この記事では、サウンドレコーディング技術認定試験 2025年ステップⅡ・問Ⅱ-25を扱います。
テーマは「抵抗のカラーコードから、瞬時に正しい抵抗値を読み取れるかどうか」です。
オーディオ回路や機材の世界では、基板上の抵抗に数字が書いていないことも多く、カラーコードだけを手がかりに値を判断しなければならない場面がよくあります。ここで桁の読み違いをすると、インピーダンス設計やレベル調整が大きく狂ってしまい、ノイズやひずみの原因につながります。
この記事を読み終える頃には、「茶・黒・青」のような典型的なカラーコードを見た瞬間に、「これは10MΩだな」と抵抗値と桁をセットでイメージできるようになることを目指します。
それでは問題を解いてみましょう!
目次
過去問|2025年 ステップⅡ第25問
今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅡ 第25問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。
問題=答え|暗記用ワンフレーズ
「抵抗のカラーコード『茶・黒・青』が表す値」=「10,000,000Ω(10MΩ)」
※左から2本が「10」、青が10^6倍→10×10^6
対話講義(Q&A)|カラーコードで桁と有効数字を読むコツ
タカミックス
先生、まず根本的なところなんですけど……
エフェクターとかの基板に付いてる抵抗器の話ですよね?
この抵抗器についてる「茶・黒・青」みたいな色って、ただのデザインじゃないんですか?
カラーコードって名前だけ聞いたことあるんですけど、具体的に何を表してるのか全然わかってません。
サウンド先生
いい質問だよ。
あの色は、実は「抵抗値の数字と桁」を全部、色だけで表しているんだ。
数字を書き込むスペースがない小さな部品でも、色さえ読めれば値がわかるようになっている。
実物の抵抗器には、だいたい4本か5本くらいの色の帯が描いてあって、
左側の帯が抵抗値、一番右側の帯が「どれくらい誤差があってもいいか(許容差)」を表しているんだ。
タカミックス
右端…って、パッと見てどっちが右かなんて分からないっすよ!
サウンド先生
確かに分かり辛いが、少し間隔を空けて記されている方が右端になるんだよね。あとは右端の色は基本的に金色か茶色なんだよ。
タカミックス
了解です。
サウンド先生
では、今回の問題なのだが「何Ωになるか」だけがテーマだから、
左から2本を有効数字、3本目を乗数として扱う――この最初の3本分だけ を取り出して説明していると思っておけばOK!
タカミックス
なるほど…今までは「メーカーごとのオシャレな配色」くらいにしか思ってませんでしたが、「茶・黒・青」って並びには意味があるんですね。
サウンド先生
そう。しかも「どの位置に、どの色が来ているか」まで含めて意味がある。
今回の前提だと、
- 左から1本目と2本目:有効数字
- 3本目:乗数(10の何乗か)
ってルールになっている。
タカミックス
ちょっと待ってください。
有効数字っていうのは「元の数字の部分」で、乗数は「その数字に何倍かけるか」みたいなイメージですか?
サウンド先生
その理解でOK。
じゃあまず、色と数字の対応を押さえよう。抵抗の世界では、色はこういう数字に対応してる。
タカミックス
全部数字に対応してたんですね……。
ってことは、「茶」は1、「黒」は0、「青」は6?
サウンド先生
そう。
だから「茶・黒・青」という並びを、今回のルールで読むとこうなる。
- 1本目(茶)=「1」
- 2本目(黒)=「0」 → 有効数字は「10」
- 3本目(青)=「6」 → 10^6倍の乗数
つまり「10 × 10^6 = 10,000,000Ω」になる。これが10MΩだね。
タカミックス
すると
- 左2本で「10」
- 3本目の青が「10^6」
ってわかれば、「10MΩ」の抵抗だと読めるわけですね。
サウンド先生
そのとおり。
試験でやってほしいのは、「色を数字に変換して、有効数字と乗数に分けて読む」というところまで。
今回の選択肢だと、
- 100Ω
- 1,000Ω
- 100,000Ω
- 10,000,000Ω
の中で、「10 × 10^6」に当たるのは、10,000,000Ωだけだから、それが正解になる。
タカミックス
ようやく問題の意図がわかりました。
カラーコードって、そもそもの「ルール」がわからないと、何を問われてるのかすらピンとこないですね。
サウンド先生
そうなんだよね。
だからこの手の問題は、
- 色と数字の対応を覚える
- 左2本=有効数字、3本目=10^n の n
- そこから抵抗値を計算する
この3ステップをセットで身につければOK。
一回仕組みがわかると、別の色のパターンが出てきても、全部同じ手順で読めるようになるよ。
タカミックス
先生、これって結局「黒=0、茶=1、白=9」みたいに、色と対応する数字を全部覚えないとダメなんですか?
正直、色の一覧を丸暗記するのってちょっと気が重いんですけど……。
サウンド先生
原理的には「色=数字」は知っておいた方がいいけど、
いきなり10色フルセットを完璧に暗記する必要まではないよ。
確かに語呂合わせで覚える方法もあるにはあるんだ。小林一茶(茶色・1)、とか五月みどり(緑色・5)とか紫式部(紫色・7)などのように歴史の用語と合わせる方法とかね。
けれど無理せず、まずは
- 黒・茶・赤・橙・黄(0〜4)
- 緑・青(5・6)
みたいに、0〜6あたりまでを優先的に押さえるところから始めれば十分。
試験の過去問を解いていくうちに、紫・灰・白(7〜9)も自然に目に慣れてくるから、
「演習しながら少しずつ埋めていく」くらいの感覚で大丈夫だよ。
タカミックス
なるほど、最初から全部一気に覚えようとしなくていいんですね。
まずは「黒〜青までの0〜6」を固めて、問題を解きながら残りを埋めていけばよさそうです。
サウンド先生
そうそう。
この問題でいちばん大事なのは、
- 色と数字の対応があることを知る
- 左2本=有効数字、3本目=10^n の n
- そこから抵抗値を計算できること
この3ステップだからね。
細かい色は、過去問を回しているうちに勝手に覚わってくるよ。
詳しい解説
一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここでは、答えにたどり着くまでの考え方を整理しながら、似たテーマの問題にも応用できるようにしていきましょう。
結論の整理
2025年 ステップⅡ 第25問の正解
10,000,000Ω(10MΩ)、カラーコード「茶・黒・青」
一言まとめ
左2本で「10」、3本目の青が乗数の10^6となり、10×10^6=10,000,000Ωになる。
なぜその答えになるのか(メカニズム)
抵抗のカラーコードは、基本的に次のようなルールで構成されています。
- 左から数えて
- 1本目:有効数字の1桁目
- 2本目:有効数字の2桁目
- 3本目:乗数(10^n の n を色で表す)
色と数字の対応は、0〜9の整数に割り当てられます。
- 黒:0
- 茶:1
- 赤:2
- 橙:3
- 黄:4
- 緑:5
- 青:6
- 紫:7
- 灰:8
- 白:9
今回の「茶・黒・青」の場合、
- 1本目(茶)= 1
- 2本目(黒)= 0 → 有効数字「10」
- 3本目(青)= 6 → 乗数「10^6」
という読み方になるので、抵抗値は
- 10 × 10^6 = 10,000,000Ω
となり、10MΩクラスの非常に大きな抵抗ということになります。
ここで大事なのは、
- 「色そのもの」よりも、「何番目の帯か」で役割が変わる
- 有効数字と乗数が混ざらないように意識する
という2点です。
特に3本目は「数字」ではなく「桁(10^n)」を示す役割に切り替わるので、青を見た瞬間に「6 → 10^6 → メガの桁」と連想できるようにしておきましょう。
他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由
選択肢はすべて「茶・黒・○」であり得る値ですが、3本目の色が違うと桁が変わります。
- 100Ω
- カラーコードで表すなら「茶・黒・茶」
- 10 × 10^1 = 100Ω
- 3本目が「茶(1)」なら 10^1 なので、この問題の「青」とは一致しない。
- 1,000Ω
- カラーコードなら「茶・黒・赤」
- 10 × 10^2 = 1,000Ω
- 3本目が「赤(2)」=10^2 の場合に対応する値なので、やはり「青」とは異なる。
- 100,000Ω
- カラーコードなら「茶・黒・黄」
- 10 × 10^4 = 100,000Ω
- 3本目が「黄(4)」=10^4 の場合の値。今回の問題では3本目が青なので不適切。
- 100,000Ω
- カラーコードなら「茶・黒・黄」
- 10 × 10^4 = 100,000Ω
- 3本目が「黄(4)」=10^4 の場合の値。今回の問題では3本目が青なので不適切。
3本目の「青」が示す乗数(10^6)を正しく読み取れるかどうかが、この問題のポイントになります。
実務・DTMへの応用
オーディオ機器や自作エフェクター、マイクプリアンプなどのアナログ回路では、抵抗の値がインピーダンスやゲイン、ノイズレベルに直結します。
例えば、
- ギター入力のハイインピーダンス入力には、1MΩ〜数MΩクラスの抵抗が使われることが多い
- マイク入力のバイアス回路や、アッテネーターの分圧比を作る抵抗値は、誤るとレベルが大きく変わる
といったように、桁の違いが音のレベルや音質に直結します。
基板上で「10MΩ」とシルクが書いてあるとは限らず、「茶・黒・青」のようなカラーコードだけが手がかりという状況も珍しくありません。
このとき、10kΩ(1,000Ω〜100,000Ωクラス)と10MΩを取り違えると、想定しているインピーダンス設計から大きく外れ、ノイズが増えたり、レベルが全然上がらなかったりといったトラブルにつながります。
DTMユーザーでも、
- 自作DIボックス
- 自分で組むエフェクターキット
- 古い機材の修理や改造
などに手を出すようになると、カラーコードの読み取りは避けて通れません。
今回のような「茶・黒・青」のような典型パターンで、メガオームクラスの桁感覚を掴んでおくと、実務レベルでもかなり役に立ちます。
過去問出題年・関連リンク
出題年度:現在調査中(後日追記予定)
