2025年サウンドレコーディング技術認定試験のステップⅠの第4問目となります。
本試験は定番テーマの再出題が多い傾向があり、過去問ベースの対策効果が高い試験です。
今回は「音の三要素」の一つである「音の高さ」に関する問題です。日常的に「高い音」「低い音」と表現しますが、実際にはどのような物理量で説明され、その単位には何が用いられているのでしょうか?
2025年問題ステップⅠ問題4
対話講義(Q&A)|音の高さ
サウンド先生: 今日は「音の高さ(pitch)」。まず大事な区別。
日本語で「“音の高さ”が合わない」と聞くと「音痴」と混同しがちだけど、音痴は正しい高さに合わせるのが苦手という話。
ここで言う「音の高さ」は音そのものの性質だよ。
タカミックス: なるほど、音の性質としての高さですね。ちなみに高さって、どうやって決まるんですか?
サウンド先生: 正解は Hz(ヘルツ)で音の高さを決めるのだが、このHzとは周波数のことで1秒間に空気が何回ふるえるか(振動の回数)を数えたものだ。
- 回数が多い=波が細かい=音は高い。
- 回数が少ない=波がゆっくり=音は低い。
- 1オクターブ上がるとHzは2倍(基準が違っても不変)。
※ いわゆる標準ピッチは A4=440 Hz がよく使われるが、オーケストラでは442〜443 Hz、古楽系では415 Hz など、現場により基準は変わる。
タカミックス: dBは前回習った「音の強さ」ですね?
サウンド先生: その通り——ただし厳密には、dBは「音の強さそのもの」の単位ではなく、音の強さレベルや音圧レベルといった“レベル”を表す単位だよ。
レベル(dB) と 高さ(Hz) を混ぜないのがポイント。
タカミックス: 解答欄にあるbitもよく見ますが具体的にはわかりません!
サウンド先生: bitはデジタルでどれだけ細かく段階分けして記録できるかの指標。段差の細かさと思えばいい。bit数が大きいほど小さな差まで記録できる。これも高さとは別。
ただし今回は Hz をまず押さえよう。bitは頭の隅に置いておけばOK。
タカミックス: 選択肢の phone って何ですか?
サウンド先生: それはひっかけに近いね。実際には “phon(フォーン)” という感じる大きさの単位があるけど、「phone」という音楽用語は元々ない。
もしかして iPhoneとかけた冗談かな?(笑) 選択肢の“phone”は×、phonも“高さ”とは無関係。
タカミックス:了解です。要点が掴めました!
サウンド先生:結論——「音の高さ」は周波数で表す。単位はHz。
イメージ図で確認してみよう
Hz(音の高さ)とdB(音の大きさ)は、文章だけだと少しイメージしにくいかもしれません。
下の図は次のように読み取ります。
- 縦軸=音の大きさ(振幅/dBのイメージ)
→ 振幅が大きいほど「大きな音」、小さいほど「小さな音」になります。 - 横軸=音の高さ(振動の回数/Hzのイメージ)
→ 波の間隔が狭い(回数が多い)ほど「高い音」、間隔が広い(回数が少ない)ほど「低い音」になります。
この授業のまとめ
「音の高さ」とは周波数のことであり、単位はHzである。
dBは大きさの“レベル”の単位(音圧レベル/強さレベルなど)。
過去問出題年
検証中(今後追記予定)
