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5.1チャンネルスピーカー配置を角度から攻略②:サラウンドLs/Rsは約110°許容±10°|2025年過去問解説 ステップⅢ-21

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前回のフロントL/Rに続いて、今回は5.1チャンネルのサラウンド側、Ls/Rsスピーカーの角度配置がテーマです。映画などを5.1チャンネルで聴いたときの「後ろから音が回り込んでくる感じ」は、このLs/Rsスピーカーの位置と密接に関係しています。

サウンドレコーディング技術認定試験では、ITU-Rによる標準配置の「数字」をそのまま問われることが多く、フロントの±30°だけでなく、Ls/Rsの角度もセットで覚えておかないと取りこぼしやすいポイントです。

それでは問題を解いてみましょう!

過去問|2025年 ステップⅢ 第21問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅢ 第21問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅲ-21:5.1チャンネルにおける基本となるITU-Rによる5チャンネルのスピーカー配置では、Cスピーカー方向を0°として角度を定義する。 このとき、Ls/Rsスピーカーの設置角度=(21)許容±10°となる。 この(21)に入る最も適切な数値を、次の中から1つ選びなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

5.1チャンネルのLs/Rsスピーカー設置角度=110°許容±10°
※リスナーのやや後ろ側、包まれ感を作るポジション

対話講義(Q&A)|サラウンドLs/Rsと約110°の意味

タカミックス
先生、この問題の「Ls/Rsスピーカーの角度=(21)許容±10°」なんですけど、もう一度Ls/Rsスピーカーについて教えてください。

サウンド先生
Ls/Rsスピーカーとは、簡単に言うと「サラウンドの左右スピーカー」のことだ。
Lsが左サラウンド、Rsが右サラウンド。映画館やホームシアターで、後ろや横から音が回り込んでくるときに鳴っているスピーカーだ。

タカミックス
あの「後ろからザワザワくる音」を出してるスピーカーですね。
で、そのLs/Rsの角度が110°って、どう考えればいいんですか?

サウンド先生
5.1チャンネルの角度は、リスナーを中心にした円を思い浮かべて考えると分かりやすい。正面が0°で、前回やったフロントL/Rは±30°だったよね。
そこからさらに後ろに回り込んだ位置、だいたい「耳よりちょっと後ろ〜真横より少し後ろ」くらいが110°付近なんだ。

タカミックス
ということは、正面が0°で真横が90°だから、110°って「真横よりさらに後ろ」ってことですね?

サウンド先生
サラウンド・スピーカーの役割は、「前から聞こえるメインの音」に対して、空間の広がりや反射音、環境音を足して包み込むことなんだ。
もしサラウンドをあまり前寄りに置いてしまうと、フロントL/Rとの区別がつきにくくなって、「前からしか聞こえない、なんちゃって5.1」になってしまう。

タカミックス
たしかに、前ばっかりから音がしてたら、せっかくの5.1チャンネルがもったいないですね。
逆に真後ろの180°にしたらダメなのですか?

サウンド先生
真後ろだと、今度は「前と後ろが極端に分かれすぎてしまう」んだ。
前から来る音と後ろから来る音が完全に分断されてしまって、音場が前後に二つに割れたような違和感が出やすい。自然な包まれ感というより、「後ろで別のことが起きてる」みたいな感じになってしまう。

タカミックス
なるほど、極端に前でもダメだし、極端に後ろでもダメなんですね。
じゃあ110°って、その中間の「ちょうどいい位置」ってイメージですか?

サウンド先生
その通り。ITU-Rの110°付近というのは、「視界の外から、少し後ろ寄りで包み込む」ことを狙った位置なんだ。
前方0°から±30°のフロントと、後方110°付近のサラウンドを組み合わせることで、前から後ろまでぐるっと自然につながった音場が作りやすくなる。

タカミックス
なるほど!

  • フロントL/R=±30°
  • サラウンドLs/Rs=110°許容±10°

ってセットで覚えておけばよさそうですね。

サウンド先生
まさにそのセットで覚えておくと強いね。±10°という許容範囲はあるけれど、問題文では「(21)の数値」だけを聞いているから、110°を迷わず選べるようにしておこう。
他の選択肢の10°や30°、180°は、それぞれ「狭すぎる」「フロント側」「真後ろすぎる」など、サラウンド位置として不自然だという視点で切り捨てると、判断しやすくなるよ。

タカミックス
理解できました。
「L/Rが±30°で前を作る」「Ls/Rsが110°許容±10°で後ろ寄りの包まれ感を作る」ってイメージで、角度ごとセットで覚えておきます!

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。

結論の整理

2025年 ステップⅢ 第21問の正解
110°

一言まとめ
サラウンドLs/Rsはリスナーのやや後ろ側=約110°許容±10°が基本

なぜその答えになるのか(メカニズム)

5.1チャンネルのITU-R準拠スピーカー配置では、リスナーを中心とした円を想定し、正面0°にセンターC、フロントL/Rを左右対称に±30°付近、サラウンドLs/Rsを約110°付近に配置します。Ls/Rsを110°近辺に置くと、フロントの音場から後方へ自然につながり、リスナーを包み込むような空間感を作りやすくなります。

サラウンド・スピーカーは、環境音や残響成分、効果音などを担い、音場を広げて“空間の中にいる感覚”を成立させる役割を持ちます。そのため、真横(90°)でも真後ろ(180°)でもなく、その中間にあたる約110°が、前後の分離と一体感のバランスを取りやすい角度として選ばれています。5.1チャンネルのサラウンド配置を理解するポイントは、「人間の方向知覚」と「前後の役割分担」です。

正面0°から±30°は、画面やメインの音像(セリフやボーカルなど)が定位する中心ゾーンです。一方、90°(真横)は左右方向の広がりが強調されやすく、前後のつながりというより“横に広がる”印象が前に出やすくなります。180°(真後ろ)は前方とは切り離された独立方向として感じられやすく、フロントステージとの連続性が弱まりがちです。

そこでLs/Rsを約110°付近に置くことで、次の効果が得られます。リスナーの視界より後ろ側から音が来るため、後方から包まれる感覚が出しやすい。90°より後ろに下がることで、フロント成分と混ざりにくくなり、前後の役割分担が明確になる。かといって180°ほど極端ではないので、フロントステージとのつながりも保ちやすい──という具合です。

さらにITU-Rでは、部屋の形状や設置制約、複数人での視聴など現実的な条件も踏まえ、「110°(許容±10°)」という範囲を示しています。±10°の余裕を持たせることで、環境に合わせて配置を調整しつつも、狙った音場特性を概ね再現できるようにしています。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • 10°
    正面0°のすぐ近くであり、ほとんどフロントと変わらない方向になります。サラウンド・スピーカーとしては前方に寄り過ぎており、包まれ感よりも「前方密集」の印象になってしまうため、サラウンド配置として不適切です。
  • 30°
    これはフロントL/Rの角度として使われる数値です。
  • 180°
    リスナーの真後ろの方向を示す数値です。サラウンド感よりも、前後が極端に分離してしまい、前方の映像との一体感が損なわれる恐れがあります。ITU-Rの標準では、こうした極端な配置よりも、110°許容±10°程度の「やや後ろ寄りの側方」位置が推奨されています。

実務・DTMへの応用

DTMで5.1チャンネル環境を組む人は多くありませんが、、「Ls/Rs=約110°」の発想は定位整理に使えます。空間系(残響・アンビエンス等)を主役(ボーカル/主旋律)より後ろ側の役割に回す意識を持つと、フロントが混み合わず像が安定します。

過去問出題年・関連リンク

現在調査中(後日追記予定)

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