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ワウ・フラッターの基礎①:ワウとは何か|2024年過去問解説 ステップⅣ-20

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アナログの録音機器や再生機器では、回転のわずかなムラが音に影響することがあります。ここで大事なのは、ただ「音が変になる現象」と覚えるのではなく、その変化がどのような速さで起こるのかまで整理することです。

このテーマで引っかかりやすいのは、ワウとフラッターを何となく似た言葉として覚えてしまうことです。実際には、両者は回転ムラそのものではなく、そのムラの現れ方に違いがあります。

用語の意味をきちんと分けておくと、アナログ録音機器の特徴や、なぜ音程が不安定に聞こえるのかも理解しやすくなります。それでは、まず問題を解いてみましょう。

過去問|2024年ステップⅣ 第20問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2024年 ステップⅣ 第20問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
この試験は「定番テーマ」が形を変えて何度も出題される傾向が強く、過去問を押さえることが合格への最短ルートと言えます。

問Ⅳ-20:録音機器や再生機器では、回転速度のムラによって音が不安定になることがあります。 この現象のうち、ワウは回転ムラの変動周期が(20)ものを指す。 (20)に入る適切な語句を答えなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

ワウ=回転ムラの変動周期が長い
※ゆっくり揺れる変動

本回の学習ゴール

・ワウを「回転ムラの変動周期が長い現象」として説明できる
・ワウとフラッターの違いを、変動の速さの観点から区別できる
・音程が不安定になる理由を、回転速度のムラと結びつけて理解できる

対話講義(Q&A)|ワウとは何か

サウンド先生
タカミックス君、「ワウ」と聞くと何を思い浮かべる?

タカミックス
ギターのワウ・ペダルですね。足で動かして音が「ワウワウ」変わる、あれです。

サウンド先生
そこを連想する人は多いよ。
ただ、今回のワウは回転ムラによる音の不安定さ、ワウフラッターについてだ。正確にはワウ・アンド・フラッターのこと。そして今回の問題で出てくるワウは、その中でもゆっくりした揺れ方をする現象を指しているんだよ。

タカミックス
あ、そもそもワウとフラッターってセットの言葉なんですね。

サウンド先生
そうだよ。今回の問題はそのうちのワウだけを聞いている。
ギターのワウ・ペダルはフィルターを動かして音色を変えるものだけれど、ここでいうワウは、録音機器や再生機器の回転が一定でないことで、音程がゆっくり揺れて聞こえる現象なんだ。

ちなみに英語の綴りも違うんだよ。
ギターのワウ・ペダルの「ワウ」は wah、ワウ・フラッターの「ワウ」は wow と書く。
つまり、名前は似ていても、ギターのエフェクトと機械の回転ムラは別物として考えた方がいいんだ。

タカミックス
同じ「ワウ」でも綴りも意味も違うんですね。

サウンド先生
その通り。昔のカセットテープやターンテーブルでは、回転がわずかに不安定になることで、音がゆっくり揺れて聞こえることがあった。今回のワウは、そういう現象のことなんだ。

タカミックス
ということは、この問題では音色の変化ではなく、回転ムラによる音程の揺れを考えればいいんですね。

サウンド先生
そうだよ。しかも大事なのは、その揺れがゆっくり現れることなんだ。
だからこの問題では、ワウを「回転ムラの変動周期が長い現象」と押さえればいい。

タカミックス
なるほど。だから答えは「長い」になるわけですね。

サウンド先生
その通り。
つまりこの問題は、ワウを「ワウ・フラッターのうち、ゆっくりした回転ムラによる現象」と整理できれば答えにたどり着ける。

タカミックス
先生、この「長い」って、物理的にテープやゴムみたいな部品が伸びてしまうってことですか?

サウンド先生
ここでいう「長い」は、テープなどの部品が物理的に伸びることではない。回転ムラの変動周期が長いという意味なんだ。

詳しい解説|なぜその答えになるのか

結論から言うと、正解は長いです。
ワウは、録音機器や再生機器の回転ムラのうち、変動周期が長いものを指します。

なお、ここでいうワウはギターのワウ・ペダルではなく、録音機器や再生機器の回転ムラによって音程がゆっくり揺れる現象です。
ここでいう「長い」は、テープなどの部品が物理的に伸びることではありません。回転ムラの変動周期が長いという意味です。

この問題の判断ポイントは、「ワウとは何を基準に区別する言葉か」を押さえることです。
ワウとフラッターは、どちらも回転速度のムラによって起こる現象ですが、区別の基準はムラの有無ではなく、そのムラがどれくらいの速さで現れるかにあります。

ワウは、回転の揺れが比較的ゆっくり現れるため、音程もゆっくりと上下するように感じられます。たとえば、テープやターンテーブルの回転が安定せず、少し遅くなっては戻るという変化が緩やかに起こる場合、それはワウとして捉えられます。

ここで重要なのは、「長い」「短い」が何にかかっているかです。
この問題では、長いのは音そのものではなく、回転ムラの変動周期です。つまり、揺れが1回起こって次の揺れが来るまでの時間が長い、ということです。

逆にフラッターは、同じ回転ムラでももっと細かく速く起こる現象です。したがって、ワウとフラッターはセットで覚えると整理しやすくなります。

  • ワウ=変動周期が長い
  • フラッター=変動周期が短い

初心者が混同しやすいのは、「変動が大きいか小さいか」で考えてしまうことです。ですが、この用語の区別は揺れ幅ではなく、周期の長短です。そこを外さなければ、この問題は迷いにくくなります。

中級者向けに補足すると、このテーマはアナログ機器の物理的な挙動と直結しています。モーターやベルト、キャプスタン、ピンチローラーなどの機械的な要素が完全には一定で動かないため、速度ムラが生じ、それが音程の揺れとして聞こえます。アナログ機器の味わいとして語られることもありますが、基本的には再生精度の低下として扱われる現象です。

他の選択肢が誤りな理由

  • 大きい
    これは変動の大きさを連想させる言葉ですが、ワウとフラッターの区別は揺れ幅ではなく周期で行います。
  • 小さい
    これも変動量の大小に目が向いた選択肢です。問題で問われているのは、どれくらいの速さで揺れるかです。
  • 短い
    短いのはフラッターの方です。細かく速い変動を指すため、ワウの説明としては逆になります。

現場と作品理解へのつながり

この知識は、アナログ録音や古い再生機器の特徴を理解するときに役立ちます。
たとえば、古いテープ音源やレコード再生で「少し音程が揺れて聞こえる」と感じたとき、それが演奏の問題ではなく、機器の回転ムラに由来する可能性があると判断しやすくなります。

また、アナログ機材の質感を好んで使う場面でも、どこまでを味として受け入れ、どこからを不安定さとして避けるかを考える材料になります。単に「古い音っぽい」で済ませず、回転精度の問題として理解できると、機材選びや作品分析の精度が上がります。

さらに、現代のデジタル環境では基本的にこうした回転ムラは前提になりません。だからこそ、昔の録音物やアナログ機器に固有の現象として学んでおくと、録音史の流れや音の変化も立体的に見えてきます。

結論の整理

2024年 ステップⅣ 第20問の正解
長い

一言まとめ
ワウは、回転ムラがゆっくり現れる長い周期の変動を指す

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