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リバーブの設定について③ Decayを伸ばすだけが“ホール感”ではない|【2025年ステップⅡ・問Ⅱ-15】

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この記事では、サウンドレコーディング技術認定試験 2025年ステップⅡ・問Ⅱ-15を扱います。テーマは「ホールや大聖堂のような“大きな空間”の残響を作るとき、まずどのパラメータが“残響の長さ”を決めているのか」です。

デジタルリバーブにはいろいろなパラメータがありますが、その中でも「ディケイ・タイム(Decay Time)」が何をコントロールしているのかをきちんと理解しているかどうかが、この問題の本質です。そして同時に、「ディケイ・タイムだけを伸ばしてもリアルなホール感にはならない」という“落とし穴”にも気づけるかがポイントになります。この記事を読み終えるころには、「残響の長さ=どのパラメータか」を即答できるだけでなく、DTMでホール系リバーブを設定するときの考え方も整理できているはずです。

それでは問題を解いてみましょう!

過去問|2025年 ステップⅡ 第15問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2025年 ステップⅡ 第15問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅱ-15:ホールや大聖堂のような「大きな空間」にいる感覚をデジタルリバーブで再現したい場合、単に残響の長さを決める(15)だけを伸ばしても十分ではない。(15)に入る適切な語句を答えよ。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

ホールや大聖堂の“残響の長さ”を決めるパラメータ」=「ディケイ・タイム(Decay Time)
※ホール感の“尻尾の長さ”

対話講義(Q&A)|ホール感とディケイ・タイム

タカミックス
先生、ホールっぽいリバーブを作りたいときって、とりあえず残響を長くしたくなるんですけど……。これって「ディケイ・タイム」を思い切り長くすればいいってことですよね?

サウンド先生
うん、「残響をどれくらいの時間残すか」を決めているのはディケイ・タイム(Decay Time)だから、「長くしたい」ならまずここを伸ばすのが基本だね。試験問題の文章にも「単に残響の長さを決める(15)だけを伸ばしても十分ではない」って書いてあるけど、この“残響の長さを決める”パラメータがまさにディケイ・タイムなんだ。

タカミックス
じゃあ、選択肢の中だと「Decay Time」がそれに当たる、と。

サウンド先生
そう。アーリー・リフレクション(Early Reflection)は、最初に返ってくる反射音のパターン。プレ・ディレイ(Pre Delay)は原音が鳴ってから残響が立ち上がるまでの“待ち時間”。ルーム・サイズ(Room Size)は空間の大きさ感や初期反射の間隔に関わるパラメータだね。

タカミックス
なるほど……どれも“空間っぽさ”には関係しそうだけど、「長さそのもの」を決めているのはディケイ・タイムだけなんですね。

サウンド先生
そうそう。この問題は、「ホール感を出すならディケイ・タイムを伸ばしたくなるよね、でもそれだけじゃ足りないよ」という前フリになっている。だから(15)には“残響の長さを決めるパラメータ”=ディケイ・タイムが入る。

タカミックス
じゃあ、ディケイ・タイムをとりあえず長くしておいて、あとは別のパラメータで「本物っぽいホール感」にしていく感じですか?

サウンド先生
そういうこと。ホールや大聖堂のような広い空間では、「残響が長い」ことに加えて、「原音から少し経ってから残響がふわっと立ち上がる」「壁までの距離が遠い感じがする」といった要素も大事になる。そのへんはプレ・ディレイやルーム・サイズの仕事になってくる。

タカミックス
つまりこの問題では、「まずディケイ・タイムが“長さそのもの”を決める」という基本を押さえられるかどうかを聞いてる、と。

サウンド先生
その通り。試験的には「残響時間を決めるパラメータはどれか?」と問われたら即「ディケイ・タイム」と返せるようにしておこう。今回の文章の「単に残響の長さを決める(15)だけを伸ばしても」というフレーズが、そのままヒントになっているんだよ。

詳しい解説

一問ずつ正解を覚えることも大事ですが、「なぜその選択肢を選ぶのか」という筋道を理解しておくと、別パターンの問題にも強くなります。
ここでは、答えにたどり着くまでの考え方を整理しながら、似たテーマの問題にも応用できるようにしていきましょう。

なぜその答えになるのか(メカニズム)

ディケイ・タイム(Decay Time)は、リバーブの「残響がどれくらいの時間をかけて“消えていくか”」を決めるパラメータです。物理的には「音が 60dB 減衰するまでの時間(RT60)」のイメージで語られることが多く、リバーブの“尻尾の長さ”そのものを規定しています。

ホールや大聖堂のような大きな空間を想像すると、拍手や声が「いつまでも伸びている」感覚があります。この「長く伸びている感じ」をデジタルリバーブで再現するには、まずディケイ・タイムを長めに設定する必要があります。短いディケイ・タイムでは、どんなに他のパラメータをいじっても、残響自体がすぐ消えてしまうので“大空間”の印象にはなりません。

問題文では「単に残響の長さを決める(15)だけを伸ばしても十分ではない」とわざわざ書かれています。この一文が、「(15)は残響の長さを決めるパラメータですよ」と教えてくれているヒントです。残響時間そのものを決めるのはディケイ・タイムなので、選択肢の中でこれに対応するのは Decay Time しかありません。

他の選択肢が誤り(または優先度が低い)理由

Early Reflection(アーリー・リフレクション)
アーリー・リフレクションは、音が出て最初の数十ミリ秒〜数百ミリ秒のあいだに返ってくる初期反射のことです。壁や天井に当たって戻ってくる“最初の跳ね返り”がどう分布しているかで、「部屋の形」「材質」「広さ感」の第一印象が決まります。
ただし、これは「最初の反射のパターン」「密度」などに関わるパラメータであって、残響が何秒続くかそのものを決めるものではありません。したがって「残響の長さを決める(15)」という説明には合いません。

Pre Delay(プレ・ディレイ)
プレ・ディレイは、原音が鳴ってからリバーブの残響が立ち上がるまでの“待ち時間”です。時間を長くすると、原音がはっきり聞こえたあと、少し遅れて残響がふわっと広がるので、「遠くの壁から返ってきている感じ」や「ボーカルの輪郭がくっきりしている感じ」を演出できます。
しかしプレ・ディレイは“いつから”残響が始まるかを決めるパラメータであって、“いつまで続くか”を決めるものではありません。問題文の「残響の長さを決める」という説明とは役割が違うため、正解にはなりません。

Room Size(ルーム・サイズ)
ルーム・サイズは、仮想空間の大きさをパラメータとして表現したものです。値を大きくすると、「初期反射までに時間がかかる」「反射のパターンが広がる」といった変化が起こり、広い空間にいるような印象を作れます。
とはいえ、ルーム・サイズは“空間のスケール感”に大きく関わるパラメータであって、残響の“絶対的な長さ”を直接決めているわけではありません。多くのリバーブでは、ルーム・サイズとディケイ・タイムは独立したパラメータとして存在しており、「長さ」はあくまでディケイ・タイムが担当します。

以上から、「残響の長さを決めるパラメータ」という説明にピッタリ当てはまるのは、ディケイ・タイム(Decay Time)だけだと判断できます。

実務・DTMへの応用

DTMでホール系リバーブを設定するときは、まずディケイ・タイムの目安を決めるところから始めると楽です。たとえば、

  • 小さめのホール感:ディケイ・タイム 1.5〜2.0秒前後
  • コンサートホールっぽさ:2.0〜2.5秒前後
  • 大聖堂のような長い残響:3秒以上

といったイメージでスタートし、楽曲のテンポや休符の長さに合わせて微調整していくのが実務的です。テンポが速い曲でディケイ・タイムを長くしすぎると、前の音の残響が次の音にかぶり過ぎて、全体がモコモコした印象になってしまいます。

そのうえで、「リアルなホール感」を出したいときには、プレ・ディレイで原音との時間差を作ったり、ルーム・サイズやアーリー・リフレクションのパターンで空間の距離感を整えたりします。今回の問題は、その前段階として「残響そのものの長さを決めるのはどのパラメータか?」をきちんと切り分けておくためのチェックだと考えると理解しやすいでしょう。

結論の整理

結論の整理
2025年 ステップⅡ 第15問の正解
ディケイ・タイム(Decay Time)は「残響の長さ」を決めるパラメータ


一言まとめ
ホール感を作るには、まずディケイ・タイムを長めに設定して“残響の尻尾”を伸ばすことが出発点になる

過去問出題年・関連リンク

出題年度:現在調査中(後日追記予定)

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