サウンドレコーディング技術認定試験対策講座を開始—過去問×対話形式で原則5日ごと更新!今の「分からない」を次の更新で「分かる」に変えよう!

位相の進み遅れを基準に戻して考える方法|2024年過去問解説 ステップⅠ-25

  • URLをコピーしました!

位相の問題は、一見すると足し算や引き算だけで解けそうに見えます。ですが実際には、「何を基準にしているのか」が途中で入れ替わるため、そこで向きを取り違える人が多いテーマです。

特に、「Aに対して何度遅れ」「基準位相に対して何度進み」という2つの表現が同時に出てくると、頭の中で基準がずれてしまいがちです。ここを曖昧にすると、計算自体は簡単でも正解から外れやすくなります。

このテーマは、位相を図や位置関係として整理できるようになると迷いにくくなります。制作や音響の理解でも、相対関係を落ち着いて読み取る力は大切です。それでは、まず問題を解いてみましょう

過去問|2024年ステップⅠ 第25問

今回の問題は、サウンドレコーディング技術認定試験【2024年 ステップⅠ 第25問】をベースに、学習用として一部アレンジして出題しています。
このテーマは定番なので、考え方ごと押さえておくと応用が利きます。

問Ⅰ-25:基準位相に対して30°進んでいる波Aがある。波Bは、波Aに対して60°遅れている。このとき、波Bを基準位相に対して表したものとして適切な語句は(25)である。(25)に入る適切な語句を番号で答えなさい。

問題=答え|暗記用ワンフレーズ

波Aが30°進み、波BがAより60°遅れ=波Bは基準位相に対して30°遅れ
※30−60=−30°

本回の学習ゴール

・相対的な進み遅れを、基準位相に戻して整理できる
・「進み」と「遅れ」を符号の感覚で説明できる
・途中で基準が変わる位相問題でも向きを取り違えずに判断できる

対話講義(Q&A)|位相の進み遅れをどう読むか

タカミックス
この問題、復習すると内容自体はそんなに難しくない気がするんですが、途中で「何に対しての位相なのか」がズレると急に分からなくなります。

サウンド先生
そこがこの手の問題の一番大事なところだね。まず最初に固定しないといけないのは、最終的に何に対して答えるのかという基準だよ。

タカミックス
今回は「基準位相に対してどうか」を答えるんでしたよね。

サウンド先生
その通り。では、最初の条件を整理しよう。波Aは基準位相に対して30°進んでいる。つまり、基準を0°と見るなら、Aは+30°の位置にあると考えられる。

タカミックス
ここまでは大丈夫です。問題はその次ですね。波BはAに対して60°遅れている。

サウンド先生
そう。ここで「遅れ」は、Aの位置から60°ぶん後ろへ下がるという意味だ。Aが+30°なら、そこから60°戻るので、Bは−30°になる。

タカミックス
+30°から60°戻るなら、たしかに−30°ですね。

サウンド先生
そして、−30°を言い換えると「30°遅れ」になる。これで答えにたどり着ける。

タカミックス
つまり、「Aに対してどうか」で止まらず、最後は必ず元の基準位相に戻して考えるのがポイントなんですね。

サウンド先生
その理解でいいよ。位相の問題は、数字そのものよりも、どの基準から見ているかを見失わないことが重要なんだ。

詳しい解説|なぜその答えになるのか

まず結論だけ言うと、波Aが基準位相に対して30°進み、波BがそのAに対して60°遅れなので、波Bは基準位相に対して30°遅れになります。

最短の考え方は、進みをプラス、遅れをマイナスとして扱うことです。
今回の条件を数直線のように整理すると、次のようになります。

基準位相=0°
波A=+30°
波B=+30°−60°=−30°

この−30°を言葉で表すと、基準位相に対して30°遅れです。したがって正解は「30°遅れ」になります。

ここで大事なのは、「波Bは波Aに対して60°遅れ」という情報を、そのまま答えにしないことです。問題が最後に聞いているのは、あくまで「基準位相に対してどうか」です。つまり、途中で一度Aを経由していても、最後は必ず基準位相まで戻して判断しなければなりません。

復習として押さえたいのは、位相の進み遅れは位置関係の読み替えだということです。
「30°進み」は基準より30°前、
「60°遅れ」はそこから60°後ろ、
というように順に動かしていけばよく、特別に難しい式は必要ありません。

中級者向けに少し補足すると、この考え方は位相を符号付きの角度として扱っているとも言えます。進みをプラス、遅れをマイナスとして見れば、今回のような問題は足し引きで整理できます。もっと複雑な位相関係でも、基準を固定して符号で追うと混乱しにくくなります。

他の選択肢が誤りな理由

  • 30進み
    A自体が基準位相に対して30°進みなので、途中の情報と混同するとこれを選びやすくなります。ですが、Bはそこからさらに60°遅れるので、その位置にはなりません。
  • 150°遅れ
    今回の条件には150°になる要素がありません。位相差の向きや基準を取り違えて、大きく読み違えた場合の誤答です。
  • 150進み
    これも同様に、今回の条件からは導けません。30°と60°の関係を見ているだけなので、150°という大きな角度に飛ぶ理由がありません。

実務・DTMへの応用

位相は、録音やミックスで複数の信号を重ねるときに重要になります。たとえば同じ音を複数マイクで拾った場合、到達時間の差によって位相差が生まれます。このとき、「どちらがどれだけ前か後ろか」を相対的に見る感覚があると、なぜ音が細くなるのか、なぜ低域が弱く感じるのかを整理しやすくなります。

また、プラグイン処理やダブリングでも、少しのズレが音のまとまり方に影響することがあります。ここで必要なのは難しい理論を丸暗記することではなく、「基準に対してどこにいるのか」を落ち着いて追えることです。今回の問題は短いですが、その感覚を確認するには良い復習になります。

関連する過去問・関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!