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デジタル録音と時間同期で学ぶ基礎知識③:映像基準でタイムコードとサンプリングを同期させる仕組み|2025年過去問解説ステップⅢ-17

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映像付きのデジタル録音では、「音がきれいに録れているか」だけでなく、「映像と音のタイミングがズレずに最後まで合っているか」が重要になります。ここでは、映像のシンクジェネレーターを基準に、タイムコード、映像の同期信号、そしてサンプリング周波数という三つの時間軸をどうまとめて管理するかがテーマです。

今回の問題は、その中でもデジタルオーディオ機器どうしのサンプリング周波数を共有するために使う「ワードシンクジェネレーター」を問う内容になっています。DTMでもクロック設定を間違えるとノイズやプチプチが出るように、「どの機器を時間の基準にするか」を理解しておくことは実務的にも大きな意味があります。

それでは問題を解いてみましょう。

過去問|2025年 ステップⅢ 第17問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅢ 第17問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅲ-17:映像を伴うデジタル録音システムでは、映像シンクジェネレーターを基準に、タイムコード・映像同期・サンプリング周波数のタイミングを一致させる必要がある。デジタルオーディオ機器同士のサンプリング周波数を共通基準で同期させるため、(17)を同期して分配する系統を組む。 (17)に入る語句を次から1つ選べ。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

映像付きデジタル録音のサンプリング同期=ワードシンクジェネレーター
※デジタル機器どうしのサンプリングを束ねる“共通ものさし”

対話講義(Q&A)|映像付きデジタル録音とワードシンク

タカミックス
先生、この問題、要するに「デジタルオーディオ機器どうしのサンプリング周波数を共通の基準で同期させる」ってところがポイントですよね。でも、機器を全部48kHzに設定しておけば、それで同期できてるんじゃないんですか?

サウンド先生
設定が同じでも「同期」とは限らない。デジタル機器はそれぞれ内部にクロックを持っていて、完全に同じ速度で動く保証はないんだ。だから長時間になるほど、わずかなズレが積み重なって不具合が出る。

タカミックス
不具合って、具体的にはどんな感じですか?

サウンド先生
代表的なのはクリックノイズやプチプチ、そして録音・再生が不安定になる現象だね。要は「サンプルを刻むタイミング」が機器ごとに微妙にズレるのが原因。

タカミックス
じゃあ、必要なのは「みんなが同じタイミングでサンプリングする」状態……?

サウンド先生
そう。そのために必要なのが“共通のものさし”=ワードクロック。
全機器が同じワードクロックを基準に動けば、サンプリング周波数が同じ「だけ」じゃなく、サンプルの刻み自体が揃う。

タカミックス
そのワードクロックを作って、配るのがワードシンクジェネレーター……?

サウンド先生
その通り。ワードシンクジェネレーターは、安定したワードクロックを生成して、必要な機器へ分配する役目を担う。
現場だと「WORD CLOCK OUT」から各機器の「WORD CLOCK IN」に繋いで、全員を同じ基準で動かすイメージだね。

タカミックス
「同期して分配する系統を組む」って書いてあるのは、まさにその配線・構成のことを言ってるんですね。

サウンド先生
そういうこと。問題文は「サンプリング周波数を共通の基準で同期させる」と、目的がはっきり指定されている。
だから、ここで問われている装置(または機能)は、ワードクロックを共通化して配る役=ワードシンクジェネレーター、という結論になる。

タカミックス
まとめると、「48kHzに合わせたつもり」じゃなくて、「同じワードクロックで動かす」のが本当の同期。
その“共通クロックを作って分配する”のがワードシンクジェネレーター、ですね。

サウンド先生
完璧。それが一発で言えれば、この手の問題は迷わないよ。

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここからは、対話講義で掴んだイメージを“用語と仕組み”で裏付けるパートとして、基礎は押さえた前提で少し技術寄りに整理していきましょう。

結論の整理

2025年 ステップⅢ 第17問の正解
ワードシンクジェネレーター

一言まとめ
映像付きデジタル録音ではワードシンクがデジタル機器の共通時間軸になる

この問題では、映像のシンクジェネレーターを基準にしつつも、デジタルオーディオ機器どうしのサンプリング周波数をそろえる役割を担う装置が何かを問われています。サンプリングの刻みそのものを合わせるのは、電源やスタート・ポイントではなく、共通のワードクロックを配るワードシンクジェネレーターである、という点を押さえておきましょう。

なぜその答えになるのか(メカニズム)

映像を伴うデジタル録音システムでは、システム全体の時間基準として、映像側にシンクジェネレーターが用意されます。ここから基準となる映像同期信号が全体に配られ、タイムコードによって「映像と音声の位置情報」が管理されます。

一方、デジタルオーディオ機器はサンプリング周波数という“刻み”で音声を処理します。この刻みが機器ごとにズレていると、長時間ではドリフト(音が伸びたり縮んだり)が起き、機器間のデータ受け渡しでもクロック不一致が原因でクリックノイズやデータエラーが発生しやすくなります。

そこで必要になるのが、オーディオ機器同士の“刻み”を同じにするためのワードクロックです。映像の同期信号は映像のフレームタイミングを決めるもので、オーディオ機器のサンプリング周期そのものを直接そろえる役割ではありません。だからこそ、音声側には別途「共通の刻み」を与える必要があります。

ワードシンクジェネレーターは、このワードクロックを生成して各デジタルオーディオ機器に分配する装置です。各機器が外部クロックソースとしてワードクロックを選択し、その信号に従ってサンプリング周波数を決定することで、機器間のサンプリングが同期し、クリックノイズや長時間ドリフトを防げます。

以上より、問題文の「デジタルオーディオ機器どうしのサンプリング周波数を共通の基準で同期させる」「同期を合わせて分配する系統を組む」という説明に最も合致するのは、ワードシンクジェネレーターです。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

  • セクターシンク・ジェネレーター
    シンクジェネレーターという機器自体は実在しますが、一般的な同期系の用語として「センターシンクジェネレーター」という呼び方が定着している根拠は確認できません。
    現場やメーカーの製品カテゴリで普通に出てくるのは「シンクジェネレーター」「(リファレンス)シンクジェネレーター」「マスターシンクジェネレーター」といった呼称であり、“センター”を冠した名称は使われません。
    この選択肢は、正解語に似せて“それっぽい語感”を作った造語(ひっかけ)と判断し、避けるべきです。
  • 電源
    電源は、機器を動作させるために必要な前提条件ではありますが、サンプリング周波数を共通の基準で同期させる役割は持っていません。
    同じタイミングで電源を入れても、各機器の内部クロックが独立していればサンプリング周期はそろわず、長時間録音ではズレやノイズの原因になります。
    そのため、「電源」を時間同期の答えとして選ぶのは不適切です。
  • スタート・ポイント
    スタート・ポイントは録音や再生をどのタイミングで開始するかという「きっかけ」に過ぎません。
    複数の機器を同時にスタートさせたとしても、その内部クロックの精度や温度変化などによって、時間が経てば必ずドリフトが生じます。
    問題文が求めているのは「サンプリング周波数そのものを共通の基準で同期させるための系統」ですから、スタート・ポイントの一致だけでは条件を満たしていないと判断できます。

実務・DTMへの応用

一般的なDTMerの場合、プロモーション用の映像(いわゆるPV / ミュージッククリップ)は制作会社や専門の動画制作者に丸投げするよりも、まずは自分で編集してYouTubeに上げる──という形が現実的だと思います。だからこそ、現場の大型システムで必要になる「シンクジェネレーター運用」そのものより、日常の制作でズレやトラブルを起こさないための“時間合わせ”を押さえておくほうが実用的です。

  • 動画を作るなら、音声は48kHzで統一する
    YouTubeなど動画編集が絡む場合は、DAWのプロジェクト、オーディオインターフェース設定、書き出し、動画編集ソフト側まで48kHzに揃える。44.1kHz素材が混ざる場合は、後で混乱しないように早い段階で48kHzへ変換して扱う。
  • 「カメラの音」と「別録りの音」を合わせるなら、同期用の目印を必ず入れる
    撮影の頭で手拍子(クラップ)やカウントを1回入れて、編集で波形を合わせる。長回しほどズレが出やすいので、最初だけでなく途中もズレを確認し、必要なら区間ごとに微調整する。
  • 機材が“デジタル接続”で増えるほど、同期(クロック)が重要になる
    ADATで入力を増やす、外部デジタル機器を足すなど、デジタル接続が増えると「どれを親(基準)にするか」を決めないと、クリック/ポップやバリバリした破綻が起きやすい。単体のオーディオインターフェース+PC完結なら、まずはサンプルレート統一と基本設定だけ押さえれば十分。
  • fps(映像)とkHz(音)とタイムコード(ラベル)は別物だと理解しておく
    口パクズレや長尺のズレは、音側(kHz/クロック)だけでなく、映像側(fps混在)でも起きる。原因を切り分けられると修正が早い。

過去問出題年・関連リンク

出題年度:現在調査中(後日追記予定)

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