今回のテーマは、5.1チャンネル再生のど真ん中ともいえる「スピーカーの角度配置」です。とくにフロントのL/Rスピーカーをどの角度に置くかは、センターとのつながりや定位の安定感に直結する、とても重要なポイントになります。
サウンドレコーディング技術認定試験では、ITU-R方式(標準スピーカー配置)の標準的な角度がそのまま数字で問われることがあり、ここを「なんとなく」で覚えていると、似た数値の選択肢に足をすくわれがちです。この記事では、5.1チャンネルフロントL/Rを左右それぞれ何度に置くのか、その理由と一緒にしっかり固めていきましょう。それでは問題を解いてみましょう!
目次
過去問|2025年 ステップⅢ 第20問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅢ 第20問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
5.1チャンネルのL/Rスピーカー設置角度=±30°
※センタースピーカー(C)から左右対称に±30°が基本ポジション
対話講義(Q&A)|5.1チャンネルフロントL/Rと±30°の意味
タカミックス
先生、前々回に「フロントL/Rは左右に30°」って話が出ましたよね。
今回はその復習ですね。

サウンド先生
その通り!今日は迷わないために、考え方を改めて学び直そう。
タカミックス
お願いします。
サウンド先生
まず基準はこれ。センタースピーカー(C)を正面0°に置く。
あとはリスナーを中心に円をイメージして、「左右に何度開くか」を決めるだけ。
タカミックス
Cが0°で、角度を測るんですね。
サウンド先生
そう。で、ITU-Rの基本配置では、フロントL/Rは左右に±30°
つまり、フロントLが−30°(左30°)、フロントRが+30°(右30°)
タカミックス
先生、「ITU-R」とは何ですか?
サウンド先生
ITU-Rは、放送や音声の国際的な技術ルールを決める「国際電気通信連合(ITU)」の中の“無線部門”のことだよ。サラウンドのスピーカー配置も、その勧告で基準が示されていて、試験で出る±30°みたいな角度はその代表例だね。
タカミックス
±30°はITU-Rで決められていたんですね。
サウンド先生
そういうこと。さらに言うと、これはステレオの基本配置ともつながってる。
タカミックス
ステレオの基本配置って、リスナーとフロントL/Rで正三角形を作るやつですよね?
サウンド先生
その通り!
リスナーとフロントL/Rで正三角形を作る、あの典型的な置き方が、角度にするとだいたい±30°なんだ。
5.1チャンネルのフロントは、「ステレオの基本を保ったまま、真ん中にセンタースピーカー(C)を足した」って覚え方だね。
タカミックス
なるほど。じゃあ、選択肢に110°とか180°が混ざってても、フロントの話なら切り捨てていいんですね。
サウンド先生
そう。110°はサラウンド側の数字として出てくることが多いし、180°は真後ろ。どっちもフロントではない。
この問題がフロントスピーカーの角度を聞いている以上、答えは±30°に固定できる。
タカミックス
なるほど……
サウンド先生
まとめると、Cが0°、フロントL/Rが±30°
ここは反射で出せるようにしておこう。
タカミックス
了解です。フロントL/Rは±30°で固定します!
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅢ 第20問の正解
30°
一言まとめ
フロントL/Rはセンターから左右対称に±30°が基本
なぜその答えになるのか(メカニズム)
5.1チャンネルのITU-R準拠スピーカー配置では、リスナーを中心とした円をイメージし、各スピーカーの方向を角度で定義します。基準はセンタースピーカーCで、正面を0°とします。このときフロントL/Rは左右対称に±30°に配置するのが標準です。
この±30°は、ステレオ再生の基本配置(リスナーとL/Rで正三角形を作り、左右の開きが約60°になる配置)と同じ発想に基づいています。5.1チャンネルでは、このステレオのフロント感を土台にしつつ、Cを0°に追加して、セリフやメインボーカルをセンターへ、音楽や効果音の広がりをL/Rへ、と役割を分けやすくしています。その結果、フロントステージのつながりが自然になり、ステレオ再生との互換性も保ちやすくなります。
もしL/Rの角度が狭すぎるとセンター付近に寄りすぎて広がりが出にくく、逆に広すぎると前方の音像が左右に割れやすくなります。±30°は「前方のステージ感」と「定位の安定」を両立しやすいバランスとして定められている、と押さえておくと理解が速いです。試験では「フロントL/R=±30°」を数字で即答できるようにしておきましょう。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
10°
フロントL/Rをセンターから10°しか離さないと、C・L・Rがほぼ同じ方向から聞こえてしまい、左右の広がりがほとんど出ません。ステレオの正三角形配置からも大きく外れており、ITU-Rの標準的な5.1チャンネルフロント配置とは言えません。
110°
110°は、むしろサラウンドスピーカー(Ls,Rs)の角度としてよく使われる数字です。正面の0°から見ると、かなり後ろ寄りの位置で、「包まれ感」を作る役割のスピーカーです。フロントL/Rの設置角度としては不適切です。
180°
180°はリスナーの真後ろの方向を表します。これはフロントではなく、完全なリア方向であり、フロントL/Rスピーカーの位置としてはあり得ません。試験的にも「極端すぎる数字」として候補から真っ先に外してよい選択肢です。
実務・DTMへの応用
DTM環境で5.1チャンネルモニターを導入する機会はほぼありません。
しかし2チャンネルステレオで作業している場合でも、「自分のモニター環境がだいたい±30°になっているか」を一度確認してみると良いでしょう。
DTMでもモニタースピーカーを正三角形に近づけるだけで、センターの像と左右の広がりのバランスが取りやすくなります。
スピーカーと自分の位置で正三角形を意識しておくと、5.1チャンネルの勉強をするときにもイメージがつながりやすくなりますし、将来的にサラウンド環境にステップアップしたときにもスムーズに移行できます。
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
