドが“サイド”と“リア”に分かれる前提の名前」がLss/Rss(L/R Side Surround)なんだ。

ただし注意点が1つ。サラウンドのチャンネル名は、規格・制作現場・AV機器(アンプや取説)で呼び方の流派が違って、同じ役割でも名前が変わる。ここで名称だけ追うと混乱しやすい。

たとえば7.1の「後ろ側の2ch」は、AV機器の世界だと SBL/SBR(Surround Back L/R) と書かれることも多い。
一方で、制作や規格寄りの表記では、同じ後ろ側を Lrs/Rrs(Rear Surround) と呼ぶことがある。

つまり、Lss/Rssが「サイド(横)」なら、Lrs/Rrsは「リア(後ろ)」を明示する呼び方、という整理になる。

この辺はオーディオを学び始めたときに混乱しやすいポイントなんだよ。

タカミックス
既に混乱してます!

もう1つ聞きたいんですけど……「ディフューズサラウンド」って何ですか?我々が普段接しているサラウンドとは違うのですか?

サウンド先生
ここが今回の問題の芯だね。違いは「チャンネル数」じゃなくて、鳴らし方の思想なんだ。
ざっくり言うと、サラウンドには ダイレクト(直接)と ディフューズ(拡散)の考え方がある。

タカミックス
思想……?

サウンド先生
うん。たとえば ダイレクトサラウンドは、Lss/Rssを含むサラウンドチャンネルから出る音に「この方向から鳴ってる」という狙った音像定位を作りやすい。

タカミックス
じゃあディフューズサラウンドは、その逆ですか?

サウンド先生
その通り。ディフューズサラウンドは、問題文にある通り、Lss/Rssを含むサラウンド成分にピンポイントの音像定位を持たせない。代わりにカバーエリアを広くして、客席のどこで聴いてもサラウンド成分が自然に回り込むようにする。要するに、包まれる感じは出すけど、スピーカーの位置を意識させない方向だね。

タカミックス
なるほど……じゃあ設問の(22)の答えはダイレクトサラウンドですね。

サウンド先生
正解!

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。

結論の整理

2025年 ステップⅢ 第22問の正解
ダイレクトサラウンド

一言まとめ
ディフューズサラウンドの対になるのはダイレクトサラウンド

なぜその答えになるのか(メカニズム)

この問題は、「ディフューズサラウンドが何と対比されているか」を問うています。ディフューズサラウンドは、Lss/Rssを含むサラウンド成分にピンポイントの音像定位を持たせず、カバーエリアを広く取る再生方式です。

これに対して、Lss/Rssを含むサラウンド方向に明確な音像を作る考え方がダイレクトサラウンドです。

選択肢の中で「ピンポイント的な定位」と対比として自然なのは「ダイレクト」であり、「ディフューズ(拡散)」と「ダイレクト(直接)」をペアで覚えておくと、サラウンド関連の出題に対応しやすくなります。両者の違いは、「Lss/Rssを含むサラウンド音場をどのように作るか」という設計思想の差だと捉えると整理しやすいでしょう。

ダイレクトサラウンドは、Lss/Rssを含むサラウンドスピーカー群からの音が比較的はっきりその方向から来るように設計します。たとえば効果音や定位感のある素材をLss/Rssなどに割り振り、「後ろの右上からヘリコプターが通り過ぎる」「背後の左からドアが閉まる」といった、方向性の強い演出に向いています。

一方、ディフューズサラウンドは、あえて音を拡散させて方向感を曖昧にし、包まれ感や空間の広がりを重視します。そのため、ディフューザー的なスピーカーレイアウトや、複数のサラウンド用スピーカーを組み合わせる考え方が用いられることもあります。

問題文には「Lss/Rssチャンネルにピンポイント的な音像定位を持たせず」と明記されています。つまり、この設問は「ピンポイントの定位を作る=ダイレクトサラウンド」と、「定位をぼかして拡散的に鳴らす=ディフューズサラウンド」という対比構造になっている、と読み取れます。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • ソフト
    「ソフトサラウンド」という方式名は存在しません(少なくとも、ディフューズ/ダイレクトのように定義された用語ではありません)。
  • ハード
    こちらも「ハードサラウンド」という方式名は存在しません。「ソフト」との対比を連想させるためのダミーの選択肢と考えられます。
  • ダイバージェンス
    ダイバージェンスは、パンニングの設計パラメータとして「隣接チャンネルへどの程度にじませて広げるか」を調整する概念であり、サラウンドの再生方式そのものの名称ではありません。

実務・DTMへの応用

DTM環境でディフューズサラウンド/ダイレクトサラウンドの違いは「空間系を“効果音として目立たせる”か、“空気として溶かす”か」として使えます。

  • ダイレクト寄り:効果音を「そこから鳴っている」と感じさせたいとき。リバーブは控えめ、パンは狙って振り、音像をぼかしすぎない。
  • ディフューズ寄り:アンビエンスや残響を“背景”として広げたいとき。リバーブや拡がり成分を増やして、音像の輪郭をあえて作らない。

DAW上では、Lss/Rssへのパンだけでなく、リバーブのセンド先やステレオイメージャー、サラウンド・プラグインの設定などで「どこまで方向感を出すか/ぼかすか」を調整することになります。

過去問出題年・関連リンク

現在調査中(後日追記予定)

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